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第80話 強敵続出!


 俺は町に向かい走り出すと、それを邪魔する様に木が動きだし襲って来た。


 くっ!そのまま行かせてはくれないか!


「タクトそのまま走り抜けろ!」

 俺の両脇に炎が走り、俺は阻む木の魔物が焼かれて倒れていく。それを躱しながら俺は走り抜けた。


 俺はそのまま走り町に戻りたかったが、暫く走ったところで止まった。


「えーっと……あなたもあのばあさんの関係者ですか?」


 前に一人の魔術師が立っていた。


「うんそうだよ!あのばあさん逃がしてるじゃん!意外と使えないな。偉そうなことを言ってる割に大したことなかったね」

 

 この内容から間違いなく敵だ!こっちは急いでいるって言うのに面倒だな〜サクッと倒す。


 俺はプラスドライバーを構えようとすると、魔術師の男は両手を挙げて俺を止める。


「待った待った!少しくらい話をしようよ〜」


 はぁ〜何言ってるんだこいつは、こっちはお前なんかに構ってられないんだよ!


「私はバグズと言うんだ。宜しくな!一応職業は殺し屋さ。依頼でね!君を殺すよう依頼を受けている」

 男からさっきまでと違い強い殺気を感じる。それに何だって俺を殺すだ〜……一体誰がそんなことを!


「ちなみに依頼者については話せないから聞かないでね〜」


「ま〜そうだわな!なら力尽くで吐かしてやるよ!」

 俺が攻撃を仕掛けようとした時、それよりも一歩速くヤツの攻撃が放たれた。


「……………はぁ?なんのつもりだ」

 ついつい綺麗だな〜と思い見入ってしまった。空に綺麗な花火が上がっていた。


「これが私の魔法『ファントムファイア』さ」

 

 はぁ?……それって攻撃?


「綺麗だな。何の意味があるんだ?」


「綺麗だったかな?それではもっとプレゼントしょうじゃないか。『ファントムファイア』」


 うげ!こいつこっちに向けて花火を飛ばして来やがった!バンバンうるさいし、眩しいぞ!これ!


「一体何のつもりか知らないが、こんなことしてもちょっと火傷をするくらいだよ!」


「ふふふっ……そうかな」

 魔術師は不敵に笑う。


「バカもん……警戒が足りとらんわ」


 先生が何かを言っている。どうし……た…


 俺は身体に力が入らず膝をつく。


「なんだ…これ…身体がピリピリして力が入らない」


「このバカ弟子が!殺傷力がない攻撃ならば他に何かあるのではないかと考えんか!」

 先生に一喝される。

 そうか、言われてみればその通り、何の意味もない攻撃を敵がする訳がない。


「これは音と光を使った幻術なのじゃ、そうやって相手を嵌めて動けなくなったところにトドメをさすのじゃろう」


 パチパチパチ……魔術師は笑顔で手を叩く。


「御名答で御座います。こんなところに妖精とは珍しい。博識とは聞いていましたが、簡単にバレてしまいました」


「貴様の魔法など大したことはない。今なら逃がしてやるのじゃ!さっさと退けい!」

 

 再びクスクスと笑う魔術師。


「すいませんが逃がすのは無理なので諦めて下さい。出来るだけ楽に殺して差し上げますから」


 先生は魔術師ではなく俺の方に向き直す。


「今回は急いでおるから特別じゃ、我が此奴を相手しょう」


 お!……珍しく先生が……


「ほう、妖精が私の相手を笑わせます。すぐに殺して差し上げましょう」


 魔術師の男も殺る気だ!


「………話にならんのじゃ」

 先生が一言言うと同時に魔術師の男は倒れて死んだ。………えーーどうやったの?全然見えなかったけど!


「先生……今のは……」


「ふん!……地の精霊使いからすれば地面に触れている時点で攻撃されていると思わねばな。それよりも急ぐのじゃ、動けるかタクト」

 

「え〜なんとか……行きますか!」

 俺はすぐに立ち上がり走り出した。


 しかしまたしてもすぐに止まることになってしまった。



………………▽


◆イグニスの視点


 思っていたより厄介なばあさんだ。無限に再生しやがる。火の属性を使う俺からすれば有利にことを進めれるはずたったが、倒すのには時間がかかる。まさか足止め役か?


「なぁ〜ばあさん……もう燃やされたくないだろ。そろそろ帰れよ!」


「ヒッヒッヒ、確かに熱くて敵わないね!儂ではやはり倒せねか、ま~よい今回はお前さんを倒すのが目的ではなくないのでな。ゆるりと遊んでおくれ……」


 このばあさん、もう俺を倒す気はないようだな。ただ逃がしてもくれないようだ。


 さっきから周りの木を燃やしているがすぐに新しい木が生えてくる。こちらとしても打つ手がイマイチ見つからない。


「ばあさん…あんたはゴエティアの輩だろ」

 

「そうじゃよ。名乗っとらんかったか、すまんすまんでは改めてゴエティア72柱の一人ラウムじゃ宜しくのう勇者」


「大物だったか、通りで面倒なばあさんだよ。殺しても死なない不死身の身体でも持っているのかい」


「ホーホッホ、お主から見ても儂はそう見えるか、これは嬉しいの〜、儂はな〜人の命を吸って生きておるのさ、故に貴様らただの人間と違って生命力に溢れ死なない。お前さんも儂の養分にしてやろう」


 うねうねと気持ち悪く木の根が揺れる。

 このばあさんはいくつもの命を持っているのか?だから倒しても死なないのか?もしもそうなら


「燃やし尽くすしかないよな」


 剣の炎がより大きくなり魔力が集中していく。


「何をするつもりか知らんが諦めよ勇者、既に全てが手遅れじゃよ」

 

「はぁっ!なんだ…命乞いか?町のことを言っているなら問題ないさ、あいつがすぐに知らせてくれる」


「クックック…おめでたいね。あの少年はどうせ死んでおる。仮に間に合っても無駄じゃよあの小さな町にハイ・ゴーレムの軍団を倒す戦力はないさね」


「ハイ・ゴーレムだと!?」


 通常のゴーレムとは巨体で力と耐久力を兼ね備えた厄介な魔物、そしてハイ・ゴーレムは通常に比べて一回り小さいが敏捷力がありその攻撃は速さが加わって通常のゴーレム以上の攻撃力と言われている。


「さ〜どうするかい勇者、焦っていいぞ、儂はその隙をついて殺してやろう。クックック」

 ばあさんはいやらしく笑う。


「確かにこれは困ったな、早く帰らないといけな。悪いが少し本気で行くぞ!」


 イグニスの闘気オーラが赤く燃え上がる。それを地面に突き刺し放った。


『バーンインパクト』

 イグニスを中心とした百メートルが吹き飛んだ。


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