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第138話 ノルン達の下層での戦い!


「ダンジョン下層に到着!」


「呆れてものもいえないわ!他の冒険者の嘆きの声が聞こえそうよ」


「ま〜ま〜ジェーさん、良いじゃないですか!別にズルしたわけじゃないですよ!これはボクのスキル、つまり自らの力でここに来ました」


「まー……それはそうなんだけど!そのスキルが反則級なのよ!分かってる?」


 俺達は再びダンジョンに戻って来た。

 ここから下層、気合を入れていかないと、命がいくつあっても足りない場所。


 なんせ……いきなり見つかってしまった。

 

 赤い鱗……火竜だ!

 ドシンドシンと二足歩行で十メートル近くの巨体が歩いて来る。鋭い眼光をこちらに向けて獲物の俺達を捉えていた。


「さてどうしましょうか、タクトくんは手を出さないでね!あなたが出たら一発で終わっちゃうから、二人の修業にならない。私とアポロンちゃん、ノルンちゃんで行くわよ!」


「オシ!やってやるぜ!」

「分かったわ!絶対に倒してみせるんだから!」


「良いわよ!その意気、ワタシも一緒に戦うけど過度には期待しちゃダメよ!ワタシにはもうギガントバスターはないんだから」


 そう言えば、俺が壊しちゃったな〜。ドラゴンをも難なく斬り裂く名剣だったけ?


「初めにワタシが出るから!あなた達は隙を見つけて攻撃しなさい!いいわね!」

 

 ジェーさんは言ったと同時にもうダッシュで走り出し、そのあとに二人は続く!



「跡形も無く消えなさ〜い!

『ギガントクラッシュ』」


 ジェーさんは大きく跳躍し、オーラを大剣に纏わせてドラゴンに斬りかかる。


 ドラゴンは腕を振り剣と爪が激突、火花が散る。

 ドラゴンの腕はその衝撃で大きく弾かれ、ドラゴンは体勢を崩す。そこにアポロンが駆け寄り膝の後ろにアッパーをかましドラゴンはたまらず崩れ落ちる様に倒れた。


「灼熱の炎よ!ここに『フレイムエッジ』」


 ドラゴンの腹にノルンの斬撃が決まる。

 その一撃はドラゴンの分厚い皮膚を斬り裂き血が噴き出す。


 ドラゴンは雄叫びをあげるとノルンに腕を伸ばす。それをすかさずアポロンが側面から弾き飛ばしさらにノルンが斬撃を加えた。


 思ったよりドラゴン相手に押してるな〜。これなら思ったよりいけるか、そう思った時だった!猛烈な熱気を感じだのは、赤い!熱を帯びた風、ドラゴンが火を吹いた!


 3人は一旦距離を取ると、ドラゴンはゆっくりと体勢を立て直す。


「あれが一番困るのわよね。剣で吹き飛ばすにしても、あれだけの勢いのある炎、ワタシでも防ぎきれないよの〜」


ジェーさんは頬に手を当てて困り顔。


「それなら私がやる!二人は攻撃の準備宜しく!」

 ノルンは無謀にも真っ直ぐにドラゴンに突っ込んでいく。ドラゴンは口に火を溜めて放とうとしていた。流石に危ないと俺は手袋で空間障壁を張ろうとしたが、それは杞憂に終わる。


『天獄の魔眼』


 ドラゴンが火を吹くと、同時にノルンの目が赤く光る。放たれた炎は大きく裂け、ノルンには当たらず、ノルンはドラゴンの足を斬り裂いた。


 痛みで叫ぶドラゴンをアポロンが追撃、ノルンが斬った足と逆の足に鋭い拳が突き刺さる。ドラゴンは前に倒れ込むとジェーさんが駆け寄り、ドラゴンの首を斬り落とした。


 3人は無事ドラゴンの討伐を達成した。


「やったー私達ドラゴンを倒したわよ!」

 ノルンが飛びつく様に抱き着いてきた。

 ここ最近コミュニケーションが積極的だ。

 ちょっとびっくりである。


「スゴイよノルン、これなら一流の冒険者になるのもすぐかもな」


「いいわね!それ、一気に登りつめてやるわ!Aランク、そしてSランクよ!」


 ノルンの背中に炎がメラメラと燃えて見えた。


「思ったより大分やれたわ。でも油断はしないでよ!ここにはそんな生易しいのはいないんだから」

 

