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第175話 この町の名は……


「は…はぁ〜ふぁ〜」………眠い。

 

 くっそ〜……結局思いつかなかった。


 町の名前を考えないといけない。だけど慌てることはないか〜と思い、考えるのを途中でやめたのだけど、結局頭の片隅にずっと引っかかってモヤモヤし続けてしまった。昔からそうだけど面倒なことは早めにやっておいた方が良い。


「やっぱボクには町長は無理だ」

 町の名前すら付けられないやつが、なんで町長の様なまとめ役が出来るって言うんだ!よし!今度バロンさんに代わってもらえないか聞いてみよう!


「なんやまたアホなことを考えてる顔やな〜」


「な!?なんだよカンナ、いきなり出て来るとびっくりするだろう」


 カンナがいつの間にか俺の隣で寝ていたので驚いてしまった。

 

「ごめん堪忍や!せやけど町長は辞めたらあかんよ!まだ始まってすぐや!諦めたらあかん!」


 カンナは少しむくれて俺の顔をじーっと見る。


「分かったよ!……もう少し考えてみる。それじゃ〜朝飯に行くか!カンナはニキを起こして、ボクは先生を起こすから」


 あんまり心配をかけたらアカンな。


…………▽


「みんなおはよう〜………え!?どうしたのルナ!」

 なぜかルナがテーブルの上に項垂れている。


「タクちゃん!おはよう〜」

 母さんが俺にぎゅっと抱き着いてきた。

 なんかいつもの朝より激しい接し方だな〜、なにかあったのかな?


「おはようタクト、ルナさんのことで疑問に思ってそうだから説明しようか」


「うん…お願い出来る父さん」


 父さんの話によると……

 母さんが朝食を作っていると、それをルナが手伝いたいと申し出たのだが、母さんがだいぶいびったらしい。


 母さんにしては珍しい?

 

「ルナ、大丈夫か?」

 俺が声をかけると、少し頭をこちらに向ける。

「剣だったらもっと使えるもん!」


 もんってなんだよ!カワイイな〜。

 


「ルナさんが野菜を切っていたんだけどね。母さんが横でルナさんより綺麗にかつ倍くらい早い速度で同じ野菜を何度も切ってたら、どこかでポッキリと心が折れたみたいで、私も止めようとしたんだけど、母さんの笑顔がいつもと違って怖くてね。何にも言えなかったよ」


 父さんの………役立たず。

 

 はぁ〜父さんを責めても仕方がない。

 ここは俺が元気づけてやるか!


「ルナ、ご飯食べたら軽く運動がてら模擬戦でもするか、身体を動かせば気も晴れるぞ!」


 優しい気持ちで声をかけた。でもそれが仇となって返ってくるとは………



…………▽


「うわぁーーー………いでぇ!」

 俺は地面に頭を打ち悶絶する。


「立ちなさい!タクトあなたの実力はこんなものではありません!」


 ルナはさっきまでの暗い雰囲気が払拭され、今は指導者モードに入っており指導が厳しい。


「ルナ、そろそろ終わりにしないか?朝からやるには結構ハードだったぞ」


「甘いです!タクト、こんなことではセドリック家は継げませんよ!立ちなさいタクト」


 う〜ん元気になったのは良かったけど、そろそろうざいな!


「ライト照射!」


「アヘアヘアヘ……イヤ〜ン」

 ルナは顔を少し赤く染める倒れた。


 俺は模擬戦で汚れた服を叩き汚れを落とす。


「それにしても、少し見ない間にまたデカくなったなこの木」


 少し首が痛くなるくらい上げて、ローム先生が育てた木を見上げる。


「おぉ……ずごいな〜大自然って感じがする」

 その大木は青々と生気を感じさせる厚みのある葉、どんな風にも負けない太い木、その存在感が圧倒的で、流石は先生が育てた木だと感心する。


「どうじゃ、我の作品は」

 大木から先生が降りてきた。


「お疲れ様です!木の手入れをしていたのですか?」


「うむ!ま〜そんなところじゃ、まずは第一段階が完了と言ったところじゃな。これから更に品種改良を施す!こんなものではないのじゃ!タクトも我が子モーリスを可愛がるのじゃ!」


「モーリス?もしかしてこの木の名前ですか?」

 

「そうじゃ、カッコ良いじゃろ〜」


「ええ、良い名前だと思います。でもなんでモーリス何ですか?」


「ん〜………なんとなくじゃな」


「え!?なんとなくですか?名前なんで何か意味とかあるんじゃないですか?」


「意味…強いて言えば……木!大きな木!森!モーリスま〜ほぼ直感じゃな!」


「え〜そんなんで良いんですか?」


「別に良いじゃろ!我はその名が良いと思った!名前とは凝った物が必ず良いと我は思わん!だからと言って想いを多く込めるのを否定するつもりもない。我はモーリスにカッコいい大木になって欲しいと込めた。それで十分なのじゃ」


「名前に想いを込める……ですか」

 俺はごちゃごちゃと考え過ぎているのか、名前に想いを込めてそうなる様に俺が努力すれば名前はカッコいい名前にすればなんでも良い!


「先生決めました!ボクがこの町をどうしたいか!それにこの町の名前も」


「うむ!迷いはなくなったようじゃな!それで名はなんとする!」


「ソウルフロンティア!ボクはこの町を色々な人達が集う町にしたい」


 そして、有能な人に町長を任せてさっさと隠居しする!平穏でのんびり生活を今度こそ満喫するぞ!


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