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第288話 現実逃避する私………


「……と言うわけで!頑張れノルン」


「ふざけんじゃないわよ!イグニス、なんで私があなたの為に狙われないといけないのよ!」


 ノルンは当然激怒した。


「しゃ〜ねぇ〜だろ。トリスタンの野郎がワガママなんだよな〜いや〜本当に困ったな〜ガッハハ」


「何笑ってるのよ!バカでしょ!」


「痛ってぇー!」


 ノルンは思いっきりイグニスの足を踏みつけ、イグニスは足を押さえて飛び上がる。


「ふぅ〜いてぇ!流石はスカーレットさんの娘さんだぜ!こえ〜んだよ!バロンが苦労するわけだ」


 イグニスは足を擦りながらボソッとボヤく。


「なんですって!」

 

 それを聞いたノルンはギロッと鋭い目つきでイグニスを睨み。イグニスはスーッと視線を横にズラし逃げる。


「良いわよ!上等じゃない!返り討ちにしせやるんだから」


 ノルンは剣に触れやる気を出す。

 


「よっしゃ!やる気出たみたいだな!な〜にこれはこれでノルンにとって悪い話じゃないと俺は思うからぜ!頑張ってくれや!」


「イグニス何言ってるのよ!修行に付き合いなさい!

まさか…断ったりしないわよね〜」


 ノルンはガシッとイグニスの手を掴み引き止める。


「わぁってるよ!今回は超特別だ!とは言え、今回はまずはバロンだ。アイツにも協力してもらう。さっさと町に戻るぞ!」


「了解よ!やってやるんだから〜」

 ノルンの闘気オーラが燃え上がるように吹き出していた。


……………▽


◆聖女見習いティアの視点


 どうしたらこんなことになるの?

 

 宿で休んでいると知らない男達が扉から無理やり入って来る。強盗…暴漢…どちらにしてもあまり良くない方々、この方々はどうしてその様な酷いことをするのでしょうか、私には分かりません。彼らには神により天罰が落ちるべきと私は思いました。



 でもそんな方々ですが、今は少し可哀想に感じまています。


「ゴミとは思っていたけど本当にゴミね!何の情報も持っていないわ」


「そうですね〜これだけ痛めつけて話さないなら、嘘はついていないと思います。スカーレットさん、どうします?今度はスラム街に行って釣りますか?」


「そうね!それでも良いけど今回みたいなハズレが大量に居るわよ。面倒じゃない」


「私はタクちゃんの為なら幾らでもゴミ掃除するわよ!」


「ミルキーさんはそれでも良いかもしれないけど、私は嫌よ!手っ取り早く情報を手に入れたいわ!」


「そう、タクちゃんの役に立てるなら良いからスカーレットさんにお任せします。でも絶対に成果をあげてねぇ!」


「ミルキーさん……笑顔なのに怖いからやめてくれるかしら」


「あら、ごめんなさい。殺気が出ていましたわね。失礼しました」


 穏やかなトーンで話をする二人のマダム、でも話している内容は物騒極まりないうえに見た目は地獄にしか見えないです。だって床には襲って来た男達で埋め尽くされ、それを何事もないように話をしながら踏んづけている。悪魔を相手にしてきた私でも恐怖を感じます。



 

「ティアさ〜どうする?私ここじゃ〜寝られないよ」

「大丈夫よアーチ、私もここは無理だから」

「そうよね!あの二人が平然としているから私がおかしくなったかと思ったよ」

「うん。でも…もしかしたら、これに慣れておかないと後が大変な気はしているよ」

「ティア……怖いこと言わないでよ」


 少し現実から逃避行しながら話をしていると二人がこちらにやって来た。


「アーチさん、ティアさん、ごめんなさい。さっきので結構音を出しちゃったから、誰かが通報したみたいで、この建物に国王軍が取り囲んでいるみたい。ちょっと足止めしてくるから、終わったら宿を探しましょう」


「あ……はい、分かりました」

 とても優しいそうなミルキーさん、本当とても仲良く出来そうな方なのに、さっきの行いを見た後だと不安しかない。それに国王軍を足止め?それってやって良いこと?分かりましたって言ったけど分かりません〜。


 さらに現実逃避する私………

 

 でもそれで良かったと思う。外から国王軍と人達と思われる叫び声が聞こえたから………アハハ……



 私達は宿を変えた後、スカーレットさんが探すのは明日にしましょうと言ってくれたので今日はそのまま就寝することに、色んなことがあったせいか、目を瞑ったらすぐに寝てしまった。


……………▽



 私は休めた〜と大きく背伸びをして起きた。色々と不安はあるけど頑張ろうと気合を入れて部屋を出たのだけど、スカーレットさんとミルキーさんの二人から聞いた話でどっと疲れることになる。



「教会に行くわよ!」


………………

………………

………………なんで!?


 昨日はスラム街に行くって言っていたわよね。それがなんで真逆の様な場所に、いえ!それは良いわ。でも問題はそこじゃないわ。この二人が行けば……惨劇しか思いつかない。



………………これは止めないとダメなヤツよね。



 私は教会に着くまで悩むことになるけど、結局止める手立ては全く思いつかなかった。どうかイリス様のご加護がありますように………


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