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第300話 再認識!目指すは平穏な生活


◆場面は移り変わり、悩めるタクトくん


 情報共有が終わり、それをもとに今後の行動についての動きをどうするかの話し合いに変わる。最初は一応聞いていたけどだんだん話が難しくなり、話について行くのが難しくなる。それに俺は今…他のことで頭がいっぱいになっていた。



……どうする!

……どうする!

……どうする!

……どうする!


……どうするんだーー!(心の叫び!)




 くそー!

 早く父さんを助けに行きたい!

 だけど俺は一応ここの町長でそれなりの立場!

 責任がある!大人として責任を果さねば!



 ぶつぶつ…ぶつぶつ…ぶつぶつ…ぶつぶつ


「煩いわね!そんなに気になるならさっさと行ってきなさいよ!」


「え!?って!うわ!?」

 考えごとをしていたらいつの間にかイリスが真正面に居て驚く!びっくりした!



「イリス〜……驚かさないでよ。心臓が止まるかと思った」

 俺は胸に手を当てて息を吐く。


 じーーー…………

 イリスは黙って俺の顔を見続ける。


「え!?なに!なに!ボクの顔になんか付いてるの?」


「ぺしっ」………イリスにおでこを叩かれる。

 なんで叩かれた?……???


「タクト、ちょっと来なさい」

 イリスは俺の手を掴み引っ張る。


「ちょ!?イリスダメだよ!会議中なんだから出られないよ」


 イリスはそれを聞くと数秒考え。



「皆の者聞きなさい!タクトを借りていきます。何か問題がある人はいますか!」



「「「…………………」」」


 女神にそんなこと言われて、誰がそれに逆らえる人がいるのやら、俺は自然と乾いた笑いがこぼれる。



「良さそうよ!行くわよ!」

 イリスの有無を言わせぬ物言いに頷くことしか出来なかった。そしてその瞬間……景色が変わる。



「ここは……久しぶりだな」

 

 景色が突然変わって驚いたけど、空間転移を使ったんだろう。そしてここは初めてイリスに会った書斎、相変わらず本だらけの部屋だな。


「座りなさい」


 イリスに促されて座る。一体何を言われるんだろう。イリスは相変わらず口数が少ないから分かりにくいんだよ!


「タクトあなたはグタグタ言い過ぎなのよ。見ていられないわ。さっさとお父さんを探して来なさい」


「んぅ!ん〜……でもボクが行くわけには、ボクには立場があし…それに伴う責任も……」


「だからそうやっていつまでもブツブツブツブツ言いながら悩んでいるつもりかしら、正直目障りよ」


「イリスは言い方キツイな〜。そんなにブツブツ言ってたかな?」


「言ってたわよ!バカ」

 

 イリスは足を組み直し落ち着いて話を続ける。


「タクト、責任感が強いことは結構よ。だけど悩んで行動に移せないのは馬鹿げたことよ。それに責任って何?あなたにどんな責任があるって言うのよ」


「それはこの町の町長として、ボクは……」


「町長ってそんなに偉いのかしら?」


 ん?…………ん?どうなんだ?それって、考えてみれば町長は偉いのか?いや、それはそれなりに偉い立場ではあるのは分かっているけど、今の会議には国王をはじめ貴族の皆さん、聖女様、教皇様、聖職者のトップの方々……町長ってだいぶ下だよな。


「思ったより大したことなかったよイリス」

 アハハと乾いた笑いが自然と出る。


「そうよ。あなたがこの国を背負う必要なんてないのだから、あなたはやりたいことをやれば良いのよ。ここ最近は忙しくて言わなくなっているけど、あなたが目指すのはなるくてダラダラとする平穏な生活でしょ!」


「いや、そんな人を怠惰みたいに言わないでよ。でも、ま〜そうだな。少し働き過ぎた。今の状態はボクがしたかったことじゃない。それにボクなんかよりずっと有能な人達がいるんだから頼れば良いんだよな!」


「そうよ。あなたはもう少し人に頼ることを覚えなさいな。困っていれば私に頼っても良いんだから」

 イリスは少し横を向いて照れたような仕草を見せる。

 フッ、らしくないことを言ったなイリス。


「ん?待てよ!イリスにお願いして良いわけ?」

 神様に…とっても偉い人に…お願いしたらダメでしょ!


「はぁ〜……信者からはお願いごとが嵐のように飛んでくるのに、タクトは一度も聞いたことがないと思っていたけど、いけないことだと思っていたわけね」


 俺は小さく頷く。


「もちろん願い事を聞くとは限らないけど、あなたは私の使徒なのよ!私から神託を与えることもあるけれど、その代わり使徒の願いことには特に耳を傾けるわ」


 がーん……そうだったのか!

 俺はなんで勿体ないことをしていたんだ!


「言っておくけど、だからって叶えるとは限らないからね!」

 おっと、色々と考えていたら先にイリスに釘を差されてしまった。顔に出てたな。失敗失敗。



「イリス、ありがとう。少し気が楽になったし決めたよ!ボクは父さん達が心配だから助けに行く。みんなのこと頼んだよ」


 俺は思い…決意を伝える。

 イリスは真正面に座っていたけど、立ち上がり移動、俺が座っているソファの横の席に座る。



「タクト、あなたは私の使徒よ。だから私はあなたを大切に思う」

 イリスは俺の前髪を触りながら、いつもなら絶対に言わない言葉を言う。それが女神としてなのかイリス個人としてなのか分からないけど、俺はドキッとさせられ嬉しく思う。一体なんて言葉を返せば良いのか、だけど早く返したかった。


「イリス……ボクも…え!?」

 喋ろうとしたら肩の後ろあたりから禍々しい気配が

そしておどろおどろしい声が聞こえる。


 怖い!怖い!怖い! 突然なにこれ!?

 恐怖が全身を駆け巡る。

 身体がガタガタと震え、心臓が煩い!

 これは只事じゃないよ〜


「タクトあなた……エライものに取り憑かれたわね。なんて者を連れて来るのよ」


 えっ!?俺は驚く。

 初めてだ、イリスの表情が明確に引きつっている。

女神であるイリスがこんなにも嫌がるもの、それって……………まさか!?


 怖い!怖い!怖い!この世でここまでの恐怖を味わうことはない。そして頭の中に浮かぶこの言葉DEAD OR ALIVE、死の選択を迫られるこの気分、間違いないあの方がここに来る!?



「トン」……誰かが俺の肩に手を置く。誰か?何言ってるんだよ俺、もう分かっているだろ。

頭で分かっても心が拒否反応で認めない。でも現実は直ぐ側まで来ていた。


 おどろおどろしい声が聞こえる。


「ねぇ〜あなた……随分とイリスと仲が良さそうだけど、どう言うことかしら〜」


 いきなりですか?DEAD OR ALIVE。

 俺……死んだかも……


 俺の背中に取り憑いたのは、最上級の怨霊でも地縛霊でも悪霊でもない。冥界の管理者である女神ヘカテー様だった。

祝300話達成!✧◝(⁰▿⁰)◜✧

ご愛読して頂いた方、本当にありがとうございます。


ここ最近ではPVが増えて評価をして頂く機会が増えました。重ねて感謝を述べさせて頂きます。ありがとうございます

(◡ω◡)


 これからも読んで頂けるよう面白そうなネタを考えていきますので、今後とも宜しくお願いします。




面白かったらブックマーク、下の評価★★★★★を

付けて頂くと嬉しいです。宜しくお願いします!(◡ω◡)

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