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第433話 カンナ奮闘する①


◆タクトの視点


 アトラスは予想通り攻撃方法が多彩だ。実際これでもほんの一部なんだろうけどな。まったくやになるぜ!

 

 多彩と言うことは、それだけ適応力があると言うこと、それに一つ一つの威力が強力だ。俺のスキル『ツールボックス』でどこまで対応出来るか、それが勝負の鍵になる。


「カンナ行くぞ!今度はこっちから攻める!」

「ほな!行ったろか!」


 ふざけていた。カンナも気を取り直して攻撃体勢になる。俺は一直線にアトラスに向かい、カンナは空間障壁を足場に上空へと飛ぶ、それと同時にプラスドライバーでビスを飛ばし牽制、俺はそれに合わせて目の前に配管を設置し走り抜けるように空間転移、相手の視界から消え動揺を誘う。


 アトラスは消えた俺を探す。アトラスは俺と同じ空間スキルを持っているだけに空間感知能力が優れている。だから不意打ちを突くのは難しい。だから工夫が必要だ。


 空間転移した位置は感知されない距離の遥か上空、ここから攻撃をするのもありなんだが、距離が離れた分感知されれば逃げるのは余裕だろう。つまりここからの攻撃は無駄、だから待機する。


 カンナにはスキル『思念伝達』で作戦を伝えてある。カンナ上手くやれよ。



◆カンナの視点

 

 タクトはなんや小難しいことを言うてくれるわ。ホンマにしんどいわ!せやけどつまり………ウチは期待されているんや!ウチはやったるでぇー。


 ウチは気合いを入れる。


 タクトは空間転移で移動したあと、アトラスは周辺を警戒しながらウチの放ったビスを羽を飛ばして防がれた。余裕やないか!せやけど「あっ!?」と言わせてやるから覚悟せいや!


アトラスは羽を飛ばして来る。あれはヤバい!白と黒の羽が当たればスキルボムが発動してウチは消滅、タクトがスキルを失ぉてまう。この攻撃だけは的確に防がなあかん!


 バーナー(空間延焼)で左から来る羽を広範囲に渡り焼き落とす。ヘルメットで空間加速し高速でニッパーで空間断絶、それも連続で左側の空間を切り裂く。すると、空間が裂け周辺の物を吸い込み始め、羽も一緒に吸い込んで行く。


 羽は排除した。しかしアトラスは攻撃の手を緩めるつもりやない。むしろ一気に攻めて来た。アトラスは翼を使い飛翔し、更に身体強化を使って私に向かって拳を振る。


 手袋で空間障壁を前面に展開、アトラスの拳を受け止めるも、凄まじい力で空間障壁にヒビが入る。もう一撃喰らったら破壊されるわ。


 アトラスは拳を振りかぶる。ウチは逃げるのではなく、その拳に合わせウチはプラスドライバーを振った。アトラスは空間障壁を破壊、ウチのビスが拳に刺さり右に回し空間停止する。


「動きは止めたでぇ!ほな!今度はこっちから行くでぇ〜」


 ウチは拳を握り締める。

 気合やぁ!気合!ウチはやったるでぇ〜。


 両腕を突き出し周辺の空間を棒状に変化させ数十本生成、それを制御し連続で突き出す。アトラスは攻撃を受け暴れるように跳ねる。空間停止で動けなくなっているから躱せない。このまま攻撃を続けてダメージを与えたいんやけど………多分これやと意味ないやんな。


 アトラスを見ると無傷だった。理由ははっきりとしなかったけど、なんらかのスキルによるもの、このまま攻撃を続けるのは逆に危ない。


 私は一度距離をおき、再び前面に空間障壁を張る。



「あれ?もう終わりなの、もう少し遊んであげてもよかったのに」

 アトラスは余裕ぶった発言をする。

 その言葉がウチをイラッとさせた。


「なんやてぇ!舐め取ったらあかんでぇ!絶対後悔させたるわ!」


 腹が立ったウチは絞めてやろうと思い飛び出そうとすると、なんや声が聴こえてくる。


(お〜いカンナ、作戦を忘れてないだろうな〜だいぶ遅い気がするんだけど〜)


(ギクッ!?しもた〜、ついカッとなって忘れとったわ〜。………タクトそないなことあるわけないやん。そろそろやろうと思っとったんよ!タクトはほんまにせっかちやな〜)


(……………カンナ、あのな。思念伝達スキルは喋ってないんだ。分かるよな。思ったこと全部伝わるから)


(ガーン!?そやったわ!すっかり忘れとった……)


(それはいいから作戦は忘れるなよカンナ、いいか一人で無理すんなよ)


(ううっ、タクト優しいやん!分かったわ!すぐに呼ぶさかいに待っとってな〜)


(カンナ頼んだ〜)


 タクトの声が遠くなり思念伝達スキルが切れる。


 アカンアカン!タクトの期待を裏切るとこやった。

 早いところ決めたらなかん!


 ウチの戦いは続く………

 

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