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異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り  作者: 鉄馬 メウ


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第14話 犬が喋るのはおかしいそうです!


「なんで頭を撫でるのだ?ま〜良い、それよりももっとそのクッキーと言う物をくれなのだ」


 俺はニキがお手が出来たので母さんがおやつに作ってくれたクッキーを食べさせながらナデナデモフモフを楽しんでいた。


「そういえばニキってこの森に住んでいるのか?ここって結構危ないと思うんだけど大丈夫か」

「いや、俺はこの森に住んでは居ない。ちょっと探し物があってなダンジョンから出て来たのだ」

「へーダンジョンなんかに住んでいるのか、珍しいな、どうしてそんなところに?」

「面倒臭い話だがヘカテー様の命令でな、ヘル姉ちゃんかヨルムンガンドに任せとけば良いのによ〜俺が寝てばっかりで仕事しないからって地上に落として番犬でもやってろって言うんだぜ!酷いと思わないか!」

 急に饒舌に喋りだすニキ、どうも思い出して腹を立てているようだ。


「おう、そうか分かった大変だったんだな、それで探し物って何だ?」

「あ〜それな!ドラゴン共に守らせておけば大丈夫だと思ってうたた寝してたらダンジョンで保管していた宝具がどこぞの冒険者に盗まれちまってよ。今ドラゴン共に探させてるが見つからね〜くそ〜油断したのだ」

 

 ガックリするニキ。


 俺は話を聞いていて気になる点がいくつかあった。特に気になるのはドラゴンと冒険者、ドラゴンはさっき倒した奴ではないだろうか?冒険者はドMエルフの事かもしれん。どちらも可能性が高い気がする。そして問題はドラゴンを殺してしまった事、ニキはきっと仲間を殺されたと怒るだろう。どうしよう。


「俺はそろそろ行くよタクト、飯美味かったのだ!感謝する。それじゃな〜」


 どうしよう、ニキが去ってしまう。


「ニキ待ってくれ」

「あ?どうしたのだタクト」

「話がある実はさっきな〜ドラゴンを倒したんだもしかしたらニキの知り合いだったかもしれない。もしそうだったらその…すまない!」

 

 俺は頭を下げる。

 それからニキの返答を待つが何もない。

 俺はゆっくりと様子を伺いながら頭を上げると、ニキは首をひねっている。


「な〜タクトなんで謝っているのだ?」

「え!いや、ドラゴンってニキの仲間じゃないのか?それを俺は倒してしまったんだぞ!怒るだろ!」

「いや、別に怒らないのだ。さっき俺も食べさせて貰ったしおあいこなのだ」


「…………はぁ?」

 意味が全然わからん!何がどうおあいこなんだ?


「どうした変な顔をして」

「ニキすまん。言っている意味がさっぱりだ。ボクがドラゴンを倒して怒ってないのか、仲間なんだよな〜」

「いや、違うぞ!あれは俺の食料だ!」

「食料!?ドラゴンが〜」俺は大声で驚く。

「そうだ!ドラゴンは美味いんだぞ!今度タクトにも食わしてやるのだ」

「お!?ありがとうニキ」

「ま!大したことじゃない。気にすんな」

 俺とニキはワッハハハと笑うが内心混乱中、そこに先生が俺の肩に止まり難しい顔をして喋り出す。


「タクトお前平気で喋ったり飯を食ったりしているがそいつただの犬ではないぞ」

 先生はニキを見ながら話をする。

 ニキを警戒しているようだ。


「あら?やっぱりそうですか、犬って喋んないんですか?」

「喋るわけなかろう!そもそも魔物ですら喋るのは高位の魔物だけだ」

「ふ〜んつまりニキは高位の魔物って事?」

「さ〜な、本人に聞いたらどうだ!」

 俺はニキの方を向くと………え!?寝てる。


「おい!ニキ行くんじゃなかったのかよ……ま〜良いか、しゃーないから町まで連れて行ってやるか、どうせ目的地は一緒だしな!」

 俺はニキを腕に抱え込み。町へと帰る。


…………▽


◆アンディーの視点


「ふ〜疲れた疲れた、今日もゾクゾクするスリルを楽しめた。良い一日だった!ハァーア、さっさと寝るか、明日は早いからな」


「コンコン」ドアをノックする音が聞こえた。


「誰だ?この町には知り合いはいないはず、宿の従業員くらいしかおもいつかないが、もしかしたら私のファンかもしれないな!うん、仕方がない相手をしてやろう」

 ドアのノブに手をかけ勢いよく開く。


「仕方ないな〜サインくらいならしてやろう!」


「いらねぇ〜よ。くそ冒険家」

 あれ?この坊主は確か………あ!あの時の坊主か生きてたのか、驚きだぜ。


「よお!タクト生きてたのか!良かったぜ!

心配してたんだよ〜」

 俺はできる限りフレンドリーに声をかけた。


「うっせぇーくそ冒険家、良くも見捨てて逃げたな!」

 ダメか〜それもそうか、こいつを囮にしてドラゴンから逃げたんだからな。怒ってるわな……さてどうするか、ゆっくりとしたかったが逃げるか。


「許してくれよ〜タクト悪気はなかったんだよ〜」

 俺はタクトに向かって頭を下げる。


 今だ!私はその一瞬の隙を見逃さない。

 この優しい坊主は謝ることで気を許し俺の警戒が緩んだ。今のうちに窓から逃げるぞ!


 タッタッタ、軽々な足音を鳴らし、窓に手をかけ、開けて私は飛び出した。


「いてぇ!なんだ?」

 一瞬足の太ももあたりにチクリと痛みを感じる。いや、今はそんな事くらいどうでも良い、さっさとトンズラしないと、その時、後ろからロックと聞こえた。


「あ?あれあれ、何だこれは、くそ!足が動かないぞ」

 私は必死に足を動かすがビクともしない。

 一体何が起こったのだ!?


 窓際で動けなくなった私の後ろから不気味な笑い声が聞こえる。私の背筋がゾクゾクとして来た。あ〜これは私がいつも感じているスリルだ!

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