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第149話 調査内容について話し合う


 情報収集部隊が帰ってきたので話し合いをすることに、場所はイリスに言われ教会で行われることになった。


「すげぇ〜500億ウェンかよ〜。俺はお前がやる男だと思ってたぜ!それで素材は幾つか持って帰ったよなぁ〜」


 魔道ショップのおっさんが絡んでくる。汗臭いので肘鉄をくらわせて沈める。


「くっつくなよ!おっさん、心配するな。ちゃんとその辺も考えて大量に残してあるよ。だから良いもの色々と考えてくれよな」


「お〜任せておけ!」

 おっさんはそれを聞いて喜びの舞いをしながら飛び跳ねていた。


「タクトくんには驚かされてばかりだよ。予定の十倍とは恐れ入った。なるほどそれでは私達からも成果について話をしようか。私達が調べていたのは三つの項目についてだ。


・俺達が国からどの様な処遇を受けているのか?

・王都で反乱後の現状

・ゴエティアの動向


 以前国王軍に追われた際に、ラゴゥと言う部隊長が言っていたが、私とイグニス、それとタクトくんを捕縛もしくは殺す様に命じられていた。だから我々の手配書がばら撒かれていると思っていた。しかしそうではない。屯所や冒険者ギルドを見て回ったがそんな物は無かった。このことから我々は現状追われてはいない」


「バロン様、それはつまり普通に外に出ても追われることはないと言うことですか?」


「その通り、しかし勘違いしてはいけない。さっきのはあくまで公の場ではそうではないと言っているに過ぎない。国王軍の中にはラゴゥの様に秘密裏に指示を受けている者がいるかも知れない。それに特に冒険者、彼らも私達を追う貴族に直接依頼され我々を追っているかも知れない」


「ん〜そうなるとどちらにしても安心は出来ないか、つまり外に出るのは良いにしても、気を緩めるな!そう言うことですね」


「その通りだ。私としてもこのまま籠もっている訳にもいかなくなった。ローラン卿に話を受けていた王都での反乱、これがかなり悪い状況になっていた。王都周辺の町で貴族殺しが多発している。これは反乱を起こした者へ報復と思われている」


 そうかパロン様はローラン様に頼まれていたからな〜、パロン様は恩人とも言っていたから放ってはおけないか。


「それでもう一つ、この反乱どうやらゴエティアが絡んでいる」


「そうですか、どちらかと言うとやっばりって感じですね」


「ゴエティアは反乱を起こした者に死の商人を向かわせたようだ。貴族を殺した者の中に何人か悪魔の力と思われる痕跡があったそうだ」


 死の商人……

 ギリッと奥歯に力が入る。


 コイツはパトリアさんを陥れたヤツだ!いつかぶっ飛ばしてやろうと思っていたけど、そうか……現れたか……じゃ〜行くしかないよな。


「ゴエティアは国を滅ぼすつもりなのか?それともボルジア公爵と共謀して国を乗っ取るつもりか、どちらにしても放って置くわけにはいかないと、はぁ〜これは大変だ〜」


「フッ、タクトくん、私にはそうは見えなかったが、さっきよりやる気が出たように見えるよ」


 あちゃ〜見抜かれたか。

 俺はニコリと笑い何も言わなかった。


「私の情報はこの程度だ。あとはブラックから城に侵入して掴んだ王族の動きについて聞かせてもらいたい」


「え!?バロン様、城に侵入って、まさかそんな危険なことを母さん達に!」


 俺は危険なことをさせたバロン様に怒りが

湧いてくる。


「タクトくん落ち着きたまえ、ブラックとミルキーさんなら大丈夫だから」


 両手を前にだし慌てるバロン様。


「落ち着きなさいタクト、私達はこの通り無事だ。それに城については私が適任者なのは間違いないんだ。実は昔働いていた事があって色々と逃げ道を知っているだ」

 

 父さんは俺を止めてくれたので、なんとか怒りを鎮めることが出来たけど、今度は疑問が湧き上がってきた。何でそんなところで働いていたのかと……しかし二人には話したくない過去がある。そう聞いている。もしかしてたらそれに関わる話ならこれ以上聞いてはいけない。


 俺はぐっと我慢する。


「それじゃ〜私が調査した内容について聞いて頂きたい。国王ハドリアヌスは三つの問題を抱えている。一つ目は反乱軍の対応、二つ目はボルジア公爵側の貴族の対応、そして三つ目ですが、どうやら王子と王女が行方不明らしい」


「そうか、あの二人ならやりかねないな」


「どういう意味ですかバロン様、二人は何者かに攫われたのかと」


「タクトくん、たぶん違うんだ。王女と王女は自ら姿をくらました可能性が高いと私は考える」


「えっと……なんでそんなことを?」


「この国を救うため元凶を突き止め排除しようと考えているのさ。あの二人は昔から行動力がすごいからね」


「それって行動力の問題ですか?王子と王女なんですよ。そんな方々が普通危険を犯しますか?無謀なのもありますけど、あまりイメージがわかないな〜」


「二人は行動力もすごいけど、それ以上に正義感が強いんだよ。恐らく黙って聞いていることは出来なかったんだ。でもこれには流石に国王も頭を抱えているだろう」


「その通り、国王もなんとしても捜したいと思ってはいる様だけど、反乱軍のことは蔑ろには出来ないからね。二人を捜索まで手が回っていないのが現状、そしてここで一つ問題が発生した。どうもボルジア公爵の指示で二人が狙われている。恐らく今後の交渉に使えると思っているのだろう」


「それはまずいですね早く助けにいかないと」


 俺の言葉を聞いたバロン様は俺が思ったことと少し意見が違った。


「確かにそうなのだが、急がなくても恐らくは大丈夫だ。あの二人がそう簡単には捕まりはしないだろう」


「でも、その人達王族なんですよね。そんな人達がやっていけるとは………」


「タクトくんが言いたいことは分かるよ。だけどあの二人に関してはそうではないんだ、ただふんぞり返っている貴族達とはね。彼らの力は冒険者で言えばAランク相当、それに王子は頭がキレる。多分だけどすでに反乱軍に潜入していると思うよ」


 バロン様はすごく信頼されているんだな。

 その二人のことを前から知っているってことか、ま〜そう言うなら信用すれば良い。それに俺はその二人を知らない。少し薄情な気もするが二人がどうなろうとそれ程悲しくはならない。


「分かりました。それについてはバロン様が言うなら大丈夫でしょ。それより父さん、ボルジア公爵について他にも調べているのかな」


「もちろんだよ。タクト、イグニス、バロンについてはここからが本題だ。さっきバロンも言ったが公には君たちについて何も言われていないが、裏では君達を殺すためにある部隊が動いていた」


 マジかよー俺達なんて放っておけば良いのに、お前は国王の座を狙うので忙しいだろ。でも俺達を殺す部隊が動いていた。………なんで過去形?


「ただその部隊なんだけど……母さん全滅させてしまって、その〜取り敢えず心配がなくなった」


 父さんは何故か申し訳なさそうに言い、母さんは後ろでテレていた。


 も〜うこの二人は何してるんだよ!

 それにこえ〜んだよ!

 本当に母さんって何者なんだ!


 いつまで経っても謎の親達で頭を抱えてしまう。



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