第56話 ゴエティアのリーダー
「自信があるのは結構なことだけど、あまり見せびらかすのは関心しないはね」
「違ーう!勘違いだ!また知らないうちにここに来ちゃったんだよ!」
「ふーん、私…人の性癖とか気にしないわよ!そう言うの、人それぞれで良いと思うの」
「違いますから、ボクは露出狂じゃありません〜どうか何か着る物をください……」
俺は少女に信じてくれるように泣いて頼んだ。
「冗談よ!あなたが教会に入ってからの様子は見ていたからだいたいのことは分かってる」
少女はどこから取り出したのか?シーツを俺に投げてくれた。俺はそれで身体を隠す。
「ゴエティア、いつまで経っても諦めないのね」
少女はため息をつく。
「ゴエティアを知っているのか?」
俺はシーツを身体に巻き縛りながら聞く。
「だいたいのことは知っているわよ。彼らとは人にしては長い付き合いになるから……」
少し寂しそうな顔をする少女、聞いてはいけないことだったかな〜と思いつつも、分からないことだらけで今後のこと考えると話が聞きたい。
「嫌なら良いんだけど、ゴエティアって何なんだ?何がしたくてあんな酷いことをするんだ!」
さっきまでのことを思い出してやや語尾が強くなってしまった。
「そうね、あなたは今後…彼らと対峙することが増えるかもしれない。それなら知っておくべきことかもね」
「いや、あんなのと関わるのはもうごめんだ!でももしものことを考えて……自衛のために知っておきたい。ただそれだけだ!」
「別にいいわ。あなたがどうするかはあなた自身が考えて決断しなさい。でも一つだけ言っておきましょう。運命と言うものはあるわ!そしてそれが嫌なら抗いなさい。未来は過去を変えるより簡単よ!」
少女の言葉は完全には理解出来なかったけど、なぜかズッシリと重く心に残った。
「うん、分かったよ!その時は全力で運命さまにお引き取り願うよ」
「ん!そうして頂戴、それじゃゴエティアについて教えてあげる。まず…この組織のリーダーであり創設者、名は……ソロモン、彼女がある人間を生き返らせるために作ったのがこの組織よ」
生き返らせる。………さすがは異世界、そんなことまで出来るのか〜。
「ソロモンは人を蘇生される方法を様々な文献を読み漁り、虱潰しに行った。そしてその中で最も可能性を感じたのが……悪魔の力。
でも…悪魔の力を使っても人を蘇生させることは容易なことではなかった。ソロモンはより高位の悪魔と契約することで力と知識を得ることに執着したわ。そしてその過程で出来たのがゴエティアと言う組織よ」
「ソロモン……その人が大切な人だったのかもしれないが、やって良いことと悪いのだかあるだろうが!」
「ソロモンにとっては、その人以外はどうでも良い存在なのかも……いえ…もしかしてら人とすら思っていないかもしれないわね」
少女はまた少しだけ悲しい顔した。
「くそ〜……それだけ強い思いを持つ大切な人なのは分からなくはないけど、でも許す訳にはいかない。何とかソロモンを止めてゴエティアを止めることは出来ないかな〜?」
「それは無理よ。すでにゴエティアはソロモンの監視下から外れたもの」
「…………ん?どう言うこと?」
俺は言っている意味が分からず頭を傾げた。
ソロモンってゴエティアのリーダー何だよね?
「ソロモンにとってゴエティアはすでに用済み、今は72柱の九王が組織を動かしている。つまりソロモンに何を言ってもゴエティアは止まらない」
なんかややこしくなってきたぞ。ソロモンはじゃ〜今は何をやってるんだ?72柱?九王?なんじゃそりゃ〜?
少女は突然黙る。
「あら?誰か来たみたい。今日は本当に珍しいわ」
「え!誰か来たの?何の音もしなかったけど」
「あなたには分からないわよ!この空間を支配している私だから分かるの、………悪いんだけど今日は帰ってくれる!」
「え!?いや、でも、完全に話の途中だよ!」
「言うこと聞きなさ~い。あなたはここに勝手に迷い込んだのよ。お客さん優先………えい!」
少女は指をこちらに向けると、俺の身体は宙に浮き掛け声と共に吹き飛び部屋の外に入りだされた。
「うわぁーーーあ!……痛って!?」
外に出ると壁が接近、回避できずぶつかった。
「もう〜荒っぽいな〜、せめて普通に返してくれよ」
俺は顔を擦っていると視線を感じだ。
「使徒様お戻りでしょうか!」
「う、うん……ヨハネ様、ただいま……」
片膝をつき頭を下げたヨハネ様が……裸で居ました。
「突然居なくなったと聞いた時には少し心配しましたが、やはり面会されておられたのですね」
ん?確かに会ってはいたけど、……やべ!そう言えばあの子の名前まだ聞いていなかった。今度会ったら聞こっと。
「ま〜そんな感じです。それでヨハネ様はなんで服を脱いでいるのですか?」
「もちろん身体を洗いに来たのです。もしかしたら使徒様が戻って来るかと待っておりました」
「え?もしかしてその格好で?」
「はい!是非でもお背中を流させて下さい」
「はーい?それは、だ…大丈夫です!遠慮します!」
「ま〜ま〜そう言わずに使徒様、こちらにおいでください」
うぉー……かなり力が強い!?
俺はヨハネ様に腕を掴まれ連れて行かれた。
なんでだーせめてこう言うときは美女を用意しておけよ!
俺はヨハネ様に綺麗にして頂きました。
……………▽
「あなたがわざわざ私のところに来たってことは北の大陸で大きな動きでもあったのかしら?」
一人の女性が扉を開き部屋に入って来た。
彼女の背中には3対6枚の翼が生えていた。
「突然の訪問申し訳ありません」
「良いわよ。ここには滅多に人が来ないから」
「有難う御座います。ですが先客が居たかと」
「えぇ、ちょうどあなたの話をしていたところよ」
女性は少しだけ不機嫌になる。
「出来れば勝手に私の話をしないで頂けます。あまり自分のことを他人に知られたくないの」
「そう、ごめんなさい。……でもあなたにとっても彼には知って貰った方が良いことがあるかもしれないわよ」
「それはどういうことかしら、女神イリス」
女性は鋭い目で睨む!
「さ〜どうかしらね。私にも分からないわ。でも可能性は感じのよね。面白くなると良いけど」
ほんの少しだけイリスは笑みをこぼした。
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