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第187話 伝説の剣さん


「あの〜お断りします」


「なぜだ!?我は聖剣エクスダインだぞ!伝説の聖剣でとーっても名誉なことなんだぞ」


 伝説の聖剣様(仮)は驚いた後お怒りのご様子、しかしな〜気持ちとしては伝説の聖剣とか言われると、俺としてもほしいのだけど、たぶんダメだろうな〜


「良いか!我を扱った者は例外なく英雄と言われ賞賛されているのだぞ!こんな大チャンス一生に一度としてないのだぞ!」


 伝説の聖剣様(仮)は必死だ。別に俺なんかじゃなくても、そんなすごい聖剣なら使いたいヤツなんていくらでもいるはず。


「あの〜ボクでなくても良いのではないでしょうか?それに大変失礼なことで申し訳ないんですけど、エクスダインさんのことをボクは知りません。正直怪しいです。実は呪いの剣とかだったら困るんですよ」


「はぁーー!?ふざけるな!我は聖剣エクスダインだぞ!なぜ知らん!お前は頭が沸いているのか?」


 ものすごく怒らせてしまった。伝説の聖剣様(仮)に謝らないと。


「あの〜失礼なことを言ってすいません。今まで喋る剣とは出会ったことがなかったので、一応エクスダインさんからは聖なる気配は感じるので大丈夫だとは思うんですけどどうしても不安なんですよ」


「なんと弱気な!嘆かわしい!それでもお前は女神の使徒なのか!我を扱うのであれば、そんなことでは困るな!」


「あれ?ボクが女神の使徒なんて良く分かりましたね」


「当たり前だ!我を扱う者は女神の使徒もしくはそれに準ずる力を持つ者のみ、さ〜もうよいであろう。我を手に持ち抜くのだ!」


 ん〜仕方ないな〜

 俺は聖剣を手に持ち鞘から抜こうとする。


「そうだ!それでよ……えーーー!?」

 伝説の聖剣様(仮)がビックリして大声で叫ぶ。


 ま〜そうなると思っていたけど、やったなカンナ。


 カンナは俺から聖剣を取り上げ剣を鞘の中に収めた。


「タクトにはウチがいるから、あんたは要らへんのや!その辺で次の人でも待っとけや!」


「ガンッ」と勢い良く元の場所に聖剣を戻した。


「おい!コラー小娘!我を誰だと思っておる!聖剣エクスダインだぞ!どう言うつもりだ!」


「煩いはボケ!タクトにはウチがいるから、お前なんて要らへんって言ったんや!な〜まさかウチのこと捨てたりせ〜へんやろうな〜」


 カンナはうるうるとした目つきで心配そうに見上げて来る。


「はぁ〜全く、当たり前だろ!ボクの相棒はカンナだ!捨てたりするわけないだろ」


「わあぁーーんタクト信じとったでぇー!」

 

 想定はしていたけど、想像以上にカンナは心配していたようだな。そんなことはするわけないのに以外と心配性だな。


「悪いな!エクスダイン、俺にはカンナが居る。だから他を渡ってくれ」


 伝説の聖剣様(仮)は別に悪くはない。本当に俺のことを思って言ってくれているはず、だけど、それを踏まえてもカンナに泣かれるようなことはしたくない。


「この大馬鹿者が、そんな悠長なことを言っている余裕などない。恐らくこの聖都に悪魔が侵入して居る。しかも相当な強さを持った者だ。良いか時間がないのだ!この世界の平和のためにもそんなワガママを言っている場合か!」


「マジかよ!悪魔がこの聖都に……いる?あり得ないだろ!」


「いや居る。必ず居る。我がスキル

『悪意を見通す目』は悪魔に魅入られた者を見抜く。僅かな気配ではあるが何度も感じておる」

 

「あの〜剣さんのどこに目が?」


「アホーどうでも良いところに突っ込むな!剣に目があるわけなかろう!スキルじゃ!ボケ」


 おう!?ちょっとボケたつもりが、剣さんの逆鱗に触れてしまったようだ。失敗、失敗。


「う〜んでも、ごめんな。俺にはカンナが居るから、他の人を当たってくれる。もし良かったら紹介するからさ」


 凄腕剣士には心当たりがたくさんある。バロンさんだろ、ルナやノルンだって良いかもしれない。


「はぁ〜まだバカなことを、さっきも言ったが我を扱えるのは限られた者なのだ、そんな簡単に見つかるか!」


 ま〜ごもっともな意見ではあるけど、案外イリスに頼めばなんとでもなるように思える。


「わーい!それじゃ〜ワタシが使ってあげるなの」

 アイリスがパッと剣さんを取り剣を構える。突然のことに俺も剣さんもびっくり!?


「アイリス止めなさい!刃物で遊んではいけません!」


「おい!幼子よ!おぬしでは我は扱えん止めなさい」


 アイリスは二人の制止を聞かず、剣さんことエクスダインを抜いた。


 シュッ…シュッシュッ…シュッシュッシュッシュッ。

 目にも止まらぬ速さで華麗な剣捌きを見せる。


「はぁー!?………」

 俺はアゴが外れる勢いで驚き、剣さんは驚きのあまり言葉が出てない。


「わーい!この剣とっても使いやすいなのー!いっぱい斬って遊ぶなの〜」


 目の前の現実についていけない。

 アイリスは凄腕の剣士なのか?そもそもこんな小さな女の子が剣なんか振れるかー!


「ねぇねぇ!タクト、これワタシが貰ってもい〜い」 

 アイリスは剣が欲しいと可愛くおねだりする。

 そんなことされたらもちろん……


「良いぞ!大切にするんだぞ!」


「うん!ありがとうなのタクト〜」


「わーい」と嬉しそうバンザイしているアイリスはカワイイな〜


「おい!待て我は断るぞ!こんな小さな娘に剣を持たせるなんて虐待だー!」


 剣さんはわーわーと抗議していたけど俺は認めません!


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