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第15話 ドMエルフに尋問する


「やぁ〜やぁ〜大丈夫だよ、私は逃げたりしないから」


「はい、うるさいでーす。黙りましょうか」


「しかしだな〜身体がどんどん拘束されて不安なんだよ」

 俺はアンディーを空中にビスで大の字に固定していた。


 俺は椅子な座り、先生は俺の肩にニキは俺の横でおすわりをしている。


「さてと、言いたい事と聞きたい事があるが、まずは僕からかな、良くもボク達を置いて逃げたなただで済むと思わないでくださいね」

 俺は黒い笑顔をアンディーに向ける。


「あ…あ〜ゾクゾク……ま〜待ちたまえタクトくん、あれは仕方ない事だったんだ、いわゆる不慮の事故、タクトくんならきっと逃げれると信じて先に行っていたのさ〜」

 

「ふーん、そうですか、不慮の事故ね!それじゃ〜今からアンディーさんは不慮の事故に合うかもしれませんね」


 俺はニッパーを取り出すと、よろける。


「あ!あれれ、手が滑った〜」

「シャキーン」……椅子の背もたれが「ゴトッ」と落ちる。


 それを見たアンディーの顔色は青白くなる。


「おい!アンディー不慮の事故って言うのは起きちゃいけないんだよ!細心の注意を払ってやれよ!」


「す、すいませんでした。タクトさん」

「分れば良いけど、次やったら逃げられないようにするからな」

 俺はニッパーを「シャキンシャキン」と動かしてアピールする。これで少しは反省しただろう。


「さて、ボクの話は終わったけど、ニキも話があるから聞いて下さい」



「ニキ?誰だいそれは、記憶にないね」

 ニキはトコトコトコとアンディーの前に移動する。


「ん?こんなところに犬、珍しいね〜この辺では犬を飼う風習があるのかな。なかなか可愛いじゃないか、それでニキって人はどこに?」


「こちらです!」俺は指を差す。

「あ?……えっとそれ犬だね!もしかして冗談か何かかいタクトくん、あんまり笑えないぞ!アハハ」


「いいぞ、別に笑う必要はないからな」

 ニキの喋り声を聞きアンディーは固まる。

 

 驚き過ぎると人って理解が出来ないのか反応しなくなるもんなんだよね〜


「お、お〜こいつは魔物か?しかも喋ると言う事は高位な魔物の可能性が高い、でも見た目は犬にしか……」


 ヘラヘラしたイメージから珍しく真面目に考えている顔になっている。一応冒険家なので気になることでもあったのだろう。


「聞きたい事がある。お前、ダンジョンから宝玉を盗んだか?答えろ」


 一瞬、心臓が締め付けられるほどの鋭い気配を感じた。これって殺気ってやつなのか、それにそれを出したのがニキ!?



「ヒュー、危なくチビリそうだった!これは間違いないな!お前はあのダンジョンの番人か?まさかこんなところにまで追いかけて来るなんて想定外だな」


「つまりお前が盗んだで相違ないと」

「あ〜間違いない。私はここからは少し離れたダンジョンを探索していくつか持ち出している。その中には宝玉と言われる物もあったかもしれない」


「そうか、ならば返して貰う」

「あ〜良いぜ!そこの袋に入っている好きに持っていってくれ」


 アンディーの奴やけにあっさりとお宝を渡すけど未練みたいな物はないのか?たぶんかなりお金になると思うんだけど。


「アンディー、返して貰うけど、やけに素直だな、まさかとは思うけど何か企んでいないだろうな〜」


「タクトくんは子供のわりに疑り深いな〜私は何も企んでなんかいないさ、今回はいつも以上に楽しめた。遺跡では何度も罠にかかり死にかけたんだ!その度にゾクゾクとしたよ!特にドラゴンに囲まれた時は流石に死を覚悟したよ!股間がキュンキュンした。満足だ〜」


「…………変態だ、このドMエルフが」

 ただし理解は出来た。こいつはスリルさえ楽しめればお宝は二の次、そこまでの未練はない。ま〜それならもめずにニキに宝玉が戻るから良かった。



「良かったなニキ、お宝を戻って来る」

 俺はニキの頭を撫でる。モフモフして気持ちいい毛並みをしている。


「おう、世話になったのだタクト、あとはこいつを殺して終りなのだ。どうするか、喰ってもマズそうだし」


 ニキは後ろ足を上げ頭をかきながら、つまらなそうに恐ろしい事を言っている。可愛い風貌からは考えられないのでより違和感、そして不快感を感じた。


「な〜ニキ殺すのなしにはならないのか?」

 遺跡のお宝を盗んだのだから罰は受けるべきなのは分かるけど、流石に殺すのは止めたい。


「ん?タクトはこいつを助けたいのか?一応遺跡の宝具を盗んだ場合は殺すのが一般的だと思うのだ」

 

 殺すのが一般的ってなに?なんかだんだんニキが怖くなって来た。でもあんまり人が死ぬ姿は見たくない。


「うん、出来れば、無理なら仕方ないけど」

 

「タクトーそんな簡単に引かないでくれ〜

助けて、お願いお願いだから〜」

 

 アンディーが騒ぎ出す。

 それは当然か死ぬかもしれないわけだし、でもな〜この世界で宝具なんて盗んだら重罪だろうし、止めれる理由が思いつかん。


「良いぞタクトがそう言うなら、そいつは殺さんのだマズそうだしな!」


「え!?良いのかニキ」

 ニキはさっきまでとは違い怒っていない?なんでか分からないけどあっさり殺すのを止めてくれた。


「良いぞタクトには世話になったし、別にヘカテー様からは好きにしろって言われてるから、俺の気分次第なのだ!」


「そっかありがとうなニキ」


「大したことはないのだ」


 俺は再びニキをモフモフする。


「いや〜良かった良かった。これで万事解決、それではゆっくりと夕食でも共にして親睦を深めよう〜友よ!」


 アンディーお前って奴は………


「そうだな、ニキ、先生飯にでも行きますか」


「おー飯か!飯は良いのだ!」

「うむ!我はデザート付きで頼むぞ」


 ニキは足にするより身体をすりつけ、先生は顔をベッタリと張り付く。二人共嬉しいのは分かるけど暑いから離れよ〜ね〜


「あらら、タクトくん、誰か忘れてないかい」


 俺はドアのノブに手をかけ振り向く。


「アンディー……罰はいると思う。反省しろ!」


 俺達は美味しいご飯を食べに行く。


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