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第170話 名前を考えるのは苦手


「それでは行ってまいります!お父様」


「う…うむ!頑張って……来るんだぞルナ……」


 晴れ晴れとした顔をするルナさんに対して必死に隠している様だけど苦笑いで見送るヴァルト様、なぜこんな状況になってしまったのだろうか、俺……いつかヴァルト様に斬られる気がする。


「それでは行きましょう!タクトさん」

 ルナさんの笑顔が眩しい。


 模擬戦後、色々な話が出たのだが、その中でももっとも揉めたのが、「タクトさんについて行く」ルナさんのこの言葉だ!

 ルナのその言葉な真意は俺との親睦を深める。同じ時を過ごす。そして結婚、それが目的なのだけど、もちろんヴァルト様は説得をしようとしたのだが、ルナさんの頑なの意志に根負けして泣く泣く諦めることにした。


「本当に連れてくつもり!」

 ノルンはムスッとして機嫌が悪そう。

 ただ反対まではされていない。

 負けず嫌いなノルンのことだいつかリベンジするには近くにいた方が良いとか思っているのだろう。



「それでは宜しくお願い致します!タクトさん」

 ノルンと話をしているとルナさんが待っていられなかったのか、念押しするように声をかけられる。


「はい、こちらこそ、でも良いんですか?ルナさんには聖騎士団としてのお仕事もあるでしょ、そんなに長く離れては……」


「タクトさんそれには心配には及びません。私はここへ来る前に副団長にはしばらく戻らないと思うと伝えてありますから、それにこの国の危機、我々聖騎士団も動かねばなりません」

 

「そうですか……」

 真面目なルナさんらしい。しっかりとやる事はやってから来ているのか、でも俺としては国の危機にまでは手を出すつもりはないんだけど……


「タクトさん、一つお願いしても宜しいですか」

 ルナさん、改まってなんだろう?


「出来れば私のことは呼び捨てでルナとお呼び下さい。そうすれば少しでも早く近しい関係になれると思うんです!」


「あ〜なるほど、そう言うことですか、それならボクのこともタクトって呼び捨てでお願いします」


「はい!分かりましたタクト」

 ぱぁーっと花が咲く様な笑顔のルナ、最初会った時とのギャップにやられそうだ。


「タクト、さっさと行くわよ!」

 後ろから機嫌の悪そうな声が聞こえたので、急いで戻ろう。……配管からの〜空間転移!


……………▽


 俺達は町へと戻る。


「すごい!一瞬で移動、空間転移など一流の魔法使いでも使えるものは少ないと言うのに……」


 ルナは驚きそして感動していた。

 そうだよな。空間転移なんて超便利な魔法俺みたいなヤツが使えるとは誰も思うまい!


「ま〜そんな、大したことはないですよ!」

 えっへん!ちょっと誇らしい。


「タクト!それでここはどこなんですか?」


「どこ?………どこと言われると……」

 ん?ここって…どこ?


「なんで創った本人が分かってないのよ!ルナお姉様ここはタクトが創った空間なので、ある意味どこでもありませんわ!元いた世界からすれば別空間なので敵に襲われることがないのでとても安心安全な場所なのです」


「それは…すごいな。そんなことが人に出来るのか?……神の力ではないか?」


「お姉様が驚くのも無理はありません。でもこれがタクトの力なんです!…………ポッ!」

 ノルンは俺の顔を見て頬を赤く染める。


「そうか……これが私の夫の力………ポッ!」

 ルナも俺を見て頬を赤く染める。

 あと夫じゃないから、妄想が先行しているよルナ。


「そうですか、あまり見たことのないない家がいくつか建っているようですね。他にも住民が居るのですか、ちなみにこの町はなんと言う名前なのですか?」


「え!?」全員が固まった。そう言えば、町とか言ってるんだから名前くらい付けないとダメだよな!なんで今まで気が付かなかったんだ!




