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第417話 天使の階級


◆タクトの視点


「カミラさんなんでここに居るんですか?」

 天使であるカミラさんが地上である。ここに居るのはおかしい。もしかしてイリスが気を使って送り出してくれたのか!


「こちらに居る聖女メリダに召喚されました。ほとんど魔力を使ってしまいましたので、そろそろ戻るところでしたが、まだ時間はありますので天使についてのご質問でしたら私の方が教えれることが多いのでどうぞ」


「あ、そうなんですね。それは助かります。じゃ〜お願いします」

 なんだよ。やっぱりイリスじゃないのか、一応俺ってイリスの使徒なのに、その辺は意外と協力的じゃないんだよな〜。なんでだろう?もしかして何か制限でもあるのか?ま〜今はカミラさんの話を聞こうかな。


「分かりました。それでは少し話が長くなりますが、しっかりと聞いてください。我々天使は神により特別に誕生された存在、神の使者として、神の言葉を人々に伝え、人々を導き、守ることを役割として担っております。天使には階級によって役割を付与されています。階級は大きく3つに分けられその下に更に三つあります。



▼上位3隊

 熾天使 (セラフィム)

 神に最も近い存在で熾天使は「燃える者」を意味し天使の中で頂点にいる者


 智天使 (ケルビム)

 神の知識と知恵を象徴し、神の玉座を守護する者


 座天使 (スローンズ)

 神の正義と権威を象徴し、天上の玉座を支える存在、神が移動される際に必ず付き添い従う者


▼中位3隊


 主天使 (ドミニオンズ)

 秩序と統制を司り、天使たちを統率する役割を担う存在、自身より下の階級の天使に命令を下せる者


 力天使 (ヴァーチャス)

 奇跡や超自然的な力を表し、神の意志を実行する存在、病気の治癒、自然災害の回避、予言の成就など、で人々を救う者


 能天使 (パワーズ)

 悪魔と戦い、人間の試練を助ける役割を担う存在、悪魔と最も接する機会が多く人々を守る者


▼下位3隊

 権天使 (プリンシパリティーズ)

 国や地域を司り、地上世界の秩序を維持するとされる存在、地上界を見守る監視者

 

 大天使アークエンジェル

 神の使者として、様々な役割を担います。天使の中では最も地上の者と接する機会がある者


 天使エンジェル

 最も下位の階級であり、人々に寄り添い、導き、助ける役割を担う存在、人々に最も近くにいる者



 私の階級は大天使アークエンジェルであり、特別にイリス様の世話係を任命されておりますわ」



「へぇー、そんなに別れているんですか、結構細かい、しかしカミラさんが下から二番目なんですか、もっと上の方かと思ってましたよ」


「いえ、私は比較的最近天使になりましたし、上位の方々は私などより遥かに強い力をお持ちかと思いますので、大天使アークエンジェルになれただけでも十分です」


 う〜ん、そうなんだ。カミラさんならもっと上に行けそうだけど、確かに天使になったの最近みたいなこと前に聞いたわ。下手したらまだ1年の新人、そう考えたら当たり前か、絶対優秀だと思うんだけど。


「カミラさんもう一つ聞きたいんですけど、今回の戦いで堕天使のネビエルを相手にしました。ネビエルをご存知でしょうか?」


「直接お会いしたことはありませんが、イリス様からお話だけは聞いております。ネビエルは能天使 (パワーズ)です。初代国王エリウス・レオルと契約し多くの悪魔と戦ったようですが、初代国王エリウス・レオルの死後、子孫の者と悪魔の悪意に当てられたようで、その姿を堕天使と変貌させてしまった。悲しい天使だそうです」


「ネビエルは能天使パワーズだったのか、と言うことはカミラさんより強いんですか?」


「それは分かりません。もちろん上位の存在ほど力を有してはいますが、階級は力だけではなく能力や神への忠誠心等、他にも多くあります。ですから一概にはネビエルが私より強いとは言い切れません。でも能天使パワーズは悪魔と戦う天使、つまり戦闘能力は高くなければなりません」


「つまり弱くない。ま〜天使である以上かなり強いのは当たり前か、カミラさん、アトラスは能天使パワーズのネビエルを取り込みその力を手に入れた。だから天使を倒せるだけの戦力が必要になるんですけど、カミラさん、人は天使に勝てますか?」


「そうですね。天使は地上の者より遥かに強い力を神から授けて頂いています。つまり勝つのはとても難しいことでしょう。しかし天使は過去の出来ごとを辿れば人により天使や堕天使が討伐された事実があります。そのことを考えれば倒せないとは言い切れません」


「つまりボク達でも今のアトラスを倒せると……」


「はい、ですが相手は遥か高みの存在となっているでしょう。国の規模で扱うべき案件となります。タクトさん決して一人で戦おうとしてはいけませんよ」


「それはもちろん、戦ってみて肌で感じたって言うか、恐ろしく強かったのは分かっていますから、そんなことをするつもりはありませんよ」


「そうですか、それは良かったです。イリス様からは無謀な戦いをいつもしていると聞いておりましたから、その綱渡りのような戦いが面白いと褒めておりましたよ」


「カミラさんそれ全然嬉しくないです。そう思うならイリスも何かスキルをくれればいいのに」


「ふふっ、イリス様にはお考えがあるのでしょう。それにきっとタクトさんを信じているのです」


「カミラさんそれは綺麗ごとでしかないかと、ま〜カミラさんに言っても仕方がないですけど、分かりました。アトラスを倒す方法も考えようと思います」


 やることがまた増えた。

 しかし見つかっても勝てなければ意味がない。

 良し!あの人に相談しよう。


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