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異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り  作者: 鉄馬 メウ


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第247話 お祖父様はタジタジ?


「どわぁーー………アタッ!?」

 空中に設置した配管からバカでかい男が出て来て地面に頭から激突、中々痛そうだね。


「クソー一体何が起きた!」

 男はウロウロと周りを見渡し俺を見つける。


「小僧…キサマが何かやったのか」


「そうですよ。あなたとは以前会ったことがありますけど随分と姿が変わりましたね。悪魔に取り憑かれているんですか?」


 う〜ん、今まで見た中でも特に酷い変異だ。悪魔に取り憑かれるとここまで変わってしまうものなのだろうか?


 俺は頭を傾げた。


「ハッハッハ、悪魔だと、そんなものはヤワな精神をした者がなるものよ。俺はそんなヤツらとは違う!」


「ん?それなら何でそんな姿に?」


「それは最強の戦士になる為よ!俺はザガンによって伝説の怪物ネメヤと融合したのだ。その力で人類最強の者となったのだ!」

 男は勢いよく剣を振り下ろし大地を割った。

 うん、確かに凄い力だ。だけどネメヤは知らんし、それに人類最強?……すでに人では無いのでは?


「なんだその顔は!俺をバカにしているのか!」


「いや、そう言う訳ではないけど、バカそうではありますね」


「なんだとーー!」


 おっと失言、ついつい思ったことが声に出てしまった。顔を真っ赤にさせている。だいぶ怒らせてしまった。



「俺をバカにする者は全員死ねー!」

 上段から勢いよく大剣を振り下ろされた。

 このままだと頭から真っ二つになるので手袋(空間障壁)で受け止める。


「なに!?な…なかなかやるではないか、しかしここからが本気だ!」

 グイグイと剣に力を押し込んでいる男、しかしその程度では俺の手袋を突き破ることは出来ない。


 男は諦めず顔を真っ赤にして力を入れていたが、ビクともしていない。しばらく面白がって見ていたけど飽きた。少しは考えて引くことも覚えろよ。


「ハンマー(空間圧縮)』

 

 男は左右から挟まれペッチャンコになった。一応手加減しておいたから、形はそれなりに残っている。………変な顔。


 コイツには後で話を聞きたいからビスで固定してノルンとルナが居る場所に向かった。



「ありゃー………結構派手にやったなノルン」

 着くと周りは火の海、その中央には炎で出来た牢獄があった。中を見ると追いかけて来た騎士が炎で縛られ吊るされていた。この辺はスカーレットさんの影響を受けていそうで怖い。


 ノルンがこちらに向かって走って来た。

 特に怪我は無さそうで安心した。


「あ!戻った。遅かったわねタクト、アイツ思ったより強かったの?」


「ん?ま〜強かったよ。たぶん、ちょっと頭の悪いヤツで思ったよりかは苦戦しなかっよ一応あっちて磔にしておいた」


「そう、良かった。私の方も情報を聞き出さないとって思ったから捕まえておいた。どうよ!私も強くなったでしょ」


 ふふ〜んと胸を張ってノルンは褒めてほしそう。


「何を言ってるのよ!私なら半分の時間で倒せたわ。まだまだ私の方が強いわね」


「ムッ!ルナお姉様こそ何を言われているのかしら〜お母様の地獄の修業を終えた私は以前より数段強くなったの、今やったら私が勝つと思いますわよ」


 二人からメラメラと燃えるような闘気が上がっている。全くコイツらはこんな時まで、ん?……後ろにいるのはローラン様、この方も居られたのか。


 俺は二人の間をあえて通り抜けローラン様に挨拶をする。


「ローラン様ご無沙汰しております」


「君は確か、バロンのところの」


「はい、タクトと申します」

 話をしているとローラン様の後ろで倒れている男の人が見えた。見たからに重傷じゃないか、ルナもノルンも何やってんだよ。早く言えよ!


 はぁ〜文句言ってもしょうがないからさっさと治療するか。


「あの〜ローラン様、そちらに倒れている方の治療を行っても宜しいですか?」


「ん?パルコのことかね。バロンはルナに応急処置をしてもらっている。これだけの怪我ではルナでも精一杯のようでな」


 ルナが話の間に入って来た。


「お祖父様、タクトに任せて下さい。タクトならパルコを完全にに治してくれます。タクトは本当に凄いんですから、お祖父様しっかり見てて下さいね」


「お、あぁ……」


 ルナがやけに強く押すからローラン様がたじろいでいるぞ。別に俺は怪我している部分に絆創膏ばんそうこうを貼るだけなんで見られてもつまらないけどな。


 俺はパルコさんに絆創膏ばんそうこうを貼りながら現状の状況をローラン様から聞いた。


「そうですか、国王様が毒に……そちらも急いだ方が良さそうだ。ローラン様馬車を追いかける方法は何かありますか?」


「いや…ない。行き先も考えながら走っておったからな追いかけるのも少々難しいかもしれん。う〜ん……どうしたものか」


「そうですか、分かりました。ローラン様走って行った方角は分かりますよね。それなら取り敢えずそちらに向かって行きましょう」


 ローラン様の顔を少し渋い顔に変わる。


「タクトくん、そうは言うが馬車を走って追いかける訳にはいかん、どこかで移動手段を確保せねば、どこか近くの町で馬を確保してだな」


「あ〜それは問題ありません」

 ほいっとな!

 ボーン…………お気に入りの4WD車両が現れた。


 ローラン様は目を丸くして見ていた。

 ま〜分からんわな。


「ローラン様、こちらは私が特別に所有している乗り物になります。これに乗って追いかけましょう。ただ部下の皆さんまでは乗れませんので、先に皆様には私の町で休んで頂こうかと思いますが宜しいですか?」


「タクトくん、すまないが、色々と言っている意味が分からない。それが乗り物なのか?それに近くに町があった覚えが………」


 ローラン様を混乱させてしまったかな。

 でもあまり詳しく言っても伝わらないかもしれないから、さっさと町に連れて行くかな。


 そう思っているとルナが気を利かせてくれた。


「お祖父様、タクトの言う通りに致しましょう。大丈夫ですから、町にはバロン様も居られますしちょっど聖女様も居られます。国王の治療も行えます」


「なんと!?聖女様が!なぜその町に!いや、それは良い、何と言うタイミングの良さ。これも女神イリス様のご加護かも知れんな。有難う御座いますイリス様」


 ローラン様は天に向かって祈りを捧げる。確かに今回の件はイリスの情報だから後で直接お礼を言った方がええよ!なんちゃって!


 ん?変なことは考えていると、何故かルナが少し不満げな顔をしていた。


「お祖父様!イリス様にお礼を言うのは良いのですがその前にタクトにお礼を言うべきでは!」


 いかなりルナに怒られてローラン様がタジタジに、ルナ!俺は気にしてないからそれ以上は言うな!ローラン様びっくりし過ぎて顔をメッチャ変な顔をしているから……それからルナがヒートアップ、俺は上手く間に入れず、結局余分な時間を使ってしまった。


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