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第226話 盗人共を追いかけろ!


「剣さんの友達がここに居たのか?」


「うん!そうなの悪いヤツが持ってちゃったみたいなの!早く行かないと逃げられちゃうなの〜」


 一体どう言うことだ?


「タクトくん、アイリスが持っている聖剣エクスダインの隣にはエクスダーマと言う聖なる盾が置かれておりました。恐らくそれのことかと」


「なるほど、ボクちょっと勘違いしていましたよ。友達と言うから人かと、考えてみれば剣さんの友達なんだから人とは限りませんもんね。名前も似てます

し、その盾が可能性は高そうです。それにここにあったはずのお宝、たぶん剣さんの友達と一緒に盗ませたんですよ!アイリスの言う通り早く探さないと!」


 そう言ったはいいが、どうやって探そうか、盗まれたのはいつだ?すでにかなりの時間が経っているならもうこの近くには居ないかも知れない。


「タクトタクト」

 チョンチョンと腰の辺りの服をアイリスが引っ張る。


「ん?どうした。剣さんのお友達はボクが探すから大丈夫だよ!それにお宝がないと資金が足りないしな。ただ今どこにいるのか、誰か探索スキルを持っている人とか居ないかな〜?」


 俺が困っているのを分かってくれたアイリスは「ワタシに任してなの!」と嬉しそうに笑う。


「うん!カワイイなアイリスは、それでどうやって探すんだ?」

 俺はアイリスの頭をナデナデするとさらに嬉しそうにする。う〜んカワイイ!


「うん!けんちゃんが分かるって言ってるなの。でもね。だんだん離れて行ってるから感知範囲から外れると追えないなの!」


 良し!追えるなら急ごう!


 教皇のおっさんを見るとかなり怒っていた。


「やってくれたわ!恐らく今回の事件に合わせて盗みに入られたか、状況からゼーラントの野郎が絡んでおるのう〜、くそ〜殴ってやりたいところではあるが当人はすでに亡くなっているからのう〜」


 教皇のおっさんが言ってる通りだとして、ゼーラントは居ない、他にも裏切り者が居るのかも?


「あの〜教皇様、アイリスが盗人達の位置が分かるそうです。今からボクはアイリスと共に追いたいと思います」


「なに!?ならば俺も行こう」


「え!?いや!それはダメですよね〜」

 俺は聖女様の方をチラッと見る。


「そうですね。………いえ、教皇にも行ってもらいましょう」


 聖女様なぜに……

 教皇様ですよ!ちょっとアレなところはあるけれど、イリス教のトップの方ですよ!たかだか盗賊を捕まえるのに行かせないでしょ〜


「今回の事件、教皇はほとんど役に立ていません」


「えー母ちゃん酷いでしょ」 

 教皇のおっさん、聖女様にバッサリ言われショックでふらついている。確かに言い方キッツー。


「酷い?そうですか、では行くのをやめますか?」


「いえ!行かせて頂きます聖女様」


「うむ!宜しい。ではタクトくんとアイリスと共に行ってらっしゃい」


 何かおかしなことになった。

 美少女と厳ついおっさんを連れて盗賊を追うことになってしまった。ちょっと疲れそう〜…ガックリ…


『いでよ!ラ◯クル』

 ボンっと高級SUV車が現れる。


「ヌォーーこれは何だぁ!」

「すごいなの〜カッコいいなの〜」


 うーん気持ちいね〜良いリアクションです。

 教皇のおっさんは顔と全身で感情を表現し、アイリスはワイワイと手を挙げてはしゃいでいる。


 この瞬間が堪らなく好き!

 ちょっとした優越感ってヤツ!


「それじゃ〜野郎共行くぞー!」


「オーー」

「お〜なの〜」

 俺は調子に乗って掛け声をあげたらノッてくれた。

 この二人…ノリが良いぜ!


…………▽


「お〜これは凄まじく乗り心地が良い!」

 ガッハッハと我が物顔で後部座席に座っている教皇のおっさんはさっきから煩くて仕方がない。追い出したくなってきたぞ!

