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第162話 死に戻り?


「どの様な力を使ったのか分からんが、かまわん。また命を刈り取りあの世へ送ってやろう」


「ちょっと待って!死んでたからなんか身体が重くって、軽くストレッチしてから…」


「タクトくん…そんな落ち着いてて良いのかい」

 

 あ!ヤバい。バロンさんに呆れられた。

 うん、バロンさんの言いたいことは分かるんだけど、どうもコイツを相手にするのには落ち着き過ぎた方が良さそうと言うか現在進行形で実はすごく動揺していたので、冷静になろうとしていた。アイツなんちゅうもんを背負ってるんだよ。


「何をボーっとしている。隙があるぞ少年」


 ヤベッ!反応が遅れた!空間障壁!


 スーッ、はぁ!?しまった!

 コイツには空間障壁をすり抜ける力があったんだ!?


 大鎌の攻撃を半身で躱し避けた。しかし完全には躱しきれなかった。頬から僅かに血が流れる。


「さ〜あの世に逝くがよい!」


 うっ……頭が意識がと…お…く………


……

…………

……………


 あ!また真っ暗だ!

 ここは……あの世の入口だな!

 うぉーー暖かい方へ……………


 俺は急いで戻った!


……

………

…………


「タクトくんなんでなんでなんだー!」

 バロンは再び死んでしまったタクトを抱き締め叫んでいた。


「ぷはぁー生き返ったー!」

 俺は息を吹き返し立ち上がる。

 

「「「えーー!?」」」

 

 バロンさん、ヴァルト卿……死の商人、敵味方関係なく驚き過ぎて完全に固まってる。


 俺はどうしようかと思いながら、申し訳無さそうに挨拶する。


「ども!……なんか申し訳ないッス」


「ばっばっばっ……バカな!なぜ死なない!?」

 死の商人のうろたえ方がすごいな〜。

 ちょっと面白くなってきた。


「フッ、無駄なことをしたな!ボクにはスキル

『蘇り』がある。何度殺しても無駄なのさ!


「バカな!そんなスキル聞いたこともない。それにそんな物があれば……神の力だぞ!?」


 よしよし、良い感じに驚いている。

 本当はそんなスキルなどないのに、死の商人はブツブツと言いながら考えている。無駄に知識が多い分思い当たることがあるのだろう。


 はい!隙ありで〜す!


 俺はハンマーで死の商人を攻撃、衝撃は死の商人の腹部を襲い吹き飛んでいく。「ガンッ」と大きな音を立て壁に衝突し倒れる死の商人。


 一応まだ話が出来ていないからな、手加減はした。このままおねんねしてくれると助かるんだが、そうも行かない様だ。死の商人は何事も無いように立ち上がった。


「いけません。少々動揺しました。まさかあなたの様な存在がいたとは、とても面白く面倒な少年ですね。良いでしょ。それならば何度でもあの世に送って差し上げます」


 はぁ〜やる気をだされたか、それならどうするか、様子を見ながらヤツの弱点を探るか。


『空間延焼』


 バーナーで攻撃、死の商人が一気に炎に包まれる。


「無駄ですよ。そんな攻撃、私には効きません」


 死の商人は炎中から何事も無いように出て来る。

 どうやらコイツは一時的にどんな攻撃でもすり抜けるスキルを持っているようだ。ただし初めに攻撃を受けた時、バロンさんの剣には防がれていた。もしかしたら攻撃を当てる瞬間はスキルを切らないと攻撃を当てられないのかも、そうであれば狙うのは攻撃を受ける瞬間!


「そんなに上手く出来るか!」


 自分にツッコミを入れる。

 良く考えろ!俺がそんな器用なことが出来るか!こうなったらバロンさんに説明してやってもらうしかないか………



 それにしてもさっきからチラチラ見られている気がして集中出来ないな〜!何なんだよ!あれは〜。


 生き返ってから死の商人の後ろに青色の火の玉が視える様になった。しかも火の玉なのに異様に視線を感じる。


「げ!?何だあれは」


 俺は気になって、その火の玉をじっと見ていると、火の玉が人の姿に視える様になる。しかもすごい人数、パッと見でも100人以上は居る。どの人も顔色が悪く、死の商人を恨むようにじっと見ていた。


 その中に一人だけこっちを見ている男が居た。


(助けて〜助けて〜……)

 その男は同じ言葉を繰り返し助けを求めていた。


 俺は心の中で無意識に男に話しかける。


(助ける?何から助けて欲しんだ?)


(お〜!?私の声が聞こえるのか!)


(はい、聞こえますね。何かおかしいですか?)


(私はもう死んでいるんだ!私の言葉はもう誰にも聞こえない)


(あ…あ〜そう言うことですか、あなたは死んでいるんですか、マジですね)


 どうやら陰陽道スキルが発動しているようだな。


(それで、何でそんなところに居るんですか?まさか!死の商人の関係者じゃないですよね!)


(そんな訳がない。私を含めたここにいる者達はみな死の商人に殺された者達なのだ。ここに居るのは私達がコイツへの恨みに縛られ離れることが出来なくなってしまったから、殆どの者は意識はなく、ただ取り憑いているだけ、私もいずれこうなると思う。だからお願いだ!助けてくれ!私をコイツから解放してくれー!)


(そう言われても、どうすればいいんですか?死の商人を殺せば解放されるってことですか?)


(分からない。そうかもしれないしそうでないかもしれない。私達はコイツに囚われている。死ねば私達もろとも地獄に行くかも……しれない)


(それはつまり……ただ倒すだけではダメだと。恨むを晴らせば成仏出来ると)


(確かにそれならば死の商人から離れられると思う。しかしどうすれば……)

 

 幽霊の男は少し考えてこう言った。魔力を分けて欲しいと。そして話は続き。


「なるほどなるほど、その作戦で行こう!」

 

 俺は幽霊の男の案に乗ることにした。

 

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