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第64話 タブレットでポチッとな!


「何なのだこれは!?革命じゃ!口の中で革命が起きているのじゃ〜」

 カレーを食べて美味さのあまりビュンビュンと先生は空を駆け回り、ニキは……


「バクバクバク……………バクバクバク………………」

 ガツガツと食べ飲み込むたびに動きが止まり美味さに感動していた。


 妖精とイヌにカレーを食べさせて良いものか少し悩んだが、この姿をみれば大正解だったとわかる。


「う〜……懐かし味だ!心にも身体にも染み渡る〜美味しいぜ!」


 久しぶりのカレーはやっぱり美味かった。大満足である。……しかし人間とは欲深い生き物、これが出来るあれが出来ると分かれば、もっとやってみたくなるし欲しくなる。


「カレーを食べたら口の中が辛いから、冷たくてスッキリするものが食べたいな〜、な〜カンナ他にも食べたいものがあるんだけれどどうすれば良いんだ?」


「タクトならなんとなく分かるやろ!タブレットで選んでポチッと押すだけや!」


「お〜!そうか、それは簡単だな!」 

 俺はタブレットを持ち、ポチポチとタップ。

「う〜どれにするか迷うな〜」

 美味しそうな物がたくさん並んで迷う。

 スワイプしながら探すこと5分、迷ったあげく落ち着くところに落ち着いてしまった。よくある事である。


「やっぱ!ゴリゴリくんでしょ!」

 誰もが大好きゴリゴリくん!

 ゴリゴリとした食感が特徴のアイスキャンディー、値段も安く、味も美味しい〜、いつまでも飽きられない定番の味だ!


 えっと…買い方はネット注文と一緒だから簡単だけど……違和感はあるな、確かゴリゴリくんは80円だったと思うけど800ウェンって書いてある。なんとなく高く感じるけど、それは致し方ないか……


 俺は例の件でお金には余裕があるので、あまり気にせず3本購入、ポチッとな!

 するとタブレットから袋に入った状態のゴリゴリくんが3本出できた。


………▽


「うーー何なのじゃ〜、この冷たくて甘くてゴリゴリとした感触がたまらんのじゃ〜」

 頬を頬張らせて、その味を珍しくゆっくりと堪能するローム先生、これも気に入ってくれたようだ。


「ペロッ…ペロッ…ペロッ…ペロッ…ペロッ…」

 ニキは無心に同じリズムでゴリゴリくんを舐め続けていた。たぶん美味しかったから無心になって食べているのだと思う。


「ゴリゴリくんはいつ食べても美味い。いや〜今日はこれで満足だよ!カンナ〜教えてくれてありがとな〜………あれ?カンナどうした?」


 何となくだが、カンナの様子がおかしい。


「ん〜……なんや羨ましくてな〜、ウチ食べられへんからみんなと共感出来へん……それがちょっと寂しんよ」


 カンナはそんなことを考えていたのか……カンナはツールボックスだけど人格がある。つまり感情があるんだ。ここはマスターとしてなんとかしてやりたい。


「ん〜そっか、カンナに食べさせられないのは残念だな、でもさ!カンナは喋ったり聞いたりは出来るんだ!普通の道具とは違う。だからそうだな、味は口でしか伝えられないけど、食べながら話そう。そうすればカンナだって寂しくないし楽しくなれるさ!」


「カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカ」

 

 な!?な!?なんだ?

 カンナがカタカタと音を立て振動している。

 まさか!壊れたか!。


「カンナー大丈夫かー!」

「タクト〜あんたはウチのマスターやでー!ウチのことをよ〜考えてくれる。ウチは嬉しくてカッパカッパやで〜」


 うん!分かってた。

 カンナは興奮すると噛みたがる。

 俺はカンナに頭をカッパカッパと噛まれていた。


…………▽


「落ち着いたかカンナ?」

「いや〜スッキリしたで〜やっぱり噛むならタクトに限るわ!」

「意味分からんわ!」


 なんとかカンナを落ち着かせると、今度は食いしん坊二人組が騒ぎ出す。


「タクトとカレーが食べたいのだ!もっと欲しいのだ!」

 カレーをよこせとワンワンと吠えるニキ。


「さっきたくさん食べただろ」

「足りないのだ!足りないのだ!」

 うっ、……カレーに取り込まれてる!

 比較的聞き分けの良いニキが止まらないぞ!


「そうなのじゃ!全然足りんのじゃ!」

 だ…か…ら〜!先生の身体のどこに食べ物が行くんだよ!もうミステリーだ。誰かおしえてくれ〜。



 タッタッタッ…………

 足音が二つ……こちらに向かって走ってくる。


「全員何か来る!戦闘態勢を取れ………ガクッ」

 魔物の可能性があり油断するわけにはいかない。そう思って気合を入れて号令をかけたのに、食いしん坊二人組は鍋をペロペロしている。どんだけ食いたいんだよ!


「あ〜もう!あとで作ってやるから、今は警戒しろ!」


「ワオーン、早く来い食い殺してやるのだ〜!」

「フッフッフッ、瞬殺して早くカレーを食べるのじゃ」


「…………はぁ〜お前らな〜分かり易すぎるだろ〜」

 

 二人のやる気が急上昇、これは何が来てもすぐに終わる。カレーの準備でもするか……



 足音はどんどんと接近……雑木林をかき分け二人の男が飛び出して来た。


「二人共ストップ!」

 ニキと先生が突っ込む前にそれぞれ捕まえて止めた。それはなぜかって?それは二人とも知っている人物だったから。何でこの人達がこんなところに居るんだ?


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