表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

189/443

第189話 私はタクトを信じる。だからタクトも 私を信じて!


 宝物庫から出たあと皆を招集し、先程あった内容を皆に伝えた。


「そんなゼーラント大司教が…………なんてことだ」

 ルナは悔しがる様に堪えていた。

 

 同じ志を持っていたはずの同士の裏切り、ルナは悔しく思っているのだろう。


「許せねぇー!大司教と言う責任ある立場でそんな恐ろしいことを考えるなんて、女神様に代わって俺が天誅を下してやるぜ!」


「アポロン落ち着け……拳を下ろせよ」

 怒りに耐えられず拳を机に落とそうとしていたので急いで止める。


「あぁ…すまないタクト」


「気にすんなアポロン、ボクも今回のことには苛立ちを感じている。聖職者でありながら人の命をここまで軽く扱うなんて許せないよな」


「それでどうする!ヤツらが動くのは俺達……いや俺が霊峰ラムラに向かったタイミングだろ。それならいっそ行くのを止めるか」


「それはダメだろな、イグニスが行かなければ光石結界はいずれ使用できなくなる。そうなればこの町の守りが不十分になりスタンピードに耐えられないかもしれない。だから行かない選択肢は選べないし、あまり遅くなるわけにも行かない」


「じゃ〜どうするよ。俺はタクトに従うからあとは考えてくれよな」


 イグニスは面倒くさそうに頭の上に手を置く。


「分かった。ただ面倒なことになるのは間違いないから頑張ってもらうぞイグニス」


「ヘイヘイ分かりましたよ!」

 空返事をしているがイグニスはキッチリと仕事はしてくれるだろう。


「それじゃ〜ザックリだけど作戦をみんなに伝えるけど、さっきも言った通り相手の動きが全て分かっているわけじゃない。恐らくそれぞれの判断で動くことを強いられることになると思う。そのうえで話す。作戦は動きは三つ、イグニスとアポロン、ルナこの3人でラムラの調査をしてくれ、予定ではルナの部隊も同行してもらうはずだったけど、出来る限り水の勇者に気づかれない為に少数で移動して原因を取り除いて欲しい。それで俺はスタンピードを止める!」


「タクト何を言っているのてすか!?まさか1人で行くつもりですか!ダメです!無謀過ぎます。あなたの強さは知っていますが、これは戦争です!人1人の力でどうにかなるものではありません」


 ルナがグワッと勢い良く立ち上がり、激怒するような勢いで俺を掴み止めに来た。


「お…落ち着いてルナ、大丈夫だから、何も1人で倒そうと思っているわけじゃない。なんて言ったら良いのかな。その〜時間稼ぎをするんだ!」


「時間稼ぎ?つまり魔物の注意を引き町へ行かないようにすると言うこと」


「うん!そうだね。だけど恐らくは上手くは行かない。減らすことは出来ても大部分は町へ行ってしまう。だからルナ達がラムラの問題を解決するまでの時間稼ぎ」


 俺はニッと笑って愛想よく質問に答えたのに、ルナの顔は相変わらず険しい。


「タクト……それ本当に分かってるの、そもそも1人でスタンピードに手を出すのが自殺行為なんだよ!私は心配なの」

 

 ルナの顔は俺を心配して……悪いことをしたな。


「ルナ心配させてすまない。だけどこれは誰かがやらないといけないことだから」


「それなら私から他の団長に応援を頼むわ!」


「それは止めてほしい。無用な死者を出したくない。ボク1人の方が動きやすいんだ!頼む行かせてくれルナ!」


 俺は頭を下げ、そしてルナの目をしっかりと真正面から見た。ルナは何かを諦めたようなため息をして、「良し」と言って気合を入れる。


「分かった!私はタクトを信じる。だからタクトも私を信じて待ってて!すぐにラムラの件を解決して駆けつけるから!」


「うん!ルナありがとう」

 

 なんとかルナの説得が出来た。だけど他の二人はいいのかな?


「あの〜イグニスとアポロンはボクに

何か言うことはないの?」


「ん?あ〜頑張れよ!タクト、無理はすんなよ」

 イグニスはかる〜い応援コメント。


「ん?言うだけ無駄だろ!タクトはこう言うことに関しては昔から意外と頑固だから、な〜に心配してないから頑張れよ」

 幼馴染ゆえのコメント、俺ってそんなに頑固だったけな〜?


「あ……そう、ま〜いっか、それで最後だけど、ラムラの件が解決すれば光石結界が維持出来る。それならスタンピードを防げるはずだ!そうしたらみんなで急いで町へ戻ろう。ボクの予想だけどゼーラント大司教の狙いは教皇だと思う」


「それはゼーラント大司教が教皇の座を狙っていると言うことですか?」


「うん。でもこれはただの予想、町を襲わせることだけが目的とは思えないから、町が魔物に襲われているのを利用して教皇を亡き者がにしようとしているんじゃないかな〜、ま〜予想なんだけどさ」


「はい……私としても腑に落ちないように感じてます。他に何かあると……」



「そうなんだ、分からないからかな?ずごくモヤモヤする」


 すごく嫌な予感がする。それに何か見落としている様な気が……なんだろう?


「タクトもしものことを考えて教皇様にはアーチ達を護衛に付けます。それで作戦の決行は?」


「準備が出来次第、ボクはこの後すぐに向かうつもりだ」


「分かりました!タクト……ご武運を……」

 ルナは俺を見て女神に祈りを捧げた。


 俺はルナ達に見送られてスタンピードを止めに向かう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