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第32話 母さんに変なことしたら許さないぞ!


 俺達は魔導ショップの帰り、お金も手に入り、懐が温かくなったので少しくらいは使っても良いだろうと思い、商店街へ向かっていた。


「な〜ノルンなに食べたい?」

「女王様とお呼び!」

 ムチでお尻を叩かれる。


「ブヒー!?ってやめーい!……もームチ禁止!」

「えー!面白いのに〜、タクトも気持ちいいでしょ!」

「んなわけあるかー」

 

 ノルンは魔導ショップの奥さんに変なことを吹き込まれ目覚めてしまっている。これは先が思いやられる。


 食べ歩きでもしようと屋台店を探していると、男の野太い声が聞こえた。


 声のする方向を見ると大男が女の人を引き寄せて拘束しているのが見えた。

 周りの人達もざわざわと騒いでいる。


「なんだ?………え!?かあさん!」

 その女の人はお母さんだった!、知らない男に抱かれて明らかにおかしな状況、俺は急いでお母さんの下に向かう。


 近くまで行くと会話の内容が聞こえた。この大男はお母さんを無理やり連れて行こうとしていた。



「やめろ!母さんに手を出すな!」

 俺は周りを気にせず大声で叫ぶ!


「あぁ〜!なんだこのクソガキは!どっか行けよ!」

 シッシッと手を振り、面倒臭そうに対応される。 


「ふざけるな!母さんに変なことしたら許さないぞ!」

 この時、俺は冷静にはいられず、怒鳴ってしまう。


「あぁ〜?……なーんだコブ付きか、こんなデカいガキがいるのか、へー見えねーな!」

 大男はジロジロとお母さんを見る。

 俺はその様子を見てさらにイライラが増す。


「タクちゃん!ちょうど良かったわ!夕食はお肉とサラダにしようと思うの〜他になにか食べたい物ある?」


「母さん〜」

 俺の怒りが一気に低下、お母さんはこんな状況でも超平常運転、ゆる〜い穏やかな空気が流れる。


「チッ、何勝手に喋ってるんだよ!あぁー!

ガキ!帰れ、今からお前の母さんは俺とお楽しみだ!期待してろ。弟か妹をプレゼントしてやるよ!ガッハハハ」



 俺は再び怒りが込み上がってきた。

 こいつは最低だ!一刻も早くこいつからお母さんを助けないと。


 大男はこちらを向き、お母さんの肩を抱く。


「いいかガキ、死にたくなかったら!消えろ!目障りだ!」


「ガアッ」……これは殺気?

 俺の足はガグカクと震え、立っているのもやっと。隣ではノルンも同じように踏ん張って立っていた。


「たくよ〜こんないい女が居てテンション上がってるんだよ!………おほー!良い乳してるぜ!デケェーし触り心地サイコーだぜ!」


 男はお母さんの脇から手を前に入れ、お母さんの胸を鷲掴み。無遠慮にもみしだく。


 はぁ!?………俺は一瞬頭の中が真っ白になり、そして今度は一気に赤く怒りの炎が燃え上がった。


 俺はツールボックスを呼び、ヘルメットと軍手を装着する。


「気でも触れたか?変な格好して、こっちも我慢の限界で気が振れそうなんだぜ!………ペロッ」


 大男はお母さんの頬を下からゆっくりと舐める。


 こっちは我慢の限界なんてとっくに超えたよ!


 俺は一気に大男に接近し顔面をぶん殴る。


「ゴハッ」大男は地面にぶっ倒れ、俺はその隙にお母さんを連れノルンのところまで戻る。


 俺は大男を警戒しながら確認をする。


「母さん、大丈夫!怪我はない!」


「うん、大丈夫、怪我はしてないわ。ちょっと汚いけど、犬に舐められたようなものよ。………それよりも……」


 良かった!思っていたよりお母さんはショックを受けていない。図太いのか鈍感なのかは分からないが不幸中の幸いと言ったところか。


 お母さんはその後も何か言おうとしていたが、大男が立ち上がったので、そちらに注意を向ける。


「クソガキ〜どうやったか知らないが、俺様の顔面を殴りやがったなーー!殺す!絶対殺す!」

 大男は怒り心頭、表情も鬼のように変わり、身体からオーラが上がっているのが見える。

 大男は背中に背負っている大剣を引き抜いた。


 はぁーあいつはきっと強い!見た目でよ〜く分かる。だけど引くわけにはいかない。母さんに酷いことをした。許さない!


「ノルン、母さんの事は頼む!」

「待ちなさい!あいつかなりの強者よ!闘ったらタクトが………」

「それでもボクは引けない!」

 ノルンの制止を振り切り、大男の前に行く。


 このままだと後が面倒だな!

 俺は大男から少し離れた位置で止めり、地面に手を当てる。


「地の精霊よ!ボクに力を貸して『大いなる壁』」

 俺は自分を中心とした全方位の大地を上げて土壁を作り、中には俺と大男だけになる。


「おもしれータイマンか!いい度胸だ!クソガキ挽き肉にしてやるよ!」


 大男は大剣を上段に構え突進する勢いで突っ込んで来た。


 はぁーこれなら多少やり過ぎても見えてないから良いだろう。

 俺は一息つき、冷静に腕を上げ大男が振り下ろした大剣を止める。


「ガキーン」

 大男は俺が手袋の能力で張った空間障壁に阻まれ大剣が弾かれ、お約束のセリフ「バカな!あり得ない!?」などと言っていた。


「あり得ないのは、お前だよ!」

 俺はヘルメットの力で60倍に加速、大男をボコボコにぶん殴った!

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