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第160話 DEAD OR ALIVE


「それではタクトさんは私の使徒一号ですね!」


「え!?それはどの様な意味でしょうか」


「どの様な意味?そのままの意味だけど、私には今まで使徒を選んだことはなかったのイリス達みたいに積極的に地上の民に関わることはしなかったから、死んでからなら全員と関わるんだけど」


「……なるほどそう言うことですか」


 おいおい、ものすごいことになって来たぞ!今まで使徒がいない!でもそれなら使徒要らないのでは?そんな疑問が出たけれど言えるかボケ!地獄行きになってまうだろうが!


 もう気軽には質問は出来ない!

 命がけで考えて答える!DEAD OR ALIVE

(死んでるけどね〜)


「そうだ!イリスは元気にしてるかしら、お互い忙しくてここ最近あまり会えていないの!」


「えぇ、イリス様元気にしておられますよ。あまり表面上には出さないですが、なんとなく分かります」


「そう、良かった!それで私のこととか〜何か言ってなかった!」


 はぁう!?DEAD OR ALIVE

 これはなんて答えるのが正解だ〜

 俺の記憶ではそもそもヘカテー様の話が出た覚えがない!?でもそのまま答えたら興味がない。嫌われると思うのではないのか!つまりそのまま言ったら地獄行き決定!


「コホン……ヘカテー様のことですね。そうですね〜……」


 俺は必死に考えていた。なんせ圧が凄い!

 何をそんなに期待しているんだヘカテー様!?

 

 前にある布にグイグイと顔を押し付けて、すでに半分顔が透けて見えてますよ!


 くそ〜!……なんとか誤魔化せないか!

 ここで嘘をつき話を進めることは簡単かもしれない。だけど…もしもそれがイリスに伝わればそれはそれで地獄だ。だから安易には答えられない。


「実は……何も聞いてはいません!」

 

 バァーー!と顔が突き抜ける〜……それ程の勢いで顔が接近!?メッチャビックリしたけど、ここで怖気づくわけにはいかない。


「おっと!ヘカテー様……勘違いをしないで下さい。確かに私はヘカテー様の話を聞いてはいません!しかし…それは当然なのです!何故ならイリス様にとって……ボクの予想ですが……特別……秘密の……関係…ではないかと思うのです!そうであれば他人に

おいそれと話はしないでしょ」


 恐る恐る前を向き直すと……

 うぐっ!?…………

 驚くのをなんとか耐える。

 

 何に驚いたって?

 目の前には布越しの衝撃を受けたヘカテー様の顔面があったからだ!どうも言った内容に衝撃を受けている。……もうひと押しだ!


「ボクは思うんです。ヘカテー様、二人だけしか知らないことを共有することで、信頼関係が強固なものとなると、だから……」


「ちょっと待って!もう、もうそれ以上言わなくて良いわ!私にはもう全て分かったから、ありがとうタクトさん、あなたのおかげでイリスの真意を知ることが出来たわ!今日はなんて良い日なのかしら……」


 はぁ〜……なんとかなったみたい。

 こちらからはヘカテー様の表情は見えないけど、間違いなく上機嫌にはなった。これで地獄行きは免れたはず。

 


「うふふふ…タクトさんあなたはとても良い子ね!これからは私の使徒として頑張って下さい。それではどうしましょうか、使徒になるあなたにどの様な力を与えましょうか」


 ヘカテー様は俺に与えるスキルを考え悩んでいた。


 お!?お〜!……もしかして何かスキルをくれるのか!くぅ〜嬉しいぜ!イリスの時はくれなかったもんな!


 なんだろうな〜なんだろう〜……ワクワク!


「そうだわ!こうしましょう!」


 おぉ!……とうとう決まったようだ!

 一体どんなスキルなんだ!


「あなたには私の力の欠片を与えましょう」


 ん?……スキルをくれる……じゃないの?


「スキルを直接渡しても良いのですが、恐らく私から渡せるスキルはタクトさんには使いにくい物ばかりてす。ですのでタクトさん自身で作って下さい」


 あ…あ〜ん?……ヘカテー様が言う意味が理解出来ない。ただ一つ言えることは、俺には受けるとしか選択肢がないこと。ここは潔く返事をするしかない。

 


 俺はヘカテー様から力を貰った。


「意外となんともないですね〜。もっとこう身体が熱くなったり、痛みを伴うのかと思いました」


 俺は自分の身体を触って確認する。

 特に目立った変化はない。


「まだ渡したばかりで、あなたに定着するのにもう少し時間がかかるわ!心配しないで、それではそろそろ戻った方がいいと思うから、周りを見て暖かそうな場所を目指して歩きなさい。そうすれば生き返れるから、それではイリスに宜しくね!タクトさん」


 ヘカテー様は消え、一気に真っ暗な空間に投げ出された。


 真っ暗で一気に不安になるかと思ったけど、今はどちらかと言うとホッとする。ヘカテー様は怖すぎなんだよ。まったく!


 さてと早く生き返らないと、えっと暖かい方に歩くんだったな。一体どっちだ?


 真っ暗だけど目を瞑り、全身で周りの気配を感じる。………暖かい方……暖かい方……


 すると身体の内から何かが俺に問いかけて来た。


(DEAD OR ALIVE 、君はどうしたい!)


 俺は答える!


「まだ死ぬのはまっぴらごめんだ!」


(DEAD OR ALIVE 、君は生きて何がしたい)


 俺は答える!


「そりゃ〜もちろん、平穏でのんびりとしたい」


(DEAD OR ALIVE 、君はいつ死ぬんだ)


「ん?……それは今じゃない!寿命が来るまでは生きようかなと」


(あなたは今生きたいと思い、そしていずれ来るで

あろう死を受け入れる。そんな怠け者ですね)


「煩い!ボクの勝手だろ!それがどうしたって言うんだ!」



(君の生きる意志と死を受け入れる意志を確認出来ました。これにより新たなスキルを生成します)



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