「え!?この町にはまだ名がないのですか!」


「そうなんですよ!色々あってすっかり忘れていました。ま〜住民もまだ数えるほどしか在りません。そのうち決めれば良いかと」


 申し訳無さそうに俺は言った。


「そうですか、でもそう言ったことは早めに決めた方が良いと思う」


 ルナに諭される。ま〜言われなくってもそうだよね!


 俺は少し考えバロンさんに聞いた。


「バロンさんどうしたら良いと思います?町の名前とかどうやって決めたら良いんでしょか?」


「う〜ん、私も自分で町や村の名前を付けたことがないからな。こう言うのは何か由来やその町に込める思いとかで決めれば良いのではないかな。ま〜難しく考えずタクトが決めれば良い」


「え!?ボクがですか!」

 そんな重要なこと俺が決めたらダメでしょ。


「君はこの町の町長として選ばれたのだから、問題はないさ、それに文句を言いそうな者も居ない。あ〜でも、あの方には話を通しておいた方が良いかもしれない。ただ基本的にはタクトが決めればいいさ」


 え〜……そう言うの苦手なんだよな。

 ペットの名前だってすぐに付ける自身がないのに、みんなが住んでいるこの町の名前、イリスに言われて、今後住民も増やす。………変な名前とか付けたら誰も来なくなるぞ!あ〜どうしょう〜。


………ま!あの方に決めて貰えばいっか!




…………▽


「自分で決めなさ〜い!」


 ガクッ………イリスに冷たくあしらわれた。


「ここはあなたが創った場所よ。名前を付ける権利が最もあるのはタクトじゃない。なんで私が決めないといけないのよ〜。神に押し付けるなんて、人間って傲慢よね」


「いや、別に押し付けてるわけじゃないよ。イリスに言わずに勝手に決めたら良くないと思って聞きに来ただけだよ!」


 ちぇっ、イリスが決めてはくれないか、どうしようかな〜、今の流れたと俺が決めないとダメなのか。


 俺は頭を抱えて悩んでいると、横からかなり動揺している声がする。


「え、え!あ!え!ウソ、なんで、ありえない」


 ルナが横でブツブツと何かを言っている。



「ルナどうしたの?大丈夫か?過呼吸みたいになってるけど?」


 声をかけるとルナがグワッとこちらに向き俺の肩を掴むとブンブンと揺らされる。


「ワワワァ、な、な、何するんですか〜」


「なんでここにイリス様が居られるんですかー!ありえないでしょ〜」


「あ〜そう言うことですか、そうですよね〜」


 この後、流石のルナも女神様を前にすれば落ち着いていられない様で、落ち着くまでに少し時間がかかりました。


「はぁ〜はあ〜はぁ〜、すいません取り乱しました」


「はい、盛大にやりましたね」


「もう!そんなこと言わないで!だって普通女神様が居るなんて思うわけないでしょ!私達聖騎士団だったら誰でもこうなるわよ!」


「アハハ、見たことのないないルナが見れたね!」


「だからなんでそんなにあなたは落ち着けていられるんですか!」


 ルナがまた興奮し始めた。


「ルナ、落ち着きなさい!あなたいつも冷静だったでしょ。このくらいのことで動揺してはダメよ」


 イリスがルナの背中に手を当て落ち着かせようとするけど、本人からするとどうだろ。ワナワナと震えて喋れていない。


「はぁ〜はぁ〜、ひゃい、しゅみましぇ〜〜ん」

 ルナの意識が飛び、俺は倒れるルナを受け止め長椅子に寝かせる。


「うふふ、ルナのあんな顔を初めて見たわ」


「イリス……ワザとじゃないだろうな〜」


「違うわよ。私もこんなことになるとは思ってなかったわ。それじゃ〜彼女が寝ている間に一緒に名前……考えてあげる」


 それから優しいイリスさんと町の名前についてしばらく考えることになった。


ご愛読して頂いた方、本当にありがとうございます。

徐々に主人公が強くなって来ました!これから

更なる戦闘が待ち受けていますのでお楽しみ下さい。


「面白かったらブックマーク、下の評価★★★★★を

付けて頂けると今後の励みになりますので

よろしくお願いします!(◡ω◡)」

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