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第251話 ソウルフロンティアへようこそ!


 あれから国王の承諾を得られた俺達は彼らを

ソウルフロンティアに連れて行くことになった。


 配管を設置し彼らを先導しながら俺は一つ気になる

ことがあった。


「なぁ〜キョウカ、アレはそのままで良いのか?

一応アレもお偉いさんなんだろう」


 未だにアルスと呼ばれていた男は簀巻き状態で

引っ張られている。


「いいのよ。アルスはいつもこうなってるから、

国王達も特に気にしていないでしょ」


………確かに!誰も何も言わない。



「フッフッフッ、解けだぞ!キョウカ〜」

 アルスは光の輪を引き千切った。


「どうだ!キョウカ、この光の輪には致命的な欠陥が

ある。輪を形成している魔力の繋ぎ目に石化魔法を

使っているな!これは輪を強固にすることが出来て

いるが振動に弱い!そうだろ」


「はい正解……ヤドリギのツタ」

 

「おうぅ〜」

 おーい!キョウカなんでまたアルスを縛った!?

そんでアルスは嬉しそうに奇声をあげているけど、

なんじゃこりゃ〜!?


「どうしたの?タクト、変な顔してるけど」

 

 キョウカが俺の顔を覗き込むように見る。その顔は

「何を驚いているの?」と本気で思っている顔だった。

 

 俺は眉間に指を一本当てて考える。

 俺の感覚がおかしいの?人は縛っちゃダメでしょ!


「もしかしてアレのことを気にしてるの?

タクトは気にしなくていいわよ!アルスは縛られて

楽しんでるから」


 なに!?また別のMさんだと!この世界はM比率が

高いのか!?


「アルスはかなりの変わり者で知識欲のバカ者なのよ!」


 キョウカの話によると、アルスは若くして王宮筆頭魔術師と超エリートな人物で、ある日大魔導師のユニークスキルを

持ったキョウカが現れると、アルスはキョウカに勝負を

挑む。結果はアルスの惨敗、その日からキョウカは

アルスに追い廻されることになった。アルスがあまり

にもしつこいので、いつも縛り上げてから帰ることに

しているそうだ。そのうちこのやり取りが定着化、

今はキョウカの魔法にどう対処すれば解けるのかを

考え導き出すことに楽しさを感じているらしい。

だから簀巻きにされることには何の問題もないそうだ。



 配管を抜けてソウルフロンティアに到着!


「皆さん、ボク達の町ソウルフロンティアへ

ようこそ!ここは別の空間にって言っても良く分から

ないか、すいません、とにかくここは非常に安全な場所

になりますので安心してお過ごし下さい」


 一応この町の町長としてご挨拶をしないといけない。

そう思って言ったのだが、国王様達は全員が配管を

抜けてから周りが気になったのであろう。

キョロキョロと見回して俺の話を聞いてねぇ〜


 トンッと肩を叩かれたので振り向くとカンナが居た。

左右に首を振り鼻で笑う。さっきまで居なかったくせに

いきなり現れてその顔を腹立つんだよ!


 俺はカンナのおでこにデコピンしてやると、

「うぅ〜」と唸りながらおでこをさすっていた。


 

 カンナとアホなやり取りをしていると、

こちらに国王様が王妃様を連れて近づいて来た。


「タクトとやら、すまないが妻が疲れて体調が

良くない。休ませたいのだが……」


 確かに王妃様の顔色が良くない。さっきまで

夫である国王様が死にかけていたからな。心労は

かなりの物であったであろう。


「すいません、気が利かなくて、まずはお休み

頂ける場所にご案内します。ついて来て下さい」


 俺は国王様達を案内するため歩みだすのだが……


………どこに連れて行こう。マンションの空きはあった

と思うけど、一般住民と王族、貴族が一緒か〜…………

たぶんお互い居心地が良くない。


 う〜ん……他に良い場所がな〜、思いつかん!

これ以上考えて時間がかかるのは良くない。

手っ取り早い方法にするか!


「ルナ、ノルン悪いんだけど国王様と王妃様を先に

連れて行くよ。あとの皆さんに食事の準備をお願い」


「え!?それは良いけど、タクト大丈夫?」


「ん?大丈夫だと思うけど……ノルンは何を心配

しているんだ?」


「だって、ね〜……」

 ノルンの視線はブライアン様とローラン様に

向いている。


 なるほどノルンが言いたいことが分かった。

国王様と王妃様だけを俺が連れて行くのは色々な

意味で問題が起こる可能性があり、この二人は

連れて行くことを許してはくれないと思ったのだ。

ま〜俺もそう思う。


 

「タクトくんそんな顔をしないでくれ。私は君を

疑ってはいない。しかし御二方をお任せするのは

家臣である我々としても許されざることだ。すまないが、

私だけでも連れて行ってもらいたい」


「あ!はい、それは特に問題ありません。

車を準備しますので、それに乗って行きましょう」


 この後、車を出して乗るまでに…いや乗ってからも

色々と驚かれ御二方から質問攻めを受け大変な目に

あったが省略させて貰います。


 ある程度開けた場所に止まり降りてもらった。


「ん?…………タクトくんここには何もないのだが」


「ローラン様、少々お待ち下さい。準備をします」

 

 ローラン様はイマイチ納得していなさそうだが

特に何も言わなかった。

 とにかく早く選ばないと、かといって変な物を

選ばないように注意する。


 俺は悩んだすえ一軒家を選び購入する。

 

 俺は結局面倒事を避けて余分なお金を使ってしまった。

仕方がないまた後で稼ぎに行こう。

 

 ちなみに俺が買ったのは億超えのモダンな豪邸、

内装の広さ、高級感、庭にはプール付きとそこまで

要らないだろと思うほどの良い家だな。ま〜城に

比べればショボいか。


「皆さんお待たせしました。入りましょう」

 

 あ!……車を見せた時と同じ状態で驚いている。

 これはまた説明に時間がかかりそうだな。



 お偉いさんの対応は神経を使う。

そう思い俺は静かにため息を吐いた。


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