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第155話 あ!…そんなに!?ダメよそこは〜


 痛い!………視線が超痛い!

 全員が俺とルナさんを見ている。



「ア〜ン……ギュッとしてタクト〜」

 

 俺はルナさんに抱き着かれ押し倒された。

 しかも超積極的、近い近いルナさ〜ん

 

 やり過ぎた。

 取り扱い注意なのよ。

 どうしよう………(⇀‸↼‶)


 もちろんこんなつもりではなかったのだが、このライトは毎度取り扱いが難しい。もう正解がわからな〜い。


 予定ではルナさんのにかけられた呪詛を解くだけだった。明らかに正常ではなく苦しんでいたのでライトに魔力を込めて照度を上げてから手の甲に当てた。その効果もあり呪詛の魔法陣はすぐに消すことが出来た。


 今思えばこの後の行動が間違っていたのかもしれない。


 ルナさんがまだ体調が悪そうだったので、一応ライトを全身に照射、しかも照度を上げたままで……


 これは以前のアーチさんとレアリーさんと同じ状態だな。まったくこのライトは淫乱光線かよ!


 

「タクトくん、私はどうやら君ともっと話をしなければならないようだね!貴族とか関係ないから、娘の父親と話す時は覚悟して話をするんだよ」


「いや……これは……仕方のないことと言いますか、どうしようもなんことと言いますか……」


 ヴァルト様がメッチャ真顔!?

 真顔って実は怒った顔より怖いんだよ〜


「タクトくん、ノルンの前でそんなことをしたら消し炭になるから、早いところノルンをギュッとしてあげなさい」


 バロンさん、何言ってるんですか!

 冗談言うところじゃないで……あ!?

 ノルンの手から火が出てました。


「みんな、そないなことしてる暇あるん?町には悪魔の気配がちらほらある。きっと町中暴動が起きとんで!」


 カンナの声を聞いた皆の目つきが変わる。



「クッ……住民を守るのは領主の務め、なんて辛い決断をさせるのだ!騎士団を中央区の広場に呼べ、詳しくは私も言って説明する!」

 

 ヴァルト様は外に居るメイドに指示、部屋を出る瞬間俺を睨むつけ出て行った。


 あんなに優しいヴァルト様も娘のことになるとあんな顔が出来るんだ………こわ!


「スカーレット、ノルン、私達も行くぞ!」

 バロンさんも二人を引き連れ部屋を出て行く。


 しかしノルンは一度俺の前に来て、「あとで一杯お話しようね」と一言言って出て行った。今日の夜は長くなりそうだ。



「さて、どないするかなこの子」

 カンナが言うこの子とはルナさんのことなんだが、確かにギュウギュウと抱き締められて放れそうにない。


「カンナ助けてくれ!なんとかしてくれ〜」

 

「う〜ん……そない言ってもどないすればええんや?」


「それは……確かにだけど、そうだ!ルナさんを早く正気に戻す方法はないのか!」


「そやな〜……もっと気持ち良くしてやるのがええかな、その子はよ〜イカせてやり〜な!エクスタシ〜ってな!」



「いや!え〜それはお前………」


 ルナさんの身体を見る………ゴクッ……いける!

 オホン!仕方ない!これも町の人々の為!

 ひいてはルナさんの為にもなる!


 俺は手をワキワキさせながら……


「それではルナさんご覚悟を…………南無三!」

         ▽

         ▽

         ▽

「あ!タクト、そんな!?あ〜!タクト〜……そこは!?あ!…そんなに!?ダメよそこは〜アッ…アッ…ア〜〜〜!?!?」

         ▽

         ▽

         ▽

「いや〜久しぶりだったから、ちょっとやり過ぎちゃったかな、でもこれでルナさんもスッキリしただろう」


「せやな〜スッキリはしたかもやけど、結局目は覚まさんへんかったな〜。オネンネしとるやないか〜い!」


 カンナがルナの身体を揺らすが起きる様子はない。


「まぁ!良いんじゃないか、ここで寝かせてやろうぜ!その分ボク達が頑張ればいい!」


 ルナさん、任せてくれ君の分まで俺が頑張る。

(さっきの事は報酬と思って頑張ろう)

 

「なんやニヤニヤしとらんでさっさと行くでぇ!」


「おっといけない。はいよ!カンナ」


 ルナさんの呪縛を解き、俺達は町で暴れている悪魔の契約者を止めに向うのだ。


 町の中央区に行く途中で異変に気がついた。そこら中から助けを呼ぶ声と獣の様な唸り声が聞こえた。

 俺とカンナは一番近くから聞こえた声の方へと走り出す。現場につくと一回り大きな男を数人の兵士が相手取り戦っていた。

 

「ひでぇ〜ことをしやがる!」


 周りには住民達が血を流し倒れており、意識のある者は痛みに耐えられず叫び、ある者は涙を流し助けを求めていた。

 

「兵士達だけでは厳しそうだな」

 

 兵士達はなんとか悪魔憑きを相手に奮戦しているがやや押され気味だ。かなりの剛力の持ち主で兵士達が壁に次々と突き飛ばされていた。


 仕方ないやるか!

 カンナからいつものように通常装備のヘルメットと手袋を渡された。


「ん〜どうしようかな、せっかくだし新しい道具を試してみるか、カンナ、ナイフくれ!」


「アァァ〜イ……どうぞ!」


 カンナは上を向き口を開けると、徐々にナイフが出て来る。


「はぁ?……おいカンナ……それはやるなって言っただろうが!」


「う〜う〜う〜、鋭いツッコミやで〜」


 頭をさするカンナ、痛いはずなのに少し嬉しそう。たくっ!お前はどこぞのマジシャンか!こっちは見るたんびにびっくりするんだよ!


 以前から何度か注意はしているのだが、ツールボックスの時のくせか、口から道具を出す。たださっきの反応もだが面白がっている節がある。そう言うのにはビシバシツッコミを入れている。


「それじゃ〜行って来るわ!」


「チャチャッと行っといで〜」

 走り出す俺をカンナは元気よく手を振り見送る。


 俺はヘルメットのスキルで空間をねじ曲げ加速1秒→60秒に、相変わらずデタラメなスキルだ!周りの人達の1秒が俺にとっては60秒に変わる。それは言い換えれば他の人達に比べて60倍動くことが出来る。つまりステータスで言えば、敏捷229→13740に変わるのと一緒である。こんなの誰もついては来れない。


 俺は悪魔憑きの契約者の横を通り過ぎる様に移動し腕を一瞬で斬り飛ばした。


 フッ……余裕だな!

 

…………………俺は少し調子に乗っていた。

 

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