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第235話  カンナはドラ◯もん程優しくはない


 聖都の住民を配管を通して空間転移、魔力の消費は少なかっただけで数万人の移動には相当時間がかかった。


 マンションへ移動、町のみんなとルナ達聖騎士団に案内され部屋を割れ振られる。


 俺は地の精霊の力を借りて、テーブルと椅子を作り、そこで聖女様、ティア、教皇のおっさんとお茶をしながら見ていた。


「タクトくん、あなたって本当に素晴らしい人だわ。惚れちゃいそうです」

 しわがれたおばあちゃんが頬を赤く染めてヤンヤンしてる。どう反応して良いのか困る。


「母ちゃんなに言ってるんだよ!いい歳して可愛いくないぞ」


 聖女様はムスッとした顔をして教皇のおっさんを見ると無言で耳を引っ張った。


「いてて、母ちゃん許してくれよ〜」

 何か言おうかと思ったけど教皇のおっさんと同じ運命が見えたので黙っておいた。


 聖女様と教皇のおっさんがじゃれあっているとティアが頭を下げる。


「タクトさん本当にありがとう。この様な家まで準備して頂き感謝の念に堪えません」


「ティアさんいいよいいよ。困った時はお互い様って事で、これからは同じ町の住民として仲良くやりましょう」


「はい!こちらこそ宜しくお願いします。でもそれで宜しいのですか?ここまでやって頂いて、流石にこちらが良くして頂き過ぎのような」


「ティア良いのよ!これからじっくりと恩返しすれば、タクトくんこれからも末永く宜しくね!」

 

 聖女様このまま住み着く気じゃないだろうな。


 ティアはニコリと笑い、すぐに顔を曇らせる。


「住民の皆はこれで大丈夫ですね。あとはラキさんが目を覚ましてくれたら……あ!?すいません」

 

 ティアは少し安心してつい心の声が漏れてしまったのだろう。


「ティア良いのよ。むしろごめんなさいね。私が力不足のばかりに……」


 聖女様は苦しそうな顔をしている。

 う〜ん……俺に何か出来ないかな?


「あの〜ラキさんは今どちらに?」


「ラキはマンションの一室で寝かせています。今頃はルナが診ていると思います」


「そうですか、ならちょっと行ってきます」


………▽


「コンコン」ドアをノックすると中からルナの声がした。俺は名乗り部屋に入る。


「タクト……来てくれたの」

「うん、お疲れ……ラキさんはどうかな」

 ルナは左右に首を振る。

「目を覚まさないの、私どうしたら良いの!」

 ルナは自分の不甲斐なさで助けられないことに心を深く傷つけていた。俺はルナを優しく抱き締め「大丈夫だよ!ルナはラキさんに着いていてあげて」と言って離れる。

 ラキさんを見るとただ寝ている様に見える。だけどあれから一度も起きていないそうだ。心が生きることを拒絶しているのか?


「さて……どうしたものか、助けるには生きる希望を与える必要がある訳で、ラキさんと初対面のボクがそれが何なのかは……分からないよな」


 彼女がなぜ悪魔に取り憑かれたのか、それはティアさんに聞いたけど、その情報では助けられない。やはり彼女自身に聞かないと分かんねぇよ!


「困った時はウチにお任せやでぇ!」

 ポーンっと突然カンナ現れる。


「カンナ……ここ最近お前ドラ◯もんキャラ位置でも狙ってるのか?」


「えぇ!?それはひどいやん!せっかくタクトの為に出て来たのにさ」

 カンナは可愛く口を尖らせて拗ねる。


「カンナ、ごめんごめんそんなつもりで言った訳じゃないんだ。助かるよ!それで何か良い方法でも?」


「なんや!調子ええな〜、せやけどウチはタクトの為に動く!そやからちゃんと感謝してや!」


「あ〜もちろんだよ!」

 俺はカンナの頭をヨシヨシと撫でる。

 満面の笑みで満足したカンナは説明してくれた。


「えぇか、よ〜聞き。使うスキルはメガネと配管それと陰陽道や!」


 はて?どう使うんだ?

 

「なんやその顔をちーとも分かっとらんって顔しとるな〜、教えてやってもえぇんやけど、そもそもこれはウチの考えで上手くいくとはかぎらへん!せやからタクト自身も、よ〜考えんとアカン」


 なるほど、ドラ◯もん程優しくはないと、と言うのは冗談でカンナは意外とちゃんとしている。それじゃ〜俺なりの考えで進めるとしますか。まだなんも考えてないけど………


 それからしばらく部屋で悩み考える。

 そしてカンナがしようとしていたことに思いあたる。


 なるほど、その手があったか、でも難しいことの連続に加え、不確定要素が多過ぎる。ここは時間を惜しまず丁寧に進めるか。


「ルナ悪いんだけどしばらくラキさんと二人にしてくれないか?」


「え!?それは……なんでか聞いても良い?」


「詳しくは話せない。ただラキさんを救う為にしたいことがあるんだ。協力してほしい」


 ルナはすぐにドアのノブに手をかける。


「分かったわ!私はタクトを信じてるから、何かあったらいつでも声をかけてね!」


 ルナは部屋から出て行った。


「さて……始めるか」

 俺はメガネを取り出しかける。


…………………………………………………………………


名称∶メガネ ※能力向上

分類∶装身具

属性∶時空間

性能∶時空間把握により過去の出来事を遡り見る

   ことが出来る

   制限は四十八時間前まで ※制限解除

new! 魔力に応じて遡れる時間増加


…………………………………………………………………


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