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第46話 パーティー開催


「タクトくん、来なさい!」


 有無を言わせない圧倒的な威圧感で命令するスカーレット様、俺はこの後どうなるんだろう。


 俺はスカーレット様に連れられて部屋に入る。


「タクトくん、脱ぎなさい!」


「はぁい?」


 俺は突然のことに驚きスカーレット様と言うことを忘れて素っ頓狂な返事をしてしまう。


「何かしら脱げないと!仕方ありません、私が脱がしてさしあげましょう」


 え!?スカーレット様は、何をするおつもりで〜。


 俺は断ることも出来ず、パンツ一丁にされた。

 

 恥ずかしい!そしてスカーレット様は完全にSだ!

 服を脱がする時、ゆっくりと動揺させるようにしたかと思えば急に勢いよく剥ぎ取って俺の反応を楽しんでいた。

 

 パンツに手をかけた時なんて「あら?間違えちゃったわ!うふふふふ」と笑っていた。


 

「タクトくん、それじゃ〜そろそろ始めましょうか、楽しくなって来たわ!」


 スカーレット様、俺は本当にどうなるの〜!



………………▽


 なんだそれだけか、いや別に変なことを期待していたわけではない。脱げとか言われたからちょっとだけそう言ったことを想像していただけだ!


「うんいいわ、やっぱりそう言う格好をするとグッとに大人っぽくなるわ」

 

 俺は今、いつもの平民服ではなく正装、しっかりとしたスラックスにトラウザーズ、タキシードと貴族様のスーツを着ていた。


 そう言えばあと数時間後にパーティーが始まるんだっけ、いつもの格好だと参加出来ないからスカーレット様が準備してくれたのか、助かる。


「ありがとう御座います。スカーレット様」


「うふっ、どういたしまして、それじゃ〜今度は私のを手伝って貰いましょうか」

 

 手伝う?何を?

 疑問のまま、スカーレット様は後ろを向くとスルスルっと今着ている服を脱いだ。あまりのことに、すぐに横を向いたけど、艶めかしい背中がぱっくりと見えた。


「スカーレット様何を、ボクがまだ居ますよ」

「ん?知っているわよ。私もパーティー用のドレスに着替えるから脱いだだけよ。タクトくん手伝って」

 え〜!それはちょっと〜


「スカーレット様、そう言ったことは侍女がやることでボクではマズいのでは……」

「仕方ないでしょ、今回は連れて来ていないのドレスって一人ではなかなか着れないの、つべこべ言わずに手伝いなさい!」


「はーい!喜んで!」

 ボクは急いで手伝いに言った。スカーレット様の妖艶な雰囲気が頭をクラクラさせる。それにちょくちょくからかってくる。「あら、手がすべったわ」とか言って、ポロンと魅惑の果実を見せるのはやめて欲しい。どうにかしたくなる。

 なんやかんやでスカーレット様のドレスアップが完了、精神的に疲弊した。


 部屋の外に出るとバロン様が待っていた。


「タクトくんお疲れ様、大丈夫だったかい」

 バロン様、その質問はどういう意味で?


「うふ、バロンお待たせ!色々と楽しめたわ」

「まったくお前は、もう少し自重しろよ。ミルキーさんにバレたらどうなることか……」

「その時はあなたが護ってちょうだい」

「あ〜もちろん、護りきれるかは保障出来かねるがな」

 バロン様は肩を落として、疲れた顔をしている。バロン様も色々と大変なんだな〜と思いつつ、なんでお母さんの名前が出るのか分からなかった。


 俺達はそのまま会場へと向かう。

 ノルンやお父さん達はすでに向かったとのことで急いで行くことに……


「へーすごいや!人がたくさん居る」

 会場は数千人が入れそうなホール、天井は高く綺羅びやかなシャンデリアや絵画、洒落た花瓶など豪華な物がたくさん飾られている。


 会場はすでに始まっているのか、中央部では音楽が流れダンスを踊る者、両サイドには料理やお酒がテーブルに置かれ立食方式で提供されている。食べながら様々ところから会話が聞こえた。


「なんか、目がチカチカしてくる」

 前世でもこんなパーティーに参加したことはない。精々結婚式のパーティーがいいところだ。まったく規模が違い過ぎる。あ〜緊張してきた〜


「どうしたのかしら?タクトくん今日あなたはただの平民としてここに居るわけじゃないのよ。アルフォード家の一員として参加しているの、堂々としていなさい」


 正直そんなことは言われても緊張するもんはどうしようもない。それにアルフォード家は男爵で貴族ではあるけども、この会場にはそれ以上の子爵や伯爵がいる。下手なことをすればバロン様達でも庇うことは出来ないはずだから、あ〜そんなことは考えてたら余計に緊張する。


「私の話、ちゃんと聞いていたかしら、どうして余計に顔色を悪くしているのかしら!」

 えー!?顔に出ちゃったか!

