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第353話 VS ゴエティア72柱 ボティス②


 ゴエティア72柱 ボティス、蛇を従え獲物を時間をかけてなぶり殺す。そう言う戦い方を好んでする者。

 

 そしてそれには理由があった。


 ボティスのスキル『スネークイーター』食べた蛇を召喚し自在に扱える。そしてその蛇は普通ではなく魔力により強化され。更にボティスの扱う蛇は特殊な能力を有していた。


「はぁーー!」

 ルナの鋭くキレのある斬撃、たった一振りでも躱すのが難しい斬撃、それをボティスは軽やかに躱す。


 ボティスには分かっていた。

 ルナが振る剣の動きが………


 蛇には耳の代わりに皮膚から敏感に振動を感知して獲物を見つけ捕らえる能力がある。

 

 ボティスのスキルによって蛇は強化され、未来予知に近い精度で攻撃を躱していた。そして動きが読めると言えことは同時に攻撃にも転じられる。


「アフッ……」

 ルナは腕を絡め取られ地面に叩きつけられた。


「甘かっですね!」

 大量の蛇が倒れているルナに向かって飛びかかる。

ルナは翼で身を守り、蛇を弾くと同時に翼を羽ばたかせ後方に水平移動し距離をとった。



「我がしもべよ!ヤツを喰い殺せ!」


 波のように大量の蛇がボティスの服から飛び出し、ルナを追いかける。ルナは飛翔し地面から離れ蛇の攻撃を躱そうとしたが甘くはなかった。蛇はお互いを絡ませ空へと伸びて行く。


 ルナは身体を回転させながら反転、地面に向かって急速に落ちる。翼に魔力を纏わせると鋭い刃となり蛇を切断して行った。


 蛇を蹴散らしたルナは剣を持った腕を引き魔力を集中、剣が白く輝く。


『ホワイトストライク』


 ルナは高速で飛翔し移動、鋭い突きの一撃がボティスに直撃した。


 ん!……ルナはヒットした瞬間違和感を感じる。

 吹き飛ばされながらもすぐに立ち上がるボティス、

大したダメージは受けていない。


 服の中にいる蛇をクッションにして衝撃を低減された。ルナは直感的に判断、次の攻撃に体勢を取る。


『ホーリーソード』

 

 聖なる光の闘気オーラを剣に纏わせ地面スレスレを飛行しボティスに向かって行く。


 

「ん!?えっ!」


 その時、ルナは身体が上手く動かなくなる。あまりにも想定外のことに受け身すら取れず転倒した。


「な、何よこれ、身体が………」


 ルナは自分の手を見て驚きを隠せなかった。

 手は震えてまともに剣が持てなくなっていた。


 ボティスの扱う蛇の特殊能力『麻痺の波動』

 蛇の近くに居るだけで徐々に身体が痺れてくる。難点としては一匹の効果は低く、距離も二メートル以内に接近しなければならない。

 

 ボティスがルナに接近戦をさせたかったのは、それが理由、回避に自信はあったが空を飛び回る相手に近づき麻痺させるのは困難だった。


「ホント!助かりました。あなたがプライドの高いバカで、蛇は基本的に地を這う生き物ですから、苦手なんですよ鳥って、ま〜降りてくれ際すれば、しっかりと毒をあげられますね」


 ニヤリと口を横に開きいやらしく笑みをこぼす。

 ボティスは勝利を確信したのだろう。

 トドメを刺そうと毒蛇向かわせ私に牙を剥こうとしている。



 でもね!あなたは一つ勘違いしている。

 ルナは翼を大きく広げ毒蛇を切り裂いた。

 ボティスの表情が驚きに変わる。

 

 ルナはその隙を逃さない。

 一気に接近しボティスに一閃。

 

 ボティスは躱しきれず斬り裂かれた。

 この一閃は身体に纏っていた蛇を斬り裂き、ボティスにも剣が当たった。血飛沫が飛び散る。


 斬られたことで更に動揺したボディスの動きは散漫となり、ルナから言えば隙だらけ、勝負どころと判断したルナは必殺の一撃を放つ。


 キラキラと輝く翼で自らの身体を覆うと、翼は身体に浸透するようにルナの身体に入っていた。


 相手に左手向け相手に標準をする。

 足を前後に広げ腰を低くし力を溜める。

 前進に向けて高速かつ最大の力を突きで放った。


『ホーリーレイ』


 目にも留まらぬ光のレーザーがボティスの胸を貫いた。


「ガハッ!…………」

 胸と口から大量の血を出し、両膝を地面について前のめりで倒れる。


 ボディスが倒れると周りに居た蛇達は煙となって消える。

 術者が倒れると維持できないもののようだと、ルナは安心しながらも決して油断はしていなかった。警戒しながら倒れたボディスに近づく。


「なぜ…だ……おまえは……うごけなかった…はず、まひしていたのは……えんぎだった、とでも……いうのか!」


 ボディスは息絶え絶えになりながらも、そのことが知りたかった。今までどんなヤツでも殺して来た。絶対の自信を持っていたからだ。


「私、あなたの様な戦い方好きじゃないの」

「そんなこと……いうなよ…しにゆくものにクッ!…慈悲を……いただけないですか、天使様」

「慈悲?ふざけたこと言わないで、悪魔に取り憑かれた、私はそれに関しては思うところはあるけれど、必ずしも嫌悪してはいない。だけどあなたは違う。悪魔の力に飲み込まれただけじゃない。私にトドメを刺そうと近づいて来たあなた。醜悪な顔をしていたわよ」

「カハッ……そうかい、おしえてはくれないか、くそ!ただでは死なん、オオオ……オボ!?」


 ボディスの口の中に大量の羽根が入り喋れなくなる。


「無駄な抵抗はやめてもらえる。私は油断するつもりはないの、それにあなたを簡単に死なせるつもりはないわ。しばらくそこで寝ていなさい」


 ボディスは上手く呼吸が出来ず気を失うと、口の中の羽根を消して動けないように羽根で地面に張り付けにする。


「安心しなさい。その傷普通は致命傷だけど、絆創膏ばんそうこう貼っておけば治るそうよ!良かったわね」


 ルナはペチンッと絆創膏ばんそうこうを貼ると仲間達の加戦に向かった。


 ちなみにルナの身体が動いた理由、それは天使化による恩恵、あらゆる状態異常に耐性があり僅かな時間に回復が出来る。ただもちろん特殊な物やルナの耐性を超える強い効果のものに対しては効果が及ばないため、ルナ自身も安易に攻撃を受けようとは思っていない。ゆえに今回の戦いは運が良かっただけだとルナ自身は思い気を引き締めて戦場に行った。


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