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第237話 あの世へLet's go①


 俺はラキを救う為準備を進めていた。

 

 彼女を目覚めさせるには教会の子供達の元気な声と亡くなってしまったラキの師匠バネスさんそれに教会の神父様とシスター、この三人の想いを聞かせるのが良いと考えている。


 子供達はなんとかなるとして、バネスさん達をあの世(冥界)からどうやって連れて来るのか?


 そこで使うのが『陰陽道』スキル!


 使える能力は三つ


 冥界への許可

 天界への許可

 視える人(深層)


 この中に冥界への許可とある。

 これはつまり俺はあの世の出入りが可能と考えても良いのだろうか?もしも行けるのであればバネスさん達に会うことができ、連れて来れないにしてもラキへのメッセージを受け取ることが可能だと思っている。


 問題はこのスキルの使い方がはっきりしていないこと、『ツールボックス』スキルと違って情報がまったく入ってこない。これは授けられたスキルだからなのか?はたまた女神ヘカテー様がテキトウだからなのかは分からない。


 まずはこのスキルの使い方を知っていそうな人物に聞いてみよう。



………………▽


「美味しい物がたべたいのだ!」


「はいはい〜今日は甘くて美味しい棒だよ〜ん!」


「何たのだー!甘々なのだ!」


 もう手慣れたもんよ!

 ニキにエクレアを食べさせ頭をナデナデする。

 冥界出身のワンコことニキにこのスキルの使い方を聞いてみることにした。


「ちょっと聞きたいことがあってさ、冥界に行きたいんだけど、どうやって行けば良いのかな?」


「死ねば良いのだ!」

 

 うん!それは知ってる。

 そうだね!今のは俺の説明が良くなかった。

 

「えーっと、なんて言えば良いのかな?以前ヘカテー様から冥界への許可スキルを頂いたんだけど、使い方が分からないんだよ。死なずに行く方法はないのかな?」


「なんだ!そうならそう言えばいいのに、タクトがてっきり死にたくなるほど悩んでいるのかと心配したのだ」


 ニキそんなわけないだろ!

 そしてそう見えていたとしたらショックだよ!


「タクトのそのスキルがあれば以前潜ったダンジョンの確かヘルガーデン?の100階層の門から入れるのだ!」


 あ〜思い出した……あれね!確かにいかにもって感じの禍々しい雰囲気があった門だ!

 良し!あそこなら以前行ったことがあるから配管で空間転移が可能だ!


 俺はニキに礼を言って行こうとするとニキに止められた。


「タクト冥界に行くつもりなら注意しておくのだ!生きている者が行くと襲われるのだ!」


 はぁ?……なんですって!?


「冥界には基本的に死者しか居ないのだ!もしも生きている者が居たら死霊は命を奪いに来るのだ!超危険なのだ!気をつけるのだ!」


 ニキさん怖いことを言わないでよ〜。

 でも正直助かったのかも、もしも知らずに行ったら……


「ニキ!それはすごく怖い!なんとかならないか?」


「のだ〜……本当は俺がついて行けば安心なのだ!

でも……」


 おー確かにそれなら良いかも!

 でもニキが非常に行きたくなさそう。なんでだ?


「冥界に行くとヘル姉に捕まってボコボコにされるのだ!死霊よりも百万倍怖いのだ!」


 ワナワナと頭を抱えて震え上がるニキ、気持ちは分かる。俺も一度対峙して死ぬかと思った。


「そもそもなんで冥界に行きたいのだ?あんなところ陰気臭いし美味しい物もないのだ!」


 うん、ニキとしてはそんなんだろうけど、そもそも冥界(あの世)に行きたいヤツはいないと思う。

 

 う〜ん……どうもニキと上手く話が合わない。


「そうだな。慌てずニキにも詳しく説明して話を進めた方が良さそうだな」


 俺はラキを助けるために動いており、その経緯についても話をした。


「なるほどなのだ!俺も手伝うのだ!」


「おう!ニキ助かるよ」


……………▽


 一度仕切り直しニキとお菓子をハムハム

 ……バームクーヘンは美味い。


「内容は分かったのだ!う〜ん……少し思うところがあるのだ!その者達は酷い目にあってきっとそのラキと言う子の心配をしていると思うのだ。そうなるとそもそも冥界(あの世)には行ってないかもしれないのだ!」


「それってつまり未練があって冥界(あの世)に行けないってことか?」


「そうなのだ!」


 そうかニキ言う通りで、もしもそうなら教会の周辺にいるかも知れない。それなら俺が冥界(あの世)に行かなくてすむ。まずはその可能性を確認した方が死なずにすむ。


「ニキ悪いんだけど一緒に来てくれるか?」


「暇だから行けるのだ!」


 うん!だと思った!

 俺はニキを連れてくだんの教会へと向かった。

 

…………▽

 

「いない………」

 教会に着くとニキと周りをくまなく見廻ったが、残念な事に幽霊の気配を感じない。どうやら成仏してしまったようだ………ガッカリ……


「さてどうしたもんか、やっぱり冥界(あの世)に行かないとダメか、仕方ない」


「待つのだ!ここには居ないが、狭間にいるかも知れんのだ?」


「狭間?……あ〜あの真っ暗のところか」

 以前死の商人に殺されて送られた場所、以前ニキに聞いたことがあるけど死者の通り道、そうか、もしかしたらそこをまだ彷徨っているかも。


「ニキどうやって探すんだ?あの中なんも見えなかったぞ!それに間違えたらて変な方向に行ったら冥界(あの世)行きじゃないのか?」


「そうなのだ!」

 そうなのだ!じゃねぇ!と言いたいが、冥界(あの世)に行くよりかはマシか。でもバネスさんをあの中から見つける?………まず無理だ!


「タクト……その死んだ三人の匂いがついている物が欲しいのだ!」


 俺は「ハッ」と驚く!

 そうかその手があったか!ニキに匂いで追ってもらえば……良し!それは行ける!


 俺は教会の中を探し神父様とシスターの使っていたと思われる物を見つけ、バネスさんの遺品をルナに聞いて探してもらうことにした。


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