第442話 キュィィィーーーン!ドリル
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名称∶作業服
分類∶保護具
属性∶空間(時空間複写?)
攻撃力∶☓☓☓☓☓
性能∶過去の空間を辿り☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓
☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓
☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓…………
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新しいスキルは未だ分からないことだらけだ。使っている間に少しは理解が出来たけど、未だに底が見えないスキル、でもだからこそ、今回の戦いにはこいつが必要だと。そう感じる。
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「うぉーー!あっぶねぇ〜!あっぶねぇ〜!」
俺は走る走る走る。
雷撃の嵐の中を俺は走って逃げていた。
ネビエルはソフトボールくらいの大きさの電撃をマシンガンの如く連射、当たると炸裂し雷撃が周辺に広がる。
地の精霊の力を借りて、地面を隆起させたり空間障壁で防ぎながら徐々にネビエルに接近していたが、そろそろ限界だな。
中心には爆撃のように雷がそこら中に落ちている。防ぎながら進むのを止め、ある意味無謀な方法で向かうことにした。
『ドリル(空間破砕)』
その方法とは………特攻!
空間に対して干渉する力を持たないのなら、これこそベストアンサーだ!
周辺を迸る雷撃を空間ごと破壊し、壁に穴を開けるが如く前進する。このまま行ける!そんな僅かな期待が込み上げて来た時、白い翼と黒い翼が舞う。
『スキルボム』スキルを消滅させるスキル。
受ければそこに何も残らない。
そんな恐ろしい攻撃だが!……舐めんな!
俺のドリルは空間をも破壊する!
ネビエルは翼を交差させドリルの先端にぶつける。
ジリジリジリと衝突音が響き渡る。
ドリルは消えていない。
つまりスキルボムの効果を空間破壊が相殺出来てる。それはいい。それはいいけど。ドリルもまた翼を破壊するに至っていない。
「ウギギギギ………」お……重い。
翼の力が強く耐えられない。
俺はドリルごと押し飛ばされた。
「うわぁぁーー!」
俺は腕力の差でぶっ飛ばされた。
ちっ……やってくれる。
力押しだけじゃ〜ダメか!
それならこうだ!
ふっ飛ばされながら背後に配管を設置し空間転移する。出口はネビエルの上、前はアトラスがだったから移動場所がバレたけど、今回は違う!
配管から出るまでは気づけれない。とは言ってもネビエルの感覚も半端なし!最速で攻撃するためにナイフを空間加速させ投げた。
ナイフはネビエルの肩に刺さり、空間加速によって身体の劣化が起こる。ナイフが刺さった方から回り込むように移動しドリルで攻撃する。
「いっけーー!」
ネビエルから淡い光とともにアークフィールドが展開される。が!そんなのは関係ない!
「貫けーー!」
キュィィィーーーン!
アークフィールドを削り突破する。そしてドリルはネビエルを貫いた。
「ギャーーー!」
半身を失い甲高い声で叫ぶネビエル。
良し!ダメージありだ。
俺は身体を反転させ更に攻撃する。
このままトドメだ!
ネビエルは背中にある残りの翼を前面に飛ばし爆発、その衝撃で俺もネビエルも吹き飛ばされた。
「うわーー……とっとっと」
爆発で吹き飛ばされたが大したダメージはない。地面に足を付き、バランスを立て直す。
「……………はぁ〜面倒なヤツ」
俺はどっと疲れる。ネビエルが超速再生で回復してる。身体がもう元にと戻ってしまった。またやり直しか?
いや……意味はあった。
ネビエルの魔力を感知すると、さっきまでより随分と減っている。やっぱり効果はあったな。もう一押し。
ネビエルは翼を何倍にも大きく広げ羽を飛ばす。ただし羽を俺に向かってではなく。周りに大きく飛ばし黒の羽と白の羽を重ねた。
「おいおいおいおい……まさか、この辺一帯をまとめてスキルボムで吹っ飛ばすつもりか!?そんなことされたらスキルを消されてしまう…………なんてね!そんなことにはならない。だってさっきドリルで対抗出来たんだから、防ぐだけなら容易、ネビエルだってそんなこと分かりそうなもんだけど………でも、そうか、コイツにはもう意識も知性もほとんど残っていないんだろうな。これはただの本能的な行動であり悪あがきだ。終わりは近いな。
俺はドリルに魔力を込め回転数を上げる。