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第275話 襲撃者


◆ジェーさんの視点


 相変わらずムチャクチャね。何で助けを求めただけであの魔法を無効化出来るのよ。意味が分かんないわ。


「はぁー!『エアストライク』」

 隠れていた仮面を付けたもう一人が風の勢いに乗って加速し突っ込んで来た。


「フン!」

 重い拳の一撃!私は大剣の側面で受け止める。


「どうしたの?こんなもんかしら」


「オジサマキモいですわ。あとこんなもんではなくてよ」


 この声と華奢な体格……女性かしら?

 ん?拳に風が集束している!?


『エアインパクト』

 

「うっ!?」

 拳から凄まじい衝撃波が発生、私は耐えきれず吹き飛ばされる。家垣に激突した私は突き抜けて地面に転がった。



◆ラキの視点


「ジェーさん!?」


「よそ見は良くなくてよ!」

 

 ジェーさんを吹き飛ばした女は風の力で加速した上段蹴りを放つ。


 チッ……躱したつもりだったのに頬に剣で斬られたような鋭い痛み……躱しきれなかった!?


「やってくれるわね。それよりも子供達を返しなさいよ」

 私は身体をしならせ右ストレート放つ


 それを左腕で弾く仮面の女はお返しとばかりに右ストレートを放つ。


 私は左腕で受け止めたが、それは失策であった。


「痛っ……」

 闘気で強化したにも関わらず受け止めた腕が斬りさかれた。さっきのことと言いコイツの攻撃はまともに受けてはダメ!



『魔連弾』


 私は後ろに下がり距離をおき魔力弾を連射する。


『エアウォール』


 魔力弾は風の壁に阻まれ地面に落とされる。


 どうやら相手は風魔法を得意とするようだ。恐らくさっき攻撃を受けた時にもその力を使っていた。だから受け入れなかった。でも私の闘気を突き抜ける威力を出すには相当な魔力を消費するはず、つまり常には維持は出来ないはず。


 私は魔弾を牽制として放つ、仮面の女はそれを左手で弾き懐が空いたところに拳で突く。


「無駄ですわ!私には見えていますもの」

 仮面の女は左手から風を出し高速で回転し私の拳を躱す。そして勢いを乗せた左腕が風の鋭い刃となって私の背中を狙う。


「舐めるな!」

 私は風の魔法を纏った手を避けて、腕の関節部に後蹴りで受け止める。さらに左手に魔弾持ち顔面に投げつけた。


 仮面の女は首を反らしギリギリで魔弾を躱す。


 一連の攻撃を終えると二人は距離をおいた。


「あなた、なかなかやりますわね!久々にとても楽しくなってきました」


 仮面の女は風を纏い、荒ぶる風で突進してきた。


 あれをそのまま受けるのは自殺行為ね。


『ハードプロテクター』

 私は闘気に加え、自分の身体の表面に結界を張り

どっしりと腰を落とし受け止め体勢を取った。


「受け止めるつもり………面白いですわ!行きますわよ!」


 仮面の女が近づくだけで本来はズタズタにされていた。だけどプロテクターのお陰で耐えられている。これなら……


 私は仮面の女からの攻撃を受けながら両腕を掴む。


「何のおつもりてすの?私を捕まえただけでは攻撃は止まりませんわ」


「それで終わりなわけないでしょ」

 両腕を掴んだ状態で思いっきり頭突きを喰らわせた。


「あひゃん!うぅぅぅーー」

 痛みに堪える悲痛の唸り声が聞こえた。


「隙あり!」

 私は頭を押さえて空いた胸部に掌底を放つ。


「かはぁ!」

 仮面の女は吹き飛ばされ地面を転がった。




「さあ〜降参して子供達を返しなさい」

 仮面の女にビシッと指を差して言う。

 

「ゴホッゴホッ……ふざけたことを言わないで頂けます。

死んでも渡しませんわよ!」

 仮面の女は胸を押さえながら動かない身体を無理やり起こし立ち上がる。


「へぇ〜……なかなか良い根性をしているじゃないの!

でも子供を攫う様なヤツは許さないわ!」


「あなた……言わせておけば……くっ」

 仮面の女は拳を構え戦闘の意思を示した。すでにダメージを負った彼女なら抑え込むのは容易と判断し

接近しようとした時だった。熱気を持った斬撃が地面を這うように飛んで来た。私は咄嗟にバックステップで回避、私と仮面の女の間に炎の壁が出来た。



「もう一人居たのね」


 いつの間にか仮面の女の傍に長槍を持った体格の良い男が立っていた。



「二人共引くぞ!こんなところで遊んでいる暇はない」


「しかしバラクこのままでは」

 仮面の女は食い下がるも男は冷静に言った。


「目的を忘れるな。何のために俺達はここに居る。

無駄な争いで怪我をしてどうするんだ?」


「う……それは……」


「安心しろ子供達は無事だ」

 体格の良い男の言葉が優しくなる。


「えぇ分かりましたわ。私少々熱くなっておりました」


 仮面の女は素直に男の言葉を聞き入れた。


「待ちなさい!あなた達のことはどうでも良いけど子供達は返してもらう」


 私は闘気を腕に集中し拳を振って炎の壁を吹き飛ばす。


「随分と面倒なヤツに絡まれたな」

 体格の良い男は槍を構える。さっきは炎の壁で良く見えていなかったが、男は片腕の肘から下がなく負傷したいた。


「速いな。でもそんなに速く動いたら不足の事態に止まれないぜ」


 体格の良い男が槍を振ると槍の先端から赤い光の玉が真っ直ぐに飛んで来る。私は闘気を纏い拳で弾こうとしたが直前嫌な予感がした。それを横っ飛びで躱すと赤い光の玉はさらに輝きを増し爆発する。

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