第99話 聖女様一行との別れ!
「どこほっつき歩いとるんじゃ〜」
「美味しそうなのだ!食べたいのだ〜」
「なんだ、先生とニキか、驚かせないで下さいよ」
俺は淡々と喋る。
「全然驚いておらんではないか〜!もう少し驚け!驚け!」
先生は地団駄を踏んで悔しがる。ちなみに踏んでいるのは俺の頭……止めてほしい。
「ハムハムうまいのだ!」
ニキは俺の足の上に乗りケーキを貪る。
「コラコラ、あんまり俺の足にこぼすなよ!」
俺はニキの頭を撫でた。そこに先生が滑り込み様に乗っかる。
「タクト、一言物申すのじゃ!」
「はい、先生何ですか?」
「我とこのワン公との格差がひどいのじゃ!待遇改善を求むのじゃ!」
「えーどうしよっかな〜」
「大体我とこのワン公の何が違うのじゃ!」
「可愛げ?」
「ガ~ンなのじゃ〜」
「アハハ、冗談冗談、むしろ先生も可愛げはある」
「むむむ、昔のタクトの方が可愛げがあったのじゃ」
「それはボクも思うよ!それより遅いよ先生!ボクはもっと早く探しに来てくれると思ってたんですよ!」
「何を言っているのじゃ、むしろ早かったであろう。ニキの嗅覚と脚力があって成せる技じゃ」
「そっか、ありがとう先生、ニキ」
「ま〜何事もなくて良かったのじゃ」
「ワンワン!」
二人共心配して来てくれたことがとても嬉しかった。
「わーいなの!ワンワン」
「ワウ!?」
ニキが突然現れたアイリスにかっ攫われた。ま〜良いか。
それから先生と話をして、帰る道と町までの距離について聞いた。話からすると町に戻るには数日はかかると思う。結構かかるけど問題はない。
それから俺達聖女様一行は何事もなく森を抜ける。あれから一切魔物と出会うことがなかった。恐らくだが森の主を倒したことで魔物達の中で俺達を襲うことが危険と認知されたのだと思う。
そして、ここで聖女様達と別れることになる。
「えー行っちゃうの〜、一緒に行なの!」
俺の腕を引っ張り連れて行こうとするアイリス、そんなかわいい顔されると弱いんだけどな。そうもいかないんだよ。
「アイリスそれはダメなんじゃないか!アイリスは遊びに行くわけじゃないんだろ。頑張って聖女様みたいな立派な人にならないとな」
俺はアイリスの頭を撫でニコリと笑う。
「……うんなの、パパとママに頑張るって言ったなの、聖女様になったらみんなが幸せになって喜ぶって言ったなの、だからワタシ聖女様になるなの!」
「そうだ、えらいぞ!アイリス」
「でもでもタクトとも遊びたいなの……良い?」
「別に遊ばないとは言ってないぞ!また次に会える時を楽しみにしているからな!アイリス」
「わーいなの!」
アイリスは元気にバンザイして喜んでいる。納得して貰えたみたいで良かった。
「あらあら、立派な人なんて言われて私も嬉しいわ」
聖女様が笑顔でこちらに来られた。
「いや〜聖女様が立派な人じゃなかったら誰が立派な人なんですか?」
「私なんて大したことはやっていませんよ。私は女神様の声を代弁としているに過ぎません」
「そんなことないと思いますよ。ボクは聖女様をあまり良く知りません。だから断言するつもりはないですけど、ボクが見た聖女様は立派な人で女神様の声を聞かなくたって周りを幸せに出来る人だ!そう思えたんですよ」
「ま〜ま〜……そんなことを言ったら女神様に叱られますよ!」
「大丈夫ですよ。友達なんで!」
「ふふふっ、そうでした」
挨拶をそこそこに聖女様は馬車に乗られた。
「タクトくん、それではな!……また会おう」
「はい!ルナさん達もお元気で!」
アーチさんとレアリーさんとも軽く挨拶をして、そして行ってしまった。
色々合ったけど、最後にルナさんに「また会おう」と言って貰えたことは印象的だった。
「それじゃ〜僕達も行きますか!先生、ニキ」
町はここから数日かかる。
森を抜けたことだしここからはのんびりと帰るとしようかな。でもその前に母さんに連絡しようかな。これだけ聞いてるとマザコンみたい、だけど連絡したいと心配性の母さんのことだ暴走する。父さんのためにも小まめに連絡をしないと。
「カンナ〜配管頂戴」
「はいな!」
「サンキュー」
配管を使うときは意識を集中して相手もしくは場所を思い浮かべ、そして覗く。
うん……我が母ながらええもん持っとる。この配管は風呂場を覗く仕様になっているのか?覗いたらまたおっぱいが見える。しかも今回は特大サイズ。子供の頃から知ってはいるけど拓哉としての記憶が混じり母さん相手にムラムラしてしまう。これは非常に困る。
「誰かしら?」
あ!気配で気づかれた。
「母さん、ボクだよタクトだよ!」
「あ!タクちゃん今どこにいるの!」
「う〜んどこと言われると、ここどこだろう。ちょっと分からないけどあと数日で家に帰れると思うよ!」
「本当!?嬉しい〜、それなら私達もすぐに家に戻るわね」
「ん?母さん達、家にいないの?」
「ええそうなの、今後のことを考えてゴミの片付けをしてたの。でもあらかた片付いたからそろそろ帰るわね!」
「うん……片付けか、そうなんだ母さんお片付け上手だもんね」
「ええ、母さんの得意分野よ!」
「それじゃ〜またね。取り敢えず一日一回は連絡入れるから心配しないでね」
「……通信終わりと!」
こうして俺達は家へ帰る。
しかしまさか町があんなことになっているとは、この時は思いもしていなかった。
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『タクト』 Lv:40
【種族】ヒト族
【年齢】14
【職業】庭師(お手伝い)
【称号】神の使徒
【加護】イリスの加護
【HP】1220/1220(+0)
【MP】400/400(+0)
【魔力】112(+0)
【筋力】80(+0)
【耐久】80(+2)
【敏捷】129(+2)
【運】 100(+0)
【ユニークスキル】ツールボックス Lv.1
【レアスキル】 地の精霊魔法 Lv.up2→3
雷魔法 Lv.1
【コモンスキル】剣術 Lv.2
体術 Lv.up2→3
生活魔法 Lv.2
魔力操作 Lv.2
言語理解 Lv.1
料理 Lv.up3→5
掃除 Lv.2 採取 Lv.2
隠密 Lv.2
M Lv.1(ブタ野郎!)
道具 プラスドライバー
ニッパー
絆創膏
ハンマー
メガネ
ライト
作業手袋
ヘルメット
タブレット
配管
バーナー
蛇口
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new! ドリル
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