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第37話 旅路


 俺はバロン様に旅行のお誘いを受けマルクトと言う町へと向う馬車に乗っているのだが、自分の予定とはだいぶ違う。


 馬車の中にはバロン様が居て、一応来るかな〜と思っていたノルン、そしてスカーレット様………アルフォード家全員集合である。緊張するな〜……


そこまでは良い、でも……


「ねね!タクト、あそこに変な形の鳥が飛んでいるわ!見て見て!」


「か、母さん落ち着こうか、それにあれは鳥じゃなくってワイバーンだから、そんな可愛いもんじゃないよ」

 俺は騒ぐお母さんをなだめる。

 昨日の時点で知ってはいたが驚いた!バロン様は俺のお父さんとお母さんも誘っていたのだ。俺が行くと伝えると二人はふたつ返事で承諾したらしい。


「ワンワン」

「これは我のものだ!やらんのじゃ!」


 ついでにニキと先生の件も承諾が得られいる。騒ぎ過ぎると追い出されるので、先生が持っている食べ物を奪い。半分に分けて二人に渡す。


 はぁー気疲れする。

 まだ町を出で十五分なのに……


「大丈夫かい?タクトくん」

「あ!はい神父さま、大丈夫です」

「そうかな、顔に疲れが見えるよ。心配だな〜タクトくん体調が悪くなったらすぐに言うんだよ」

「ありがとうございます!」

 神父さまは相変わらずとても優しい。

 以前も俺が大怪我した時も無償で治療をしようとしてくれた人だ。神父さまは聖職者ては珍しく丸坊主でガタイもかなりいい、服装が聖職者の格好じゃなかったらヤクザみたいで結構怖いかもしれない。

 今回、神父さまは偶然マルクトに用があり同乗している。


「おーい!生臭坊主!こっちに来いよ!」

 お父さん!?

 神父さまに何てことを!いくら幼馴染だからって!


「まったくブラックは、久々の旅行で気分が高揚しておりますね」

 確かに日頃のお父さんからは考えられない。


「何やってるんだ!生臭坊主!早くこいよ!」

 バロン様まで!?日頃見ない光景だ!


「まったくバロンまで、長という立場を弁えなさい!」


「ほほう〜そんな事が言えるのかね!」

 バロン様は何か飲み物を取り出して掲げる。


「はぁー……バカヤロー!パロンそう言う物があるならさっさと言えよ!オラーコップはどこだ〜」

 

 えー!?神父さまー

 俺は驚きを隠せない!

 いったい何が!?


「なんて顔をしているんだ君は、そんなアホ面をするようなヤツだとは思っていなかったぞ」

 横を見ると俺と同じくらいの歳の少年が居た。ちょっと言い方がキツイぞ!少年……


「はぁーどうした?本格的に大丈夫かお前!体調が悪いなら薬でもだそうか?」


 今度はさっきまでと違い心配される。

 いや!待て、こいつは!?


「思い出した!アポロンじゃん!」

「何だよ!今俺のこと思い出したのか!ナメてるのか!」

「あ!ごめん、アポロンくんちょっとド忘れ

しちゃって……」

「お前はジジイかよ!ボケるには早すぎるぞ!」

 悪態をつき席に戻るアポロンくん、思い出した!この子もタクトの幼馴染、片目にモノクルを着けた変わった少年、神父さまの息子であり聖職者見習いながら口が悪い。それも年々酷くなる一方、ま〜タクト自身は元々なんとも思っていないようだか……


 それからお父さん達は、馬車の中でどんちゃん騒ぎ、そのままグ〜グ〜と寝てしまった。

 お母さんはお父さんを甲斐甲斐しく世話をしておりスカーレット様は何か難しそうな本を読まれていた。


 バロン様が連れてきた従者と方々(同僚)が野営の準備に取り掛かる。ボクも最初は手伝おうかとしたのだか、皆から今はお客の立場だと止められた。


 俺は仕方なく散歩に出ると、ノルンとアポロンまでついてきた。


「ね!どこに行くのよ!行く時はワタシに声くらいかけなさいよね!」

「いや、だってただの気分転換の散歩だよ」

「良いから言うことを聞きなさいよね!タ・ク・ト!」

 有無を言わせないノルン


「相変わらずだな〜お前は!」

「何よ!文句でもあるわけ!文句があるならついてこないで!」

「あ〜うるせぇ〜な!俺だってついて来たかねぇーよ!だけどな!お前達が迷子になると面倒なんだよ。遠くに行くんじゃねぇー」


 アポロンは日頃は丁寧な口調で話すんだけど、どうもノルンが居るといつも言い合いになっちゃうんだよな〜面倒事にならなきゃ良いけど、平穏が一番なんだぞ二人共!



「おい!ガキ共動くな!死にたくはないだろ」

 突然数人の男達が林から飛び出てきた。武器をこちらに構えて、俺達に脅しをかける。


「よ〜し良いぞ。動くなよ!ヘッヘッヘ、俺達は運が良い〜ガキ共の方からこっちに来てくれるとはな。手間が省けたぜ」

 

 こんなところで盗賊かよ!

 逃げたいところだけど、二人を残して行くわけにはいかない。


「ヘッヘッヘ、あれだけ武装した護衛がいちゃ〜手が出せないと思っていたが、お前らを人質にすれば、楽勝だな!笑いが止まらね〜ぜ、ガッハハハ」


「黙りなさい!盗賊、あなた達なんて私の剣で斬り刻んであげるわよ!」

「あなた達、やめた方が良い。仮に俺達を人質にしても地獄を見ることになるよ」


 ノルンは腰に差していた剣を抜き、盗賊を相手に堂々とした態度を取り、アポロンは冷静かつ冷たい視線で相手に地獄宣言、何この二人、怖くないのかよ。


「舐めんじゃね!」

 キレやすい盗賊なのか、ノルンに向かって斬りかかる。ノルンはその動きを冷静に見極め、相手の剣に沿わせるように当て、相手の剣をいなしそのまま通り抜けるように盗賊に一閃入れる。


「ぐはぁー」

 盗賊は血を流し倒れる。


「一応手加減してあげたわ!すぐに手当てすれば助かるわよ!」

 

 ノルンの剣術レベルが上がってる!?凄い!そしてなんで?

 

 それからノルンは踊るような華麗な立ち回りで次々と盗賊を斬り伏せる。


「お母様の地獄の特訓に比べれば、あんた達なんて大したことないんだから〜!」

 叫ぶノルン、きっと色々とあったんだな…うんうんでも本当に凄い!前のノルンと比べて遥かに強くなっていた。


……………………………………………………………


『アルフォード ノルン』 Lv:19


【種族】ヒト族

【年齢】14

【職業】特になし

【称号】貴族(娘)

【加護】特になし


【HP】650/650(+0)

【MP】150/150(+0)

【魔力】45(+0)

【筋力】75(+100)鋼の剣

【耐久】65(+75)軽装(風の加護付与)

【敏捷】70(+70)ブーツ(風の加護付与)

【運】 55(+0)


【ユニークスキル】 ✕✕✕魔眼 Lv.1

【レアスキル】 聖火魔法 Lv.1

【コモンスキル】剣術 Lv.3 体術 Lv.3 火魔法 Lv.2

        生活魔法 Lv.2 魔力操作 Lv.2

        言語理解 Lv.3 礼儀作法 Lv.2     

        身体強化 Lv.2 園芸 Lv.4

 

……………………………………………………………

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