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第266話 信じてあげる


「あんたバカ?」……エヴァ◯ゲリ◯ン?

 う〜ん……似てないな。キョウカはタイプが違う。


「キョウカ、後でデレるのか?」


「何をバカ言ってるのよ!聞きたいの?聞きたくないの?」

 

「あ!はぁ!お願い致します!」

 ピシッと頭を下げた。


「よろしい。じゃ〜説明するわよ。属性勇者は女神

アテナ様の使徒の別称よ。イグニスさんもその一人と

言われているわね」


「そうか、火の勇者……」

 イグニスに関しては正確には違うけど…勇者の剣を

持っているし、民衆からはそう呼ばれている。


「火の勇者、水の勇者、風の勇者、地の勇者、

この四人を四大属性から属性勇者と呼ばれているの」


「ありがとう。内容は分かったよ。つまり

イグニスと同じくらいの強さを四人集めれば良い

わけね」


「タクトあんた簡単に言ってくれるわね。イグニスさん

以外の勇者が呼べるわけないから、必然的に私達で

その戦力を集めることになるけど、それってかなり

難しいわよ」


「う〜ん…そうかな、大魔導師のキョウカに聖女様が

いるんだよ。あと一人はボクが補う。ね!いい感じで

しょ!」


 キョウカは俺を見てため息をついた。


「はぁ〜呆れるわ、そんな簡単なことかしら……

……でもそうね。あなたにはその自信と実践がある。

だから言えることね」


 キョウカは褒めてくれたが、俺の内心は少し違う。

今いる戦力になりそうな人を思い浮かべると……うん!

いけるんちゃうん。そう思えてしまった。バロンさん

でしょ〜。スカーレットさん。それにローム先生に

ニキだっている。恐れるものなど何もない。


………つまり他人頼りの自信である。


「タクトあなた忘れてないかしら、相手は魔獣バジリスク

だけじゃないのよ。ゴエティアの九王もきっと居る。

さっきも言ったけど、死の商人達もいるのよ。戦力が

足りているなんて思い上がりよ」


 えーー叱られた!?

 喋っている俺をペシッと後ろから叩くイリス。


「ひどいな〜イリス、別に忘れていたわけじゃないよ。

単にみんなを信じてるのかな。勝てそうな気がするんだよ」


 俺の言葉を聞いた聖女様はイリスの後ろでクスクス

笑い。キョウカは少し驚いていた。でも何に?


「ま〜弱い気よりかはずっと良いわ。あなた達に

伝えておきたかったのはそれだけよ」


「イリスありがとう。絶対勝ってくるから

安心して待っていてくれ」


 俺はビシッと親指を立ててグットサインをする。


「ダサいわ!」


「ひど!?」


「でも信じてあげるから生きて帰って来なさい」

 イリスはほんの少しだけ口の広角を上げて笑った。

 

「おう!女神様に見守って貰っているんだ。

問題なく帰って来れる。みんなにもそう言っておく」


 イリスとその使徒達の話し合いは終わり、

次に向かったのはバロンさんの家、情報収集について

どうなったかを確認しに行く。



…………▽


「ピンポーン………」

 異世界では見たことのないインターホンの音が鳴り

家の中から軽快な足音が近づき扉が開く。


「は〜いどちら様〜…てぇ!タクトじゃない」


「こんにちはノルン、遊びに来たよ〜って言いたい

ところだけど、バロンさん居る?」


「あ〜お父様ね。居るわよ。例の話ね!腕が鳴るわ!」

 ノルンから燃えるような闘気が上がる。


「ノルン、戦に行くんじゃないんだからな。

今回は偵察だよ!て い さ つ!……」


「分かってるわよ!とにかく入りなさいよ。

お父様は奥の居間に居るから、飲み物用意して来る〜」


 軽快なステップでノルンは行ってしまった。

 俺は家に上がらせてもらい。そのまま奥の部屋へ

向かうと中から楽しげな声が聞こえて来た。


「あの時は笑ったな〜。ブラックが顔面グーパン

喰らってひっくり返った姿」


「お前な〜あの時ペコおばちゃんのスカートの中に

潜るから俺が!うん?タクト」


 部屋に入るとテーブルに向かい合って談笑して

いるバロンさんと父さんが居た。


「バロンさんお邪魔します。随分と盛り上がって

いますね。何の話をしていたんですか?」


「昔の話ですよタクトくん。久し振りにゆっくりと

ブラックと話せるから子供頃の話をしたら止まらな

くって」


「へー……そうなんですね。確かに父さんの幼少期、

ボクもすごく気になります」


「そうですよね。ではとっておきの話を!ブラックが

ペコおばちゃんに襲われそうになった話を!」


 なに!?父さんがペコおばちゃんに!


「バロンそのくらいにしておけ、タクトは真面目な

話で来ているんだからな」


「ふ〜そうだな!この話はまたの機会に」


 えー!?ペコおばちゃんってだれ〜?

 謎を残し俺はモヤモヤしながら話を聞くことになる。



「調査の件についてはブラックと話は纏まったから

話をするけど、その前にタクトくんに聞いて欲しい

話があって」


「え……はい、なんですか?」

 なんとなくバロンさんが改まっている様な

感じがするけどなんだろう?


「タクトくん…君に大事なお願いがあるんだ。

小耳に挟んだのだが、君は死者と話が出来るのだと。

呼んで欲しい人が居るのだが、呼んでくれないかな」


「えーっとちなみに誰を?」

 

「アルフォード家先代の当主であり私の叔母に当たる。

エルレイシアを呼んで欲しい」


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