表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

199/443

第199話 ゼーラント大司教の裏切り


◆ルナの視点


「想定外でした。まだ生きていましたか」


 ゆっくりとした足取りで雑木林から出て来たのは水の勇者ネロ、しかし始めにあった時と違い青の鎧を着けておらず服も所々破れていた。


「クォーク引き上げます。準備をして下さい」

 なぜか分からないけど水の勇者からは一切覇気を感じられない。それに引き上げる?どう言うこと?


「待ちやがれ!逃げるつもりか!」

 アポロンがくってかかる。

 アポロン…気持ちは分かるけど、現状形勢はこちらが不利な状況、冷静に考えれば引いてくれるのならそちらの方が良い。


「煩いですよクソガキ。今はあなたに構ってやる気分ではありません。失せなさい」


「なんだとぉー!」

 突っ込んで行こうとするアポロンを私は肩を掴んで止める。


「我慢してアポロン、目的を見失わないで」

 アポロンはその言葉にぐっと動きを止めた。

 そう、私達の目的は光石結界を妨害している何かの排除、そしてそれはきっと今私達の目の前にある装置、何としても早く止めなければいけない。


「ネロ大佐宜しいのですか?」

 

「構いません、足止めとしては十分な時間が稼げました。聖都にスタンピードは到達しているでしょう。装置に関しても十分データは取れています」


「分かりました」

 クォークは部下達に指示を出す。



「それでは我々はここで引かせて頂きます。あ!そうです。イグニスに一つ伝言をお願いします。僕が正しいことをいつかあなたに証明して見せますと、それでは失礼します」


 ネロと兵士達は突然発生した濃霧に隠れていなくなった。



「気配は………ない」

 本当に去ったようね。随分と潔かったけど、今はそんなことを考えてる暇はないわ。


「ぐっ……」

 アポロンは膝をつく。

 

「アポロン、あなたはここで待っていなさい。その傷で動くのは命に関わる」


 アポロンの傷は致命傷では無いものの、浅い傷ではない。それに血を流し過ぎた。これ以上は無理させるべきではない。


「くそ〜……また俺は役立たずかよ!」

 アポロンは地面に拳を叩きつけ悔しがる。


「そんなことないわ。アポロンが居なければ私はとっくに死んでいまわ。ありがとう」

 私は正直な気持ちを伝える。


「ルナさんはそう言ってくれるのか……………そうだな満足は出来ないけど、少しでも役に立てたのなら良かったぜ!今度はもっとマシなおとこに……」

 アポロンは力尽きて倒れた。

 様子をみたけど大丈夫!気を失っただけ。


 私は聖なる気 (魔力)を遮っていると思われる装置を確認した。


 これは……

 装置は予想通り聖なる気 (魔力)を吸い取っているんだけど、定期的に魔力が上下している?…………違う!魔力をどこかに飛ばしているのね!一体どこに………ダメ!考えてもそれは私には分からない。


「まずはこれを壊して光石結界を復活させる」


 魔力を剣に込めて斬り裂く

『シャイニングソード』

 装置は真っ二つに斬れ、聖なる気が正常に山を流れて行った。


「装置は壊したけど………光石結界を張れるだけの魔力が山を降りるにはまだ時間がかかる。でもこれも私ではどうにもならないわね。だから今は私が出来ることをしょう」

 


 ルナ達のお陰でこの1時間後に光石結界を張ることが出来たのだが、すでに魔物は聖都内に侵入していた。


……………▽


『皆さん、そのままの状態維持して下さい。結界は完成しました。魔物は聖都内に侵入されても、この結界であれば対応は可能でしょう』


 大聖堂を中心とした避難区域に結界を張ることが出来た。維持には常に魔力の供給が不可欠ではあるが、事前に魔力の供給源として魔石を準備しているので結界を張ったあとはしばらくは何もしなくても維持出来る。


「聖女様お疲れ様です。お身体は大丈夫でしょうか?」


 ラキは水が入ったコップを持ってやって来る。


「ありがとうラキ、頂くわ」

 聖女は一口水をの水一息つく。


 周りの人達にはアイリスとティアが廻って水を渡しに行っている。


「ラキ、状況はどうかしら?」


「はい、聖都内に魔物が多数侵入されたことが確認させています。ですがヴォルフ団長引きいる聖騎士団が対応中、均衡は保たれております。結界に到達した魔物はおりません」


「分かりました。それではこのまま休息をとりながら様子を見ましょう」


 聖女とラキが話をしているとゼーラント大司教がやって来る。


「聖女様…お話があるのですが、宜しいか?」


「どうされたのです?ゼーラント大司教」

 

「お願いがあるのです。結界を解いて頂けないでしょうか」


 聖女の表情が変わる。


「それは、どういう意味でしょうかゼーラント大司教、それがどの様な状況を招くか分かっての発言ですか?」


 ゼーラント大司教はニヤリと笑い、指を鳴らすと悲鳴が響いた。

 

 その先を見た聖女達は驚く。


「何をしているのですか!?ヒューム」

 第三師団団長ヒュームが司教の一人を斬り殺していた。彼の部下達も驚き戸惑っていた。


 ヒュームは一言「邪魔なので」と答えると、一瞬で部下達を斬る。


「止めなさい!ヒューム、あなたは何をしているのか分かっているのてすか!」


 ティアが光弾をショットガンの様に放つ。

 光弾は地面に当たり土煙がたち、その中を駆け抜けヒュームは接近、ティアを蹴り飛ばすとそのままの勢いで聖女に向かって剣を抜く。


「聖女様私の後ろに!」

 それを察知したラキは聖女を守る為にの前に出る。


 血塗られた刃がラキに迫る。

 しかし刃は小さな少女によって防がれた。


「ラキお姉ちゃんをイジメるなぁなの!」

 

 キーン……ヒュームの剣を止めたのはアイリス。

 聖剣エクスダインと共に悪者をやっつけるなの!


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