第8話 ツールボックス……その名は?
「あんた!いくらなんでもウチの事を放置し過ぎと
ちゃいます〜!」
「アハハ、ごめん!ぶっちゃけ忘れてたよ!」
食事をおえて部屋に戻るとべットの上にツールボックスが置いてあった。昨日は問答無用で帰って貰ったので、少々ご機嫌斜めのようだな。
「ウチの声がやっと届くようになったと思ったのに酷いとちゃいます〜、ウチは悲しくてずっとカタカタと音を出して待っとったんやで!」
「あ〜通りでカタカタ煩いと思った!」
朝御飯を食べていると自分の部屋の方から音が聞こえて来たからおかしいと思ってたけど、そういう事だったのか〜ローム先生がイタズラを仕掛けてるのかと
思ったけど良かった。
「そんな事どうでもええねん!ウチが言いたいのは、
なんでウチの事を放っておいたのか!それを聞いとるんや!」
「…………眠かったから?」
「なんでやねん!ツールボックスが喋ってるんや、なんでや!?ってびっくりして、それから色々聞くやろう、なんであんたはせんのや!」
「う〜ん、眠かったから?」
「考えて答えは一緒かいな!普通はまずびっくりして
気になるやろ?」
「ごめん!」
「謝るなや〜別にそんな怒っとらんし〜」
えっとちょっと拗ねてる?
「そのなんだ、一度仕切り直そう。まず自己紹介だな
ホクの名前はタクト、君はボクのスキル……なんだよね?」
「そうや!ウチはタクトのスキル、つまりタクトは
ウチのマスターって事になる。だから何なりと命令してええんやで〜」
これは驚いた!まさか俺のスキルに人格があったとは、感覚的にはロボットのAIみたいなもんと考えればいいのか。
「そっか、分かったよ!それじゃ……そう言えば名前を
聞いてなかった。教えてよ!」
「ウチの事か?ウチには名前はあらへんよ」
「え!?そうなの、それってちょっと不便じゃない」
俺はどうしたものかと考えていると提案をされた。
「それやったらタクトがウチの名前考えてや!
ウチもタクトがつけてくれたら嬉しいし」
え!?突然の大役、人に名前とかつけた事ないぞ。俺には子供とかいなかったしな〜、強いて言えば飼っていた犬のコロンだけど、あの時はコロコロ転がる姿を見て決めたけどツールボックスか〜
「ん〜ん〜どうする……」
「ワクワク、ワクワク」
俺は悩み、ツールボックスは表情とかないから擬音を使って期待感を伝えてくる。これはしっかりと考えてやらないといけないな。
う〜ん、そう言えはツールボックスには名前をつけてなかったけど、道具にはつけたことがあったわ。プラスドライバーには十文字くん、ベンチにはペンタくん、モンキーレンチにはサル、今思えば使っている間に直感で名前をつけていた。
俺の場合は考えたらダメなんだ!まずは見る。そして感じる!そうすれば自然と名前が出て来る。
「決めた!」
「ホンマか!教えてぇーや」
「ミ◯ック」
「なんでやねん!ウチは人食い箱かいな!」
「ギャー食べないで〜」
俺はバクバクと噛まれる。
「もう、ボケたいのはわかるけど、ウチかて真面目に聞きたい時だってあるんや」
「あ〜うん、そうなんだ、一応言っておくけどほぼ初対面だから、分かんないから!」
ま〜さっきのも咄嗟に思いついてはいたけど、もちろん本命の名前ではない。つまりボケた!
「そんじゃ〜気にいるか分からないけど言うぞ!文句言うなよ」
「うん」内心ドキドキ
「…………カンナ………どうかな〜」内心ドキドキ
「うん、良いと思う。だけどなんでカンナなん?」
「あ〜それはカンナにはさ、「情熱」「快活」「永遠」という意味の花言葉があるんだ、カンナには明るく元気にずっといて欲しいと思ってつけたんだけど良かった?」
カンナを見ると「カタカタ、カタカタ」と音を出し
揺れている。えーっともしかしてダメだった?
「うっ…うっ…うれしーい、ありがとーう」
カンナは再び飛びついてきた。
「ギャー、痛い、痛いんですけど!放して〜」
バクバク噛みつくカンナ!
「嬉しいよ〜タクト〜ありがとーう……バクバク」
カンナは全然放してくれないよ〜
それにカンナって怒っても喜んでも噛むのね〜
………気をつけよう。
なんにしてもここに相棒のカンナが誕生した。