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異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り  作者: 鉄馬 メウ


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第426話 イリスの修行、まったりしたいご飯の時間


「はぁ〜〜〜〜〜…………も〜〜〜うダメだ〜(百回目)」

 地面を転がり大の字で空を見る。

 綺麗な景色を見れば少しは気持ちが回復する。

 苦肉の考えであるが、それなりに効果はあった。


 気持ちを持ち直しこの先のことを考えた。

 これからこの修行を続けながら並行して人探しをしないといけない。


 アトラスの父親アペトスさん。

 どうなるかは分からないけどアトラスに会わせてあげたい。きっと意味はあるはずなんだ。



「なにそんなところで寝ているのかしら?すぐにご飯にしましょう。久し振りに異世界の食事をしたいわ!準備して」


 おっ!おう………動けない俺にそんなことを言いますか、イリスの頭にはやはり角が見える。

 

 はぁ〜そんなバカなことを考えてないでさっさと行け俺、身体は気怠いが魔力は回復している。早いところ選んでお取り寄せするか。


『タブレット』を取り出し食品関係のダブを押し閲覧する。商品は驚くほど多く、正直なんでもあるのではないかと思ってしまうほど、上から順にスクロールさせて見ていては日が暮れる。ある程度絞って検索しないと。そこで問題が一体イリスは何を食べたいのか?


 もちろん分からない。今までの傾向から予測するのもいいけど、ここは攻めてみたい気もする。


 俺は検索欄にある料理を入力した。


…………………▽


 テーブルには乗り切らないほどの量の料理が置かれている。それをさりげについて来た。先生とニキがバクバクとすごい勢いで食べ、その横で新しい食いしん坊エメリアが加わって食べていた。


「う〜〜っ美味しい。この辛いのクセになるわね」

 そして料理をしっかりと味わい食べている。異世界の食事を要望したイリスが満足げにしていた。


 ふふっ、俺……なかなか良い判断だったぜ!

 色々な料理があり同時にこの世界では変わり種となる。俺が選んだのは中華料理で、ちなみに今イリスが食べているのはエビチリ、ピリリと辛さがしっかりとついた本格派のエビチリとなっている。


「中華料理はイケるだろ!こっちの炒飯とか餃子とかも美味しいから食べてみてくれ」


「そうね。じゃ〜それ取ってくれる〜」

「はいは〜い」

 俺は取り皿から炒飯を小皿によそい、餃子も取ってついでに食べかとも教えた。女神様と食事をとれるのはとてもすごいことなんだが、和気あいあいとしたこの空気がそんなことを考えさせなかった。俺はこう言うひとときを大切にしたいと思う。


 ただ一つ不満を言わせてもらえるなら、横にある肖像画をどこかにしまってほしい。血走った目がたま〜にこっちを向いて超怖い。


「あの〜イリス、そろそろヘカテー様を出してあげた方がいいんじゃ〜………」

「なにを言ってるのよ!よく見なさいよ。ヘカテーはねぇ〜今すっごく楽しんでるの!それを邪魔しちゃダメよ」

「…………あ、そうですか」

 それを聞いても全然納得は出来ない。

 ヘカテー様を見ると苦しそうなうえに睨みつけてくるから怒っていないか心配なのに……でも俺には何も出来ないから黙っておくしかない。


「ん〜〜!この白くて小さいのガツンっと味のついた汁が旨味の塊となって舌を刺激する」


 うん!それも美味しいよね。

 イリスは小籠包をポンポンと口の中へ入れる。 

 あんな食べ方して熱くないのか?

 普通ならヤケドするんだけどな〜。

 ん?もしやこれは神の奇跡!?


 なんって!単純にイリスが熱さに強いだけか。

 それにニキとエメリアも同じように食べてるし、先生に関しては頭から突っ込んで食べている。


 ん〜……でもここまで来ると実はこの小籠包、熱くないのか?でもそれなら俺も前からそういう食べ方してみたかったんだよね。


 俺も勢いよく小籠包を口に放り込むと……「アッチィ!?」激熱爆弾!舌を出しながら「ヒィ〜ヒィ〜」叫ぶ。実のところやっぱり熱かった。イリスやニキが単純に強いだけか、ただ先生はそうではなく俺と同じく叫び顔面を真っ赤にして食べていた。


「う〜ん、満足よ。それじゃ〜修行の続きをするわよ」

 え!?まだ飯食ったばかりなんですけど、気合入ってるな〜イリス。それはすごく嬉しいことだけど、でも俺には他にもやらないといけないことがある。


「イリスちょっといいかな」

「なによ。時間は有限よ」

「あ…うん、実はさ…………」

 俺は改めてアトラスに父親を会わせてあげたいことを説明した。彼にとってそれこそが今回の出来事を行うキッカケであり、すべてと言っても過言ではないことを、だから探して行かせてほしいと



「それは分かるけど、そんなことをしていたら2週間なんてあっという間よ!さっきも言ったでしょ。時間は有限よ」


「それは………」俺は押し黙る。

 イリスの言う通り、修業は一日目の超序盤、それし分かったことは、自分が勝つためにどれだけ至らないことか、はっきり言って今の俺にアトラスに勝てる見込みは皆無だろう。だからイリスの言葉が重くのしかかる。


「そんなことは他の人に任せておけばいいのよ」

 いや、そう言うわけには、それに一体誰にだよ!


「ねぇ!ヘカテーお願い出来るかしら」

 おーーーい!?その人にっていうか女神様に人探しをお願いするのか!そんなの聞いてくれるか!


 驚かされた俺とは裏腹に、肖像画のようになってしまったヘカテー様は嬉しそうに頷く。


「これで文句はないわよね」

「イリス……無茶苦茶だな」

「なによ!文句でもあるの!」

「いや、文句なんてないよ!感謝するイリス」

「納得が出来たなら、始めるわよ」


 こうして、イリスの地獄の修行が再開した。


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