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第435話 作戦通りにいかない


◆ほんの少し時は遡り、タクトの視点


 俺はアトラスとカンナの遥か上空に身を潜めていたのだが。


「遅い……遅い…遅い遅い遅い遅い…………」

 空間障壁で作った足場の上を腕を組んでぐるぐると回っていた。


「カンナ遅過ぎるだろ!」

 当初の予定は距離を取りつつアトラスの攻撃を躱しながらプラスドライバーでビスを飛ばすかバナーで空間延焼をして周辺の空間に揺らがせ、配管による空間転移を察知されないように欺くつもりだった。だからこんなに時間がかかるわけがない。ちょっと連絡取ってみるか。



…………………▽


(お〜いカンナ、作戦を忘れてないだろうな〜だいぶ遅い気がするんだけど〜)



(ギクッ!?しもた〜、ついカッとなって忘れとったわ〜。………タクトそないなことあるわけないやん。そろそろやろうと思っとったんよ!タクトはほんまにせっかちやな〜)



(……………カンナ、あのな。思念伝達スキルは喋ってないんだ。分かるよな。思ったこと全部筒抜けだから)



(ガーン!?そやったわ!すっかり忘れとった……)


(それはいいから作戦は忘れるなよカンナ、いいか一人で無理すんなよ)


(ううっ、タクト優しいやん!分かったわ!すぐに呼ぶさかいに待っとってな〜)



(カンナ頼んだ〜)



…………………▽


 たくっ、カンナ無理してるな。

 気持ちは嬉しいが、こっちは心配でどうにかなるだろうが、でも無事は確認できた。思った以上に元気そうでよかったぜ!



……………

 ……………

  ……………

   ……遅っそーーい!


 俺の話を聞いてたかアイツは!

 あれから全く連絡がない!

 実際は2.3分のしか経っていないけど。

 勝負は一瞬でつくこともある。


 相手のレベルからして、これだけの時間があれば、どれだけの打ち合いがあってもおかしくはない。やっぱり心配だ!もう!も〜う我慢出来ない。作戦とかもうどうでもいいわ!俺は突っ込む!


 その時だった……



(タクト聞こえる〜)

 お!カンナだ!とうとう来たか!

(ヤバいーーちょいヤバや!)

 おい!全然ちょいヤバの声に聞こえないぞ!


(タクト〜ウチが呼ぶタイミングで来てや!座標は思念伝達で送るから頼むでぇーー)

 んーーピンチぽいけど大丈夫なのか?


(カンナピンチなら遠慮すんな。今すぐ行くぞ)

(大丈夫や〜ピンチのあとはチャンスと相場は決まっとるんやぁ〜)


 ………以外と余裕だな。

 思ったほどピンチじゃないのか?

 ま〜作戦通りアトラスの不意を突き、この精密ドライバーでスキルの力を弱める。


(タクト今やぁー!)

 待ちかねたカンナからの合図が来た!

 俺はカンナから伝えられた場所へと空間転移する。


 

 はぁ?これは……

 配管から出ると配管から飛び出ていた。

 前を見るとカンナ……それにアトラスが!?

 これはそういうことか!


 俺はカンナの意図を理解する。

 つまりカンナを壁にして攻撃しろってこと。

 確かにカンナが設置した配管の中に配管を設置して出てくればアトラスはカンナしか出てこないと思わせて不意がつけるけど、あんなに接近して……誰がこんな危ない橋を渡れって言った。カンナ無茶し過ぎだ!



(……でも!何の問題もないんや!作戦なんやから)

(……何が作戦だ!こんな予定はしてぇねぇ〜よ!)


 俺は精密ドライバーを右手に持ちそれをカンナを壁にしてアトラスの死角から突き出す。


『精密ドライバー 弱』


 アトラスは僅かに目を見開き驚いた様子が見えた。

 咄嗟に火球を前に出すが、そんなのはお構い無しで精密ドライバーを左に回しながら突っ込む、火は一気に萎み消えていく。


※機器の感度調整に精密ドライバーを使うのですが、左に回すと『弱』右に回すと『強』と調整が出来ます。


「うっ!りゃー!」

 アトラスは無理やり反転するように動き白い羽を動かし逃げながら精密ドライバーを受け止めた。精密ドライバーの効果により力を急速に失う。


「アッ!アアアアア」

 その時、アトラスから尋常じゃない叫び声が聞こえて来た。


 アトラスの中で何かが起こった。

 両手で顔を押さえ苦しむアトラスの背中から黒いモヤが吹き荒れ、それは黒い翼を包み込み次第に形をなし巨大な拳となる。


 マズイ来る。空間障壁!

 俺とカンナは同時に前面に展開した。


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