 そうだなドラゴンを倒して浮かれているわけにはいかない。ジェーさんは敢えて声を出して俺達に気が緩まないように言ってくれたんだ!


 一応目的のドラゴン討伐は達成したけど、いい感じでジェーさんが言ってくれたのでもう少し探索してから戻ろ〜っと!


 それから地竜と遭遇、3人で戦ったけどコイツには苦労していた。速さはそれほどではなかったが硬かった。尽く3人の攻撃は通らず長期戦となりどちらも手詰まり状態、しかし3人は諦めなかった。最後は威圧に負けたのか、地竜が逃げ出したところを俺がハンマーで空間圧縮、ぺったんこに潰れた。最後の最後に手を出してしまったけど、3人で地竜に勝ったのは間違いない。


 俺達は赤竜と地竜を手土産に堂々とギルドに戻ることにした。


「シャティー戻ったわよ!」

 ノルンがガンっと受付に肘を置く。

 コラコラ、喧嘩腰で行くな!


「シャティーさん今戻りました」


「生きて戻ったみたいで安心したわ!無茶はしなかったようね」


「はい!無茶はしません!安全マージンはしっかりと取るのも冒険者に必要な能力ですから」


「うんうん、良いのよそれで、えらいわね〜、お姉さんの言うこと聞いてくれたのね!それじゃ〜何か納品するのかしら?」


「はい!ドラゴンの牙と角をお願いします!」

 ゴンっとテーブルの上に置く。


「…………ガン」

「シャティーさん!?」

 

 シャティーさんは……机に頭を打ちつけた。

 俺は突然のことに驚く。


「ね〜少年、お姉さんの言った意味分かってないのかな〜」

 ゆらり…ゆらりと顔を上げる。


「そんなことはありません!シャティーさんの言いたいことは無理をせずに安全第一で行動しろと、自分も昔先輩からよく言われてました」


「あらそう、なら分かってほしんだけど、じゃ〜これなに!」


「ん?……牙と角です」 俺は首傾げる。


「ん?じゃないわよ!全然わかってな〜い!」

 シャティーさんはガンガン机を叩く。

 えっと……何か間違った事を言っただろうか?


「どう言うことですか!ジェット様!」

「どう言うことって言われても、そもそもそう言う約束でしょ、ドラゴンを討伐する。何よ忘れたわけ〜」

「違います!なんて危ないことを、彼らを連れて下層に本当に潜ったのですか!無謀にもほどがあります」

「それは違うわよ!あの子達には確かな実力がある。まだまだ危なっかしいところはあれど、それは経験を積んで良くしていくもの、あの子達はすでに下層に行くだけの実力があるの。だからあなたは邪魔をしてはダメ!約束は守りなさい」


 シャティーさんはウキィーと叫ぶくらい。悔しそうな顔をして、オーガドラゴンの依頼書を出す。


「あ〜もう!何なんですかあなた達は、私のアドバイスが意味ないじゃないですか〜」

 うぇーっと泣き出す。


 俺は頭をポリポリとかき、少し考えて、「そんなことはないと思いますよ。シャティーさんが言ってくれたおかげで助かった冒険者はいっぱい居ると思います。ですからこれからもアドバイスお願いしますね」


「ううっ……少年はいい子だね!お姉さん頑張るよ。でもその前に冒険者登録してくれない!」


「あ!それは無理なんで」


「何でよ!もう!」

 この後シャティーさんを宥めるのに苦労した。


 俺達は下層に再び戻り、オーガドラゴン討伐に向う!


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