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第168話 戦い、そして決着!


◆ルナの視点


 やっぱりすごい才能、流石はバロン様の娘、剣術の才能ならきっと私より上ね!

 でも今はまだまだ私の方が上、たけどノルンは火魔法で攻撃の手数を増やす。しかもその動きがまさに変幻自在、攻撃が読み切れない!?まだそのスキルを完全に扱えていないみたいだから凌げるけど、もしも使いこなせば相当面倒なスキル。


『ホーリーレイ』

 貫通性能を持つ光線を放つ!

 ノルンは私の剣の力に押し負け体勢を崩している。……当たる!

 

「ボッボッ」

 

 しかしノルンはそれをセンスで躱して見せた!

 ノルンは咄嗟に判断し、剣先で爆炎魔法を放ち、その衝撃を利用し光線をギリギリ回避、更にもう一発爆発させ、その反動で一気に私に接近剣を振った。


「ぐっ!?」

 ノルンの剣はかなりの速さで、今度は私が躱すことが出来ず、剣で受け止めだが、あまりの威力に吹き飛ばされた。


『ファイアアロー』

 

 空中に投げ出された私を炎の矢が何本も追撃で放たれる。通常なら躱すことが困難な攻撃だと思う。だけど私には通じない!


『ブースト・ライト』


 私の身体から光を放つ。

 身体の闘気に更に光属性の魔力を付与。


 私の突きは火の矢を遥かに上回る速さで放たれ火の矢を撃墜する。


 ノルンの表情が一瞬曇るがすぐに立ち直り剣に火を纏わせて斬撃にして飛ばす。


 その斬撃も突きで消し飛ばす。

 

 しかしここまで、『ブースト・ライト』は長時間は使用出来ない。もし使えば一気に魔力を消耗してしまうからだ。だからここぞと言う時に使う。


 ノルン、私の期待通り強くなってくれてありがとう。しかし私は負けるわけにはいかない。タクトさんと結婚するんだもの!認めさせる!



◆タクトの視点


 どうしよう。すごい戦いだけど、これって俺の関係でやってるんだよな。決着がついたらなんて言えば良いんだ?


 俺は一人心の中で頭を抱えていた。


「ま〜ええやないの!タクトがそんなに気にせ〜へんで、あの子らが好きでやっとるんやから」


 ここで唯一俺の心情が分かる相棒カンナさんが居た。ありがたいお言葉ですけど、やっぱり責任を感じちゃうんだよな〜なんとか二人を納得させる方法はないだろうか?


 二人からの好意は嬉しく思う。だけどルナさんは明らかにライトの影響としか思えない。もう少しすればきっと時間が解決してくれるはず。それならばいっそ俺が乱入して止めるか!


 俺はやや前のめりになり乱入体勢を取ると、足に何かが巻き付く。


「あれ?……うわぁ!?」


 いきなり逆さ吊りにされ何が起こったか分からず混乱する。


「ダメよ!二人に水を刺すような真似」


「スカーレット様……ボクは別に……」


「あら?そうは見えなかったけど、まるで何かを覚悟したように見えたわよ!」


 俺ってそんなに顔に出るタイプだったのか?それともスカーレットさんが鋭いのか、それは分からなかったけど、一つ分かったことは、もう見守るしかなくなった。


 二人の戦いは更に激しさを増した!


『バーンストライク』

『ディバインショット』


 火球と光球がぶつかり激しい光が周りへと広がり、視界がチカチカとして見えない中、ノルンが勝負に出た!炎を前面に放ち、まるで波のような大きな炎がルナさんを襲う。受ければ焼け死ぬのは間違いない恐怖の炎ではあるが、ルナさんは剣に光属性の魔力を集め長い光剣にして、その炎を斬り払う!


 ルナさんはその瞬間僅かに動揺、しかしすぐに気持ちを立て直し身構える。


『ミラージュフレア』


 裂かれた炎は散り、そこから複数の人影が見えたかと思うと、それが全てノルンの姿に変わる!?


 撹乱することが目的であろう攻撃ではあるが、その数と姿の模倣にルナさんは舌を巻いていた。


 本物はどれかと悩むルナさんであったが、視線は前だけを向いていた。


「ノルン……君には驚かされた。まさかここまで追い詰められるは思っていなかったよ」


 ルナさんは剣を胸の前に立て、光属性の魔力を空へと放った。


『………セイクリッドレイン』


 白い……雨……

 不思議な光景で、その雨の効果なのか、周りが浄化されて行く。


 そして、ノルンが創った幻影はその雨に流されて行き、本物のノルンが露となる。


『………セイクリッドインパルス』


 ルナさんは剣をノルンに向けて突くと、剣先から聖なる波動が放たれた。


 ノルンはその攻撃を斬り飛ばそうとしたが、それは叶わなかった。ノルンの攻撃は空を切り、衝撃がノルンを襲った。


 大きく吹き飛ばされたノルンは、そのまま動かなくなってしまった。


「勝者!ルナ!」


 バロンさんが高らかと手を挙げルナさんの勝利宣言を言った。


「ノルン大丈夫か〜!」

 俺は走って駆け寄るけど、全然動く様子がない。もしかして重傷じゃないだろうな!


「大丈夫ですよ。タクトくん、ノルンさんは大丈夫で動けないわけではない。そうだろルナ」


「はい!お父様、今の攻撃には動きを止める意志が込められています」


「ん?意志を込めたらと言って本当に動けなくなるなんてことがあるんですか?」


「タクトくんが疑問に思うのも分からなくはない。この手の力はどちらかと言うと闇魔法の呪いと同じような効果があるわけだけど、実は聖魔法でも同じことが出来るんだよ」


「そうだったんですか、知らなかったです。じゃ〜ノルンは金縛りにかかっていて動けないわけか」


 結果ノルンが負けたことは残念だったけど大きな怪我をしなくて良かった。


 俺は少しホッとして気を抜いた時だった。


「タクトさん、改めて結婚して下さい!宜しくお願い致します!」


 ルナさんは綺麗なお辞儀をする。


 そして俺から咄嗟に出た言葉は、




「すいません!お断りします!」


「ええぇぇぇーー〜」

 ルナさんではなくヴァルト様の声が響いた!



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