 それに対してアイリスは助手席でちょこんと静かに座り楽しそうに景色を見ていた。


「剣さん、この方向で良いかな?違ったら教えて」

 事故らない様にしっかりと前を見ながら声をかける。(ま〜周辺には何もないけどね)


「そのままで良い。正しいもう少し急いだ方が良い。さっきまで止まっていたが、また動き出した。動きから馬車に乗っていると思うのだが……思いのほか速い、普通の馬ではないかも知れん」


「そうか、それなら急ぐよ」

 アクセルを踏み込みラ◯クルはさらに加速する。


…………▽


「お!あれだな」


 前方に馬車が3台走っている。土煙を飛ばしながらかなりの速度で、かなり怪しくから間違いないと思うけど確認はしておくかな。


「剣さん、友達が乗っている馬車って、前にいる馬車かな?」


「間違いないぞ!ダーマちゃんはそこにいる」


 よし見つけたぜ!

 さてどう攻めるかな?


 俺はハンドルを片手に頬に手を当て考えていると、後ろから「ガチャッ」と音がした。

 

「うおぉぉぉぉーー」

 

 教皇のおっさんがスゲー速さで車と並走して走ってる。…………何やってるんだおっさん!?

 

 

「うわぁぁ〜!何だこのおっさん!?どこから来やがる」

 教皇のおっさんは馬車に走って追いつくと、勢いそのままに馬車に飛びつき突っ込んで行った。


「ハッハッハッ、もう逃がさんぞ!」


「何だこのおっさん!ふざけんじゃねぇ〜」

「誰だか知らんが殺す」


 おっさん!勝手なことすんなー!

 

 どうやらおっさんは敵と遭遇している。ま〜当たり前か敵が居る馬車の中に入って行ったんだからな。


 俺は少し呆れていた。


「だぁー!このおっさん強いぞ!」

 

「ぐぁー」だの「だあ〜」だの声が聞こえると、盗人共が馬車から吹き飛ばされて来た。たぶんおっさんに殴り飛ばされたんだろう。


「流石騒ぎ過ぎだわな」

 残り2台の馬車が止まり中から盗人共が出て来た。盗人は10人チョイか、……ん?一人だけ周りの者と服装が違う。コイツはイリス教の聖職者じゃないか?


「ガチャッ」……ん?また音が、今度は横から……

「ワタシも行くなの!」

 はぁ?……なぬ〜!?

「コラ!待てアイリスー」

 ちょっと考えごとをしている隙にアイリスがドアを開けて外に飛び出して行ってしまった。

  

 アイリスは立ちはだかる二人を一太刀で倒しさらに前へと進む。


「なの!」

 カワイイ掛け声で振った剣でさらに一人、そして近くのもう一人に斬りかかると、今度は防がれてしまう。

 

「なの?」

 アイリスは剣を弾かれると距離を取る。

 

「フッ、ガキが調子に乗るな」

 

 ん?アレはもしかして支援魔法。

 さっきまでアッサリと倒していたから大したことのない奴らかと思ったら、動きが速くなったうえに力も増したようだ。それをやったのが一番後ろにいる聖職者の男か……ちょっと面倒だな。


 アイリスも負けてはいないが、いくぶんか力不足で押しきれないか、これは俺も手伝うかな。


 俺はハンマーを片手に振り上げると、盗人共が吹き飛んだ。俺はまだハンマーを振ってないぞ。


「オラオラもっと来いやー!気合だ!気合を入れろ!」

 

 おい!何でここにおっさんが?

 おっさんが戦っていた馬車の盗人は?


……全員ぶっ倒れている。もう殺ったのか?


「オラオラオラオラオラオラー」

 おっさんは支援で強化されたことなど、まったく関係ないと言わんばかりに残りの盗人共を千切っては投げ!千切って投げ!と難なく倒していく。


 残ったのはただ一人、他の奴と明らかに格好が違う男、コイツが盗人共のリーダーで良いよな。


「なぜ!?こんなところに教皇様が居るんだ!」

 男は酷く動揺していた。


「おう!それはこっちのセリフだ!ゼラフ、お前ここで何をしている!」

 

 どうやら教皇のおっさんはこの男の知っているようだな。


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