 それにしてもなんでスカーレット様はこんなに堂々出来るんだ?さっきも言ったけどアルフォード家は男爵、あまり目立ち過ぎるのも良くないはずなのにスカーレット様は真っ赤な真紅のドレスを着て目立つことこの上なし、胸元もぱっくり開いて豊満な胸で周りの男達の視線が釘付けに、間違いなくその人の奥さん達に目をつけられる。


「タクトやっと来たわね!遅いわよ!」


「あ!ノルン……」

 ノルンは腰に手を当て仁王立ち、相変わらずのじゃじゃ馬感はあるけど、今日はいつもと違ってドレスを着ている。白を基調とした金色の刺繍がされてオシャレだ。彼女の赤い髪がいつも以上に際立って綺麗に見える。


「ノルン、とっても似合ってるよ!凄く綺麗だ」

 自然と思ったことを言った。


「ハヒッ!?」

 ノルンが奇声をあげ髪の色みたいに顔を真っ赤にする。


「な!な!何言ってるのよあんなはバカなんでしょ!」

「え!?ノルン!待ってー」

 俺の制止も虚しくノルンは走ってどこかへ行ってしまった。


「タクトくん、やるじゃないか」

「いえ、そう言うつもりではなくて、自然と出て

しまったと言いますか」

「いや、良いと思うよ!むしろそう言った言葉が一番嬉しいもんさ、これはこの後が楽しみだ!」

 バロン様が嬉しそうにボクの肩を叩く、なぜかいつになく嬉しそうで、叩く力が強くて痛い。


 それからバロン様達は他の方に声をかけられ行ってしまった。俺はどうすればいいか迷い、取り敢えずなんか腹に入れようと、側面に置かれている料理を見に行く。


「うわぁーどうしよう……」

 周りには貴族のお偉いさん達や綺麗ドレスを着た貴婦人が、イマイチ落ち着かない。


「やぁ!タクト来たんだね!その服なかなか格好いいぞ!」

「お父さん!」


 父さんはワインを片手に、魚の料理を摘んでいた。


「お父さん、やっぱり落ち着かないよ。どうすれば良いのかな?」

「アハハハ、そうだろうね。父さんも実はそうなんだこう言ったところとは無縁だからね。音楽を聴きながら豪華な料理と美味しいお酒を飲む。それくらいしか出来ないんだ。アドバイス出来なくてすまないタクト」

「ん〜ん、そんなことないありがとうお父さん」

 それはそうだよな。父さんは俺と同じ平民、こんなパーティーに参加することなんてないし、それにこんなところに知り合いは居ないだろう。当然やることは限られる。


「あれ?でもお母さんはどうしたの?お父さん」

「あ〜母さんか、母さんはあそこだ!」

 父さんが指を差した先には貴族の男達に囲まれた母さんが居た。


「か、母さんどうしたの、あれってナンパされてない」


「うむ、そうなんだよ。少し妬けちゃうけど仕方ないさ、母さんは魅力的だからね」

「えーでもお母さん大丈夫かな〜」


 母さんは確かに美人だしスタイルも抜群、それに今日はドレスを着ていつもとは違った美しさを感じさせる。目の肥えた貴族と言えど母さんの魅力は負けていないと言うことか、でも貴族が相手だと何が起こるか分からない心配だ。


「大丈夫だよ!母さんああ見えて神経図太いから」

 父さんに言われて母さんの方を見ると、母さんは貴族相手でも笑顔で対応、ちゃっかり食事もしながら上手く貴族達をいなして会話をしている。あまり見ない光景だ。


「母さんああ見えて、こう言った場所でのマナーとか対応の仕方を熟知しているんだよ。だから問題はないさ」


「へ、へーそうなんだ………」

 改めて思わされた。

 俺はまだ家族の事も友人の事もまだまだ知らない一面を持っていることを、俺はみんなの知らない一面をしれて少し嬉しく思った。そんな時だった。


 中央にある豪華な階段の上に、このパーティーの主催者であり領主であられるセドリック・ヴァルト辺境伯が来られたのは……

 

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