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異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り  作者: 鉄馬 メウ


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第248話 偉い人はなんやかんやで面倒くさい


「う〜む……なんと乗り心地が良い乗り物よタクトくんはこのような物を他にも保有しているのかね」


「そうよ!お祖父様、タクトは他にも色々と持っているの!タクトは凄いでしょ〜、もっと褒めてあげて下さいな」


 後部座席からお祖父さんと孫がひたすら褒めて来る。特に孫!促すな!何か恥ずいわ。


 俺達は国王が乗った馬車を車で追いかけていた。

 ローラン様の部下をカンナにお願いして町に回収してもらい、ここには俺以外にルナ、ローラン様、ノルンの四人だけ。



「あ!はいはい、ここで左に曲がる。うん…うん、分かった。しばらくは真っすぐね」


「その筒からイリス様の声が聞こえてるの?」


「そうだよ。これ便利だろ」

 

 俺は耳には細い配管を当てていた。

 イリスなら国王が乗っている馬車の位置が分かるので、イリスの傍に配管を通して糸電話のように情報を聞きつつ車を向かわせていた。


「うん、便利なのは良いけどさ。よくそんなに気軽にイリス様にお話出来るわね。私は無理だよ。顔を合わせただけで緊張して喋れないわよ」


「そう?慣れちゃえば何ともないよ。それに本人は案外気軽に話してほしいと思うんだよね。………うん?あれは……見つかったけどトラブってるな」


 話をしていると馬車が立ち往生していた。見た感じ車輪が破損したみたいだな。でも見つかって良かった。


 車を近くに止めて馬車に近づくと数人の騎士と一人の綺麗な女性が降りてきた。



「あなた達は何者です。こちらに危害を加えるつもりであれば撃ちます」


 女性は氷のつららを数十本発生させ、こちらを威嚇、どうやらボルジア公爵の手の者と勘違いされているみたいだ。


「お待ち下さい王妃、ローランで御座います」

 

「ローラン卿生きていたのですね。良かった」

 

 この女性が王妃様だったか、ローラン様を見て胸を撫で下ろしている。良かった。ローラン様を連れて来なかったら俺達がどれだけ言って説得してもきっと聞き入れなかったと思う。


 

「王妃、国王のご様子はいかがしょうか」


「ローラン……ハドはもうダメかも知れません………うっうっうっうっ……」


 王妃は崩れるように倒れ涙を流す。

 ローラン様は駆け寄り王妃を支えた。

 

 生きていて良かったけど、国王の体調はかなり悪そうだな。急ごう。


 俺は場所に駆け足で向かうと馬車から二人の男が顔を出し出て来た。


「近づくでない下民、ここには我らが王が居られる。それ以上近づけば首をはねるぞ」

 やや体格の良い立派な鎧を着た男が剣をこちらに向ける。


「そうですよ。動かないで下さい。私は殺しが嫌いですが、必要とあらばやりますので」

 高価なローブを着た男がメガネをクイッと上げながら杖をこちらに向ける。

 

 いけね!無闇に近づいて警戒されてしまった。


「待つのだ!ブライアン、アルス」

 

「ローランお前……生きていたのかよ!やっぱあんたは違うぜ!」

 

 立派な鎧を着た男はガシャガシャ音を立ててローラン様の肩を抱く。


「あ〜運良く孫娘達に救われたよ。ブライアンすまないが彼を通してやって来れ」


 ブライアンは驚きの表情に変わる。

 そこにローブの男が声を上げた。


「ローランさん、ちょっと良いかな?どう見ても怪しいよそいつ、魔力を観察させて貰ったけど、感じたことのない性質を持った魔力だよ。悪魔の物とは違うけど警戒するべき対象さ」


 ローブの男は髪を弄りながらキザっぽい仕草で偉そうに言って来た。ローラン様に比べてかなり若いのに偉い方なのか?


「アルス、お前の言いたいことも分かるが、彼らなら国王の毒をなんとか出来るかもしれないのだ」


「はぁ!?こんな下民がボクですら治せない毒を治せるんだって、ふざけないで下さい。彼らはどう見ても聖職者ではない。それにもしも治せるとしたら大魔導師キョウカさんだけだ!」


 アルスと言う男、何故か激怒しているけどなんでだ?意味が分からん。でもキョウカでも治せるのか、なら一応聖女様だけじゃなくってキョウカも呼んでおくか。


「アルス落ち着くのだ。私もまだ理解が追いついておらんが、彼らは聖女様が居る場所に案内してくれると言っているのだ」


「フン!聖女様?言わなくても分かるだろ。聖都マーリンがここからどれだけの距離があると思っているんだよ。偶然でも近くの町に来ているって言うんなら是非とも教えてほしいもんだね!」


 アルスはムスッとした顔でバカにしたように言った。


 この人はきっとエリートでプライドの高いタイプなんだな。こう言う人絡むと面倒くさいし人を見下すからイラッとするんだよな。


「ねえ、何か私に用かしら?今結構忙しいのよ。実はね!マンションの中に幼稚園みたいな育児所を作ろうってラキさんとティアさんとで話をしているのよ!今スッゴク大事なところなの、だからさ〜あんまり面倒事で呼ばないでくれる」


「へーそれは良いな。是非ともやろう」


「ホント!?やったね。タクトには許可取らないとダメだな〜って思ってたんだけど、これで懸念事項も無くなったし、私戻るね!」


「いやいやちょっと待て!何のために呼んだんだよ!慌ててかけらなくても大丈夫だから」

 

 キョウカはウキウキし過ぎて呼んだのに何もせずに帰ろうとしたので慌てて止めた。


 俺達がそんなことをしている後ろでワナワナと肩を震わせている男が一人。


「キョウカ!こんなところで会えるなんて!運命だ!いや、女神様の思し召しかもしれない。さ〜こっちへおいでキョウカ!」


 アルスは手を大きく広げチョコチョコチョコっと足を動かしキョウカに近づいたところで顔面にパンチをくらいひっくり返って倒れた。………なにこれ?

 

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