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第180話 この安全靴は安全だけど安心感はない


 騎士達は倒れた後白い煙となって消えた。


「…………あれ?しまった!?やっちまったか」

 出来るだけではあるけどコイツらは倒してはいけない……だったか。


 あちゃ〜と反省していると「ドンッ」と後ろから誰かがぶつかって抱き締められた。


「キャーカッコいいよ!タクト、今の奴らを簡単に倒すなんて信じられな〜い」

 ルナさん……キャラが崩壊しかかってるよ。


「あの〜ルナ、ごめんな、騎士達全員倒しちゃった」

 

「うう〜ん!別に良いわよ!」

 ルナは怒っていなかった。


「あれ?でも倒したらダメなんだろ。聖なる山を守るガーディアンだって……」


「うん!そうだよ!でもそのうち再生するはず

だから問題ないわよ!」


「え!?そうなの?それなら……」


「一応神聖な者達よ!出来る限り倒すのは良くないってだけ、もしも気になるなら後でイリス様に謝りましょう!ここの管理はイリス様なんだから」


 な〜んだ、それならあんまり気にしなくて良かったのね。ま〜イリスなら気にしないだろ。


「どや!安全靴の使い心地は?」

 ひょっこりとカンナが現れた。


「使い心地ね〜………一言で言えば怖いだな!これは今のところあまり使いたくない。でも使わないと慣れたいだろうな」


「せやな!安全靴の効果はデカいんやけど、条件がキツイやんな!」


「そうなんだよ。問題は二つ、一つは発動には動かないで止まること、二つ目は効果範囲だ。身体の周辺10センチメートルって、そこまで攻撃を我慢して見てないといけない。鋭い斬れ味の剣が目の前に通るんだぞ!こえ〜よ!」


「そんな涙目で言われてもしゃあないやろ、そう言う道具やねんから、諦めろや」


「なんか言い方キツイな〜カンナ、どうにかならないのか?」


「ならへんな〜、ウチのレベルでも上げれば可能性はあるやろうけど」


「なるほどツールボックスのレベルか〜、その可能性ならあるな。しばらくは我慢して使うか」


「せやで!道具は大切にや、嫌ったらアカンで!」


…………………………………………………………

名称∶安全靴

分類∶保護具

属性∶空間(転移)

攻撃力∶☓☓☓☓☓

性能∶足を止めている間だけ

   攻撃を全て空間転移で反射させ身を守る。

   空間転移の範囲効果は自身の周り

   10センチメートルであるが、止めって

   いる時間に比例して広がる。

…………………………………………………………



「たくよ〜タクトのユニークスキルは反則級だな!スゲ〜スゲ〜」


 ガシッとイグニスが肩を組んでくる。

 俺はおっさんとくっつく趣味はねぇ〜よ!と思いつつ、イグニスの言葉を否定した。


「そんなことないですよ。特にイグニスには言われたくないな」


 イグニスは言った意味が分かっていないのか、それとも気にしていないのか分からないけど、何も言わなかった。


 俺のスキルを唯一完全に貫いたのはイグニスだ!理由ははっきりと分かっていないけど、絶対はない!安全第一でKYをして行動しないとな。


 ちなみにKYとは危険予知の頭文字で、職場や現場で発生する可能性のある災害を未然に防ぐための活動のことです。


…………▽


 真っ白な騎士との戦闘から、ピタリと何も出て来なくなり、何事もなく山を越えることが出来た。予想の話にはなるが、あの騎士達が倒されたことで山の頂上にあるであろう特に重要な場所の守りに戻ったのだと。それともう一つこれも憶測だが、真っ白な騎士があれほど現れたことはない。これはイリスの加護の力に引き寄せられて現れた可能性がある。つまり偶然ではなく、俺のせいだった。ま〜仕方ないよね〜。



「な〜ルナ、あれが聖都マーリンだよな!町の周りに円錐の構造物が4つ建っているけど何なんだ?かなり大きいな〜」


「タクト流石です!目の付け所が違います!」

 うん!褒めてくれてありがとう。でもあんなの誰でも気になるよ。


「あれは聖都の守りの要です!我々は悪魔を討伐する為に特化した部隊です!もちろん常に鍛錬し腕を磨いていますが、魔物に対する戦闘の経験が少ないものが多くいます!ですので魔物を脅威と特に考えて建てられたのが『光石結界』です。これは光の壁を光柱(円錐の構造物)から発生させ超硬度な壁を作る装置になります。ちなみにエネルギー源は先程の山から供給されています」


「へーすごいけど、それって俺に話して良かったの?」

 今のって教会の極秘情報なのでは?


「あ!………その〜黙っておいてくれます」

 ですよね〜。ルナのうっかりか、ま〜それだけ信用して貰ってるなら嬉しいことだな。


「良いよ!黙っとく。意外とルナはうっかり者なんだな」


「違います!偶然気が抜けていただけです!」

 ルナは恥ずかしそうに語尾が強みに否定された。俺は分かった分かったと何度も言って宥めたけど、なかなか分かってくれなかったよ。



「お〜門も綺麗だな〜」

 聖都マーリンの正門に到着、門は真っ白で芸術の様な彫刻が彫られてこりオシャレ、門の端にはかなり大きな戦士が控えており門番が守っている。あれ?もしかして獣人じゃないか?

 

「おう!ルナ様ではありませんか、お戻りですか?」

 門番の一人がこちらに走って来る。

 ドシンドシンとゆ、ゆれる〜。


「戻りました。ガドンもお勤めご苦労様です。変わりはありませんか?」


「はい!いつも通り平和で御座います。あ!ですが……少し教会内は騒がしいかもしれません」


 なぜか少し気まずそうなガドンさん、尻尾もヘナっと倒れ大男がものすごく困った姿は意外に可愛い。ま〜獣人に限るかもしれないけど。


「一体何があったのですか?」


「それが………アイリス様が……」

 

 それを聞いたルナの目つきが一気に変わり、初めて会った時のルナに戻った。


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