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第28話 契約破棄


 無理!……ふざけんな!

 ローム先生に言われ、一瞬絶望したけど、そもそも俺はどんな事があっても助けると決めたんだ!だから諦めるつもりはない!


「ローム先生、それは本当てすか!本当は何か方法があるんじゃないんですか!」

「うわ〜バカモンそんなに激しく喋るでない」

 俺はすごい勢いでまくし立てローム先生に詰め寄る。


「う〜む、確かに方法が無いわけではない。しかしそれは無理なのじゃ、契約を破棄するなど」

 ローム先生は難しい顔で答えた。


「契約の破棄が出来ればパトリアさんは助かるんですね!」


「破棄が出来ればな。方法は大きく分けて2つ、契約した悪魔を消滅させるか、契約紋を消すかのどちらかじゃ」


「…………?それって、そんなに難しい事なんですか?」

 あれ?ババア悪魔はすでに捕らえたし、契約紋がどんなものかは知らないけど消せばいいのでは?


「悪魔は聖なる力でしか完全消滅させる事は出来ない。それが出来るのは聖人教会の最低でも司祭クラスでなければできぬ。そしてそれは契約紋もしかり、あとはかなりの腕を持った呪術師であれば解くことも出来るじゃろうが、探すのが困難じゃ」


「な〜んだ!それなら何とかなりますよ先生」


「はぁ!?……タクト、我の話を聞いておったのか!」 


「はい、聞いていましたよ。でも良いこと思いついたんですよ。任せて下さい!」


 俺はライトを片手にパトリアさんの前に行く。


「待ちなよ小僧、無駄だよ。何をするつもりかは知らなけど、何をやっても無駄さね!」

 ババア悪魔が話しかけてきた。まったく黙っていればいいのに、邪魔しやがって!


「悪いな!婆さん。あんたとの契約は破棄させて貰う」

 俺はババア悪魔の言うことなど聞かない!


「パトリアさん、どこか身体に契約紋があるはずです。それを見せて下さい」


「え、え〜分かったわ」

 パトリアさんはなぜかモジモジしている。

 

「………オホ!」

 俺の目の前には豊満な胸の谷間が見えた。絶景です!


 パトリアさんはブラウスの上部のボタンを外し契約紋を見せてくれた。


 なんだ!こんなところにあったのか!これは失敬。


「オホン!それじゃ〜契約紋を消してやる!このハンドライトでな!」


…………………………………………

名称∶ライト

分類∶照明器具

属性∶空間 光 闇

効果∶☓☓☓☓☓

性能∶照らされた空間に対し、

   光と闇、善と悪を分離、

   または消滅が可能。

   (取り扱い注意)

…………………………………………


 さっきはこれを使ってパトリアさんに取り憑いていたババア悪魔を引っ剥がした。しかしまだ契約紋によって悪魔との繋がりが完全には断ち切れていなかった。どうやら俺の魔力が足りずパワー不足のようだ。しかし問題はない。ちゃんとアテはある。


 俺はハンドライトの先端をキュッと回すと、ライトの光が絞られ光が集中し照度(聖なる力)が上がった!


「それでは失礼しま〜す!」

 俺はパトリアさんの胸にライトをポンと当てるとぽよ〜んと弾かれだ。すっご〜い……じゃなかった。俺はしっかりとライトを押さえてると、「うっ」と小さく呻き声が漏れ、さらにその後ろから、「ぐえー」と一段大きな呻き声が聞こえてきた。


「もう良いかな?」

 そっとハンドライトを離すと、そこには綺麗なオッパ……じゃなくって、綺麗な肌で契約紋は綺麗さっぱりなくたった。つまり……


「うそ!?……ワタシ、助かるの?」

 パトリアさんは顔を両手で押さえ涙を流す。


「へへっ、もう大丈夫てす!悪魔との契約は破棄されました。パトリアさんはもうあいつの言うことを聞く必要はない!」


「タクトく〜んありがとう!」

 感極まったパトリアさんにギュッと抱きしめられ、俺はパトリアさんの胸に埋もれる。えへへ。


 パトリアさんが落ち着いたので離れると、ババア悪魔が怒りの形相で睨みつけていた。


「何だよ?文句がありそうだな!でもダメだ!パトリアさんはやらん!………ん?そう言えばあんた薄くなってないか?」


 喋っている途中にババア悪魔に違和感を感じた。


「其奴は契約紋での繋がりを失い、この世界での存在維持が出来なくなったのじゃ」

 

 なるほどそういう事か、それじゃ〜さっさと消えてくれ。


「ただでは済まさんぞ小僧!お前達は全員挽き肉になってしまえ」


 遠くからドタドタと重い足音が近づいて来る。


「往生際が悪いんじゃないか!まだ何かするつもりか?」


 ババア悪魔はニヤつくばかりで応えようとはしない。そこに現れたのは通常よりふた周りはデカいオーガ、それも2体も……


「確かこいつはビッグオーガ、またえらいやつを呼び出してくれたもんだな〜悪魔」


「……………」

 

 俺は腹が立ち悪魔を睨みつけ、そして5メートル以上の巨体なオーガを前にしたパトリアさんは声も出せずに震え上がっていた。



「ケケケッ死ね小僧!」


「嫌だね!」

 俺は速攻で拒否!ヘルメットと手袋を着用してオーガの前に向かう!


「ダメ!タクトくん危ないわ!」

 パトリアさんは勇気を振り絞って声をかけてくれだけど大丈夫、だってこいつドラゴンより弱いもん。


「さ〜ついでだ!俺のレベルアップに役立てやー」


 オーガを迫力のある雄叫びをあげ、その巨体からは考えられない速さで突進、ぶつかれば車と同等かそれ以上の衝撃だろう、でも大丈夫、俺にはヘルメットがある。


……………………………………………………

名称∶ヘルメット

分類∶保護具

属性∶時空間 

効果∶1秒⇒60秒

性能∶自分を中心とした半径2メートルの

   空間を加速させる。(取り扱い注意)

……………………………………………………


俺はビッグオーガの突進を余裕を持って躱した。


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