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第408話 タクトの予想、ネビエル攻略戦


◆タクトの視点


 キョウカに作戦を伝えることは出来た。「それくらいならやってみせるわ」と力強いお言葉を頂けたので、あとは俺が上手くやればいいだけ。さ〜反撃を開始するぜ!


 俺はまず空中に居るネビエルに向かって走って行く。ネビエルは白と黒の翼を大きく広げ羽を飛ばした。


 俺の進行方向に羽が展開される。右側には黒い羽、左には白い羽、攻撃を受け爆破されれば俺が持つ道具は使えなくなる。一発も受けるわけにはいかない攻撃、それなのにかなりの物量だ。躱すのも受けるのも俺一人では無理だっただろうな。頼んだぞ!キョウカ。


 羽がこちらに向かって飛んて来る。俺は急激な方向転換をし黒の羽に向かって進む。左手にバーナーを持ち飛んでいる羽に向ける。一区画の範囲を一気に空間延焼で焼く。俺は弧を描くように走り再びネビエルに向かう。


 左からは白い羽が迫る。それをキョウカが火魔法を連射し落として行く。


 羽の数はまだまだ多く、今もネビエルの翼から放たれている。どっかのタイミングで羽切れとかしないかと願っているが、あったとしてもまだまだの先の様だ。全然勢いが衰えていない。


 それでも必要以上に恐れてはいけない。消極的になれば、その分だけ動きが鈍くなり攻撃するチャンスを逃すことになる。な〜に大丈夫だ!心配し過ぎるな俺!あれさえ気をつけていれば接近は出来る。


 右から来る黒い羽をバーナーで焼いたり、手袋の空間障壁で受け止めたりしてその間に進む。


 かなり接近した。あとは空中に飛んで更に接近、ここからは流石にキョウカの助力を得るのは難しいからな。あとは俺一人で上手くやるしかない。



 ここで俺の予想を説明しておきたい。この化け物のユニークスキルについて羽を爆発させ、それを敵に当てることでスキルをなくす恐ろしい効果を持っているようだ。でも俺はしばらく観察しているうちに一つの可能性に行き着いた。


 俺は右手にニッパーを持ち接近して来た羽を切り裂く、羽はあっさりと切れる。ま〜普通の羽なら当たり前なんだけど、この羽はさっきは爆発した。でも今は違う。そうこれが俺の予想、爆発するためには黒い羽と白い羽が接触する必要がある。だからそれぞれの羽を単独で撃破すれば、そこまでの脅威にはならない。

とは言え数も数だ!余裕なんて全くない。ヘルメットの空間加速があって初めて対応出来る。


「よぉ!とうとうここまで来たぜ!天使さんよ!勝負!」


 ネビエルまで残り十メートルほど、ここまでこれば一撃与えるまでにあと一手、いや二手だな。


 ネビエル背中にある白と黒の翼を大きく伸ばし、そしてこすり合わせようとした。しかしそうはいかない!


『空間障壁』


 やっぱりここまで近づけばやると思った。そしてこれこそ絶対止めないといけない技、俺は白と黒の翼の間に空間障壁を張ることで、スキルの発動を止めた。

そうすれば次にやることは決まっている。


 ネビエルの身体から青白い膜が浮き出で、強力な結界を張る。これも厄介ではあるが、策はもちろんある。


 バーナーから精密ドライバーに、ニッパーからハンマーに持ち替える。そして精密ドライバーを結界に当てた。



…………………………………………………………………


名称∶精密ドライバー

分類∶道具

属性∶空間(調整)

効果∶☓☓☓☓☓

性能∶空間内にあるものの出力調整が可能、

   主にスキルに対して効果があり

   状態異常、強化スキル、付与系スキル等

   (取り扱い注意)

   最大値は上げられない

   動きが止まっているものにしか効果がない


…………………………………………………………………



 精密ドライバーを当てたところにメーターの様なものが浮かび上がった。そこには数字が書かれており、矢印が100%を刺している。明記されているのは『アークフィールド』と書かれている。もちろんそれを『弱』方向に回すのだが、ここで想定外のことが起きた。50%までしか回せない。こんなことは初めてだ!

理由は分からないが、このスキルの出力を半分までしか落とせないことを意味している。



「まったく思い通りにならないな」

 

 少し驚かさせたが、まだ方法はあるんだよ!

 精密ドライバーを今度はハンマーに当てる。

 

 ハンマーからメーターの様なものが浮かび上がった。矢印は100%を刺している。


 普通なら100%以上に上げられると思わないだろうが、訓練の中で試して知っている。100%が限界ではないことを、精密ドライバーを右に回し、矢印を150%に強化する。


『ハンマークラッシュ!1.5倍ver』


 ハンマーの一撃は結界を砕き、そしてネビエルへと至る。ネビエルは直接ハンマーを叩きつけ地面に向かい、そこには空間障壁が張られておりそのまま打ち込む。落ちた瞬間衝撃波が広がり、その威力を感じさせる。


 大ダメージは必至、だが、相手は相当なタフネスぶりを発揮する。ネビエルはまだ動いており立ち上がろうとしていた。


「いい加減寝てもらいたいから、悪いけどもう一発いくよ!」


 俺はハンマーを振り被る。



「はーい!そこまでだよ!」


 急に傍から声が聞こえ振り向くと、そこにはアトラスが空間転移で移動していた。ネビエルとの戦いで、空間の揺らぎまで気が回らなかった。アトラスは子供とは思えない力で俺を蹴り飛ばした。

 

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