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第78話 イリスちゃんとお話する。


 食事を食べ終えて自室に戻る。


「イリス…あのさ〜」

「イリスちゃんでしょ!ニコニコ」


「友達は呼び捨てが普通なんです!それで我慢してください」


「うふ…ま〜その辺で許してあげようかしら」

 イリスは俺のベットに座る。

 

「それはどうも……」

 俺は答えながらテーブルと椅子をイリスの傍に持っていき、テーブルの上に帆船を形どったチョコレートビスケットの乗った皿を置く。


「あら!気が利いてるじゃない。ポリポリ……美味しいじゃない!これからはこのビスケット、私に貢いでもいいわよ!」


 ア◯フォートがお口に合ってなによりです。


「友達には貢ぎませんから……」

 俺は肩を落とし一気に疲れる。


「うふふ、冗談よ!」

 神様が冗談を言わないで欲しい。


「それで、今日は何のようで来たんだ?そもそもこっちに来られたのか?」

 俺は話をしながらカップにコーヒーの粉を入れてお湯を注ぐ。


「この間も話をしたでしょ。あなたと私の縁が強くなったから、この家と繋げれたって、………あら!?これもビスケットに合って美味しい。もう一杯頂けるかしら?」


「はい、ちょっと待ってね。……それだけの理由でよく地上に降りてこれるもんだ。無理なのかと思っていたよ」


 まさかの高評価にせっとせとコーヒーを準備しながらイリスの話を聞く。


「そう思っていたの?でもその考えは間違ってはいないわよ。私達神には誓約がかかっているから無闇には降りたてないの」


「え!?でも……今ここにいるじゃん!」

 

 コーヒーをイリスに渡し、俺は木の椅子に座ってコーヒーを一口飲んだ。


「ん〜……ま〜細かいことは気にしなくっていいわ!あなたに言っても仕方ないことよ!」


「えー……ちょっと気になるのに〜」

  

 イリスはこれ以上聞いても教えてくれなさそう。無理やり聞くってのもなんだしな。


「の〜うタクト、そのなんじゃ、この者は一体何者じゃ?そろそろ説明せい!ただならぬ気配を感じるが……」


 あ!……そう言えば先生達には紹介していなかった。


「すいません先生、こちらは女神イリス様です。仲良くして上げてください」


 先生はゆっくりと飛び、俺の顔の前に止まるとバシンっと顔を叩いた!なんで!?


「タクトよ!我は悲しいぞ、その様な嘘をついて面白いか〜昔のタクトはそんな子ではなかったぞ!」


 昔の俺と比べるのはやめて欲しい。これだと拓哉のせいでタクトが悪い子になったみたいじゃん。


「この子供が虹の女神イリスだと言うのか!冗談もほどほどにせい!」


 なんかむっちゃ怒られた?

 俺は嘘ついてないんだけど、どうしでこうなる訳よ。


「うふふ、ロームさんそのくらいにしてあげて、タクトも悪気があったわけじゃないのよ」


「悪いの〜我が弟子がしたのじゃ」

 

「良いのですよ。うふふ」

 

 なんでイリスは本物だって言わないの?

 これだと俺が嘘ついただけになるじゃん!

 う〜……面白がっているな〜


 イリスはクスクスと楽しそうに笑っている。

 その時ふと思った。こうやってビスケットを食べながらコーヒーを飲んで、そして笑う姿を見ていると普通の女の子じゃんと、ま〜こんなこと思うのはおかしいことかもしれないけど。


 俺がそんなことを考えている時、ニキがイリスが座るベットに飛び乗った。


「久しぶりね!まさかあなたとこんなところで会えるなんて、思いもしなかったわ」


「それはお互い様なのだ!日頃は本ばかり読んで過ごすあんたが、こんなところに居る。タクトは俺の友達だ!変なことはするなよ」


「あら?奇遇ね!私もタクトの友達よ!あなたまで彼に興味が出るなんて不思議、でも、ヘカテーはそれを許したのかしら?」


「ふん…ヘカテー様はやることをやれば文句はいわないのだ。お前と違ってな」


「あらあら、あなたが知らないだけで、私は結構優しいわよ」


「はぁっ!どの口が言うのやらなのだ……」

 ニキはぴょんっとテーブルの上に飛び、ビスケットを数枚取って、モグモグと食べながら降りた。


 俺は皿にミルクを入れてニキにだし、イリスにコーヒーを渡した。


「ありがとう…タクト」

 イリスはコーヒーを飲む。



「そうだ、イリスがわざわざここに来たってことはただ遊びに来たってわけじゃないんだろ?」


「ん?……いえ遊びに来ただけよ」

「え!マジ!?」

 女神様がうちに遊びに来ただけですかい。


「あ!そうだ……ついでの話はあるけど…聞く?」

 イリスはクスッと笑う。


「ま〜取り敢えず聞くけどなんかあるのか?」

 なんだろう。また神託でも受けるのかな?


「もうすぐここに多くの魔物が現れるわよ。気をつけてね!」


「えー気をつけてね〜って簡単に言うな〜。それでいつ頃だ。あと規模感はどのくらい?」


「う〜んそうね〜来るのは明日か明後日か、魔物の数は二三百程度の数よ!」


「そうか……この町で言えば結構ヤバい数だよな……」

 この町には冒険者ギルドすらない小さな町、何人かの冒険者はいるが二十人に満たないはず、あとは町の警備部が三十人程度、このことから五倍程度の魔物を相手にしないといけない。


「ま〜でもなんとかなるだろう」

 バロン様に報告は必要だけど、俺はそれ程心配していなかった。なぜならいくら多くてもゴブリンやコボルトみたいな弱い魔物であればいくら多くてもを問題はないと思う。


 俺は次の日バロン様に報告に行くのだが……上手くいきませんでした。………えーー!?


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