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第84話 俺は勇者じゃない!

大変申し訳ありません!

後半のほうがかなり抜けておりました。

加筆しましたので宜しくお願いします。


「ほお……それはどこの野郎だ。バロンに斬られたかったのか?」


「残念だから斬れなかったよ。流石に相手が悪かったからな」


 バロンは一瞬その時のことを思い出し怒りが込み上げ怒気を発してしまったが、すぐにそれを自ら諌める。


「それで誰なんだ!

「シャックス侯爵のヤツだ!」

「アイツがか!俺の記憶ではお前のことは毛嫌いしている印象だったがどう言う裏がある。


「さ〜な……だが少し気になるのは呼ばれたタイミング、何故魔物がこの町を襲う最悪の時にしかも至急の呼び出しをしたかだ!」


「つまりヤツの目的はそこにあった、そう考えることが出来るわけか」


「あ〜憶測だがな、アイツは危険だから何をしでかすか分からない、ただ私が苦しむ姿をみたい、ただそれだけのためにやる男だと私は思っているからな」


「確かにアイツは得体のしれないヤツだからな、でも魔物は倒した!ヤツの目論見はバーだ!今頃悔しがっているだろうよ」


「はぁ〜別にアイツの悔しがる顔には興味はない!寧ろ見たくもないからな、それよりもノルンだ!」


「おいおい、そんなにカリカリするなよ!らしいない。そもそもヤツの目的はもう失敗したんだ、ノルンの件はただの口実だろ。もう大丈夫じゃないか?」


「いや、そうは思えん、ヤツは俺に嫌がらせをしたいのならなおさらだ!」


「しかしな〜いくらなんでも娘を寄越せってのはいくらなんでも横暴じゃないか、ま〜アイツならやってそうだがよ」


「アイツはやらしいヤツではあるが、乱暴な方法は取らない。自分が表舞台にいる時に限るがな。ノルンを寄越せというのは私がやや誇張して話をしている。実際言われたのはシャックス侯爵の次男ジャックの嫁に来てほしいそうだ」


「ほぉ〜……それは驚きだ。アイツ案外お前のことは好きなんじゃないか!」


「気持ち悪いことを言うな!

 正直分からんと言うのが本音だが、この間セドリック伯爵家のパーティーで息子のジャックがノルンを見て一目惚れしたらしい。ジャックの歳ももうすぐ十九になるとのことで丁度良いと思ったらしいが、私からすればふざけるなだ!」


 バロンからじわじわと怒気が漏れ出しイグニスはま〜ま〜と言って落ち着かせる。



「なるほど無理矢理来たわけでもない。これはこれで断りづらいか……」


「私の中では断ることは確定事項だが、その場でしかも当人がいないその状況では断れなかった。ノルンには話をするつもりだが、どうにも気が重い」


「ガッハハ、ノルンが怒るのに金貨百枚賭けても良いくらいの賭けにならない話だ!」


「笑えないぞイグニス、はっきり言って手に余る話だが、ノルンにとって幸せから遠ざかるようなことをするつもりはない!話をして問題なければ断るつもりだ」


「ならさっさと断れ、聞くまでもない、ノルンには少年がいるからな!聞くだけ無駄だ」


「うん?……なんだイグニスもタクトくんに会ったのか良い子だろ。あの子ならなんの問題もない………そうだな、なんならさっさと二人を結婚させて言い訳の理由にするのが良いんじゃないか!そうだ!そうしよう!」


「なんか閃いたみたいなことを言っているが、それはそれで茨の道かもしれんがな」


「ハッハ……そうだな!だがそれにはそうしてでも叶える価値があるからな。頑張るさ」


「おう!応援してるぜ!……さ〜喋ってばっかで全然飲んでないぞ!さ〜飲めよ!飲めよ!」


 その日は朝まで飲むことになったが、朝起きてバロンは何事もなかったように仕事を始め、イグニスはグ〜スカと大の字に寝ていた。


 そしてその頃……


「うわぁ〜」

 ノルンにぶん投げられて、一回転して見事着地……百点満点だね!ま〜そんなことは良いか、ではなぜ俺が投げられないといけなくなったかと言いますと単純にひがんでのこと。俺は魔物の討伐を行きたくて行ったわけではないのだが………


「あ~もう良いな良いな!」

「ノルン普通魔物の討伐を羨む人はいないからね」

「じゃ〜変わってよ!」

「じゃ〜スカーレット様を説得してね」

「じゃ〜無理じゃない!」

「そだね!」


 それから他愛のない話をしながらお菓子を食べる。


「なにこれ美味しいしじゃない」

 ポリポリとスティック状のお菓子を食べるノルン、さっきから美味しい美味しいと言って一本二本と手が出て……あ!なくなった。


「タクトもっと頂戴」

「ノルン食べ過ぎだよ!」


「良いじゃん別に……ま〜良いわ!また今度貰うから。それよりも!私思うのよ!私達はもっと強くならないといけない!」


 ヤバいな〜これはまた面倒なことになりそうだ。


「その為に……イグニスに弟子入りするのよ!」


「……悪くわないかな。特にノルンはイグニスさんと同じ剣士で使えるスキルが火属性だからきっと強くなるための足がかりになるよ!うん、良いと思う」


「でしょでしょ、行くわよ!タクトー!」

「えーボクも行くのーー」


 俺はノルンに引っ張られ連れて行かれた。


……………▽


「随分と突然……でもないか」

 

 イグニスさんは何かを思い出し少しだけ困った様な顔をした。


「これで何度目だノルン、ほぼ会うたびに言っているぞ」


 え!?……ノルンさんどう言うこと?


「今度こそ私を弟子にして貰うわ!」

 

「またか、何回断れば良いんだ!ノルン、俺は弟子を取らねぇーし、指導してもらうなら俺よりバロンとスカーレットさんに頼めよ。俺よりよっぽど適任者だぞ!」


「いやよ!父様はそもそも忙しくって、私に構ってられないの、母様は……レベルが高過ぎてまだついていけないわよ」


 多分バロンさんはガチで忙しいけどスカーレット様に関してはノルンが嫌なだけだ。……気持ちは分からなくはないけど……


「なんだよ!贅沢な奴だな。バロンは純粋な剣の実力なら俺よりずっと上だし、スカーレットさんはこの国の中でも火の魔法使いで言えば五本指に入る程の実力者だぞ!超スペシャリストに教えてもらえよ」


 へー、バロン様に関しては知っていたけど、まさかスカーレット様までそれ程の実力者だったなんて……発言には気をつけよう。燃される。


「でも、イグニスは勇者でしょ!勇者の方が凄いはよ!」


「はぁ〜ノルンこれも前言ったぞ!俺は勇者じゃない」


 ………どう言うこと?

 俺はイグニスさんの言った意味が分からず頭をかしげた。


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