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第131話 お金がない


 あれから一週間、俺達は一時の休息を取っていた。


「うっまぁ〜、この霜降りがたまらん!」


 今日は屋外でバーベキュー、前世では食べられなかった高級肉をふんだんに買っちゃったよ〜。


「な〜タクトこんなにええんか?」


「え?何が?」


「いや、気ぃ〜ついとるやろ。もうお金ないで!」


「え!?………使いすぎたーー」


「そりゃ〜そうやでぇ〜家買った時点で気がついとったやろう。お金ないと何も買われへんでぇ!」


「ま〜当たり前だわな」

 

 いかんいかんついついみんなといるのが楽しくって奮発しまくっていたが、そろそろ金策を考えないと。


「どうしたんだね。タクトくん」

 バロン様がワインを片手に声をかける。


「え〜実はどうも資金がそこを尽きかけてて」


「お!……そうか、それはそうだろうな。このワインにしても肉にしても、どれもとても美味だ。これだけの物を用意すればお金もかかるであろう。どうやらタクトくんに甘え過ぎていたようだ」


「いえ、そんなことはないんで良いんですけど、これからのことを考えないと」


「うむ、分かった。手っ取り早く金を稼ぐ方法か……」


「それは勿論ダンジョン探索よね!」

 

 バロン様と話をしていると、肉の串焼きをかぶりつきながらジェーさんがやって来た。

 

「ジェーさんはエリート冒険者ですもんね」


「そう言うことよん!お宝や魔物どちらもお金になるわ!一攫千金を狙って冒険者にやる人は多いの!だからおすすめよん!」


「確かにジェーの言う通りではあるのだがな」


「バロン様は何か気になることでもあるんですか?」


「いや、別に反対している訳ではない。ダンジョン探索は良いと思う。気にしているのは今私達がおかれている状況だよ。私達はどの程度公表されているのか、例えば指名手配されていないよかと、もしそうならダンジョンに入るのは難しい。何故ならダンジョンに入るには冒険者登録する必要がある」


「そうか、そうなるとバロン様とイグニスそれとボクは無理かもしれませんね」


「あ〜分からないが、その可能性は想定し警戒に当たる必要はあるだろう」


「それはそうかもだけどお金は欲しいでしょ」

 

 ん〜悩むな〜。バロン様の心配もジェーさんの言ってることも分かる。判断に悩むところだ。


「タクトくん一つ提案がある。ここは資金を調達する者と情報を手に入れる者で分かれて外にでないか?、ちなみに情報を集めるのはブラックとミルキーさんに任せたい」


「え!?父さんと母さんにですか?」


「あ〜二人が適任だよ。それ以外の人をつけると邪魔になるから二人でね」


 父さんと母さんか……良く分からないけど二人が只者じゃないのは間違いないし、バロン様がそこまで言うなら。


「父さんと母さんが良ければそれで良いですけど」

 

「そうか、それなら良かった。ではチーム分けと行こうか」


 分け方としては三つのグループに分けられた。


情報収集∶父さん、母さん、バロン様、

     スカーレット様

資金調達∶俺、ノルン、ニキ、ジェーさん、

     アポロン、カンナ

居残り ∶魔導ショップのおっさんと奥さん、    

     イグニス、ローム先生、神父様


 しかし以外だったのが先生が残ると言うこと、いつもなら必ずついてくるのに、久しぶりに集中して何か作りたいらしい。忘れていたけど先生は芸術家だった。一体何を作るのだろうか?




 それから俺達は外に出る。ここから気を引き締めないとな!またいつ国王軍やゴエティアが襲ってくるか分からない。


「それじゃ〜久しぶりに行くわよ!懐かしき我が狩り場ドラゴンパレード」


「ジェーさん、それが今から行くダンジョンの名前ですか?」


「ん〜ん違うわよ!それは別名、本当はヘルガーデンって言うわ!ここは何層かに分かれたダンジョンで、その中にドラゴンの巣と言われる恐ろしい場所があるのよ!私はそこで狩りをしてドラゴンバスターの二つ名を手に入れたのよん」


「あ〜なるほど、……ドラゴンか良いね!素材が金になる。一億二億ってね。へっへっへやってやる!それじゃ〜みんな行こう!向うはヘルガーデン」


 それから約1週間、地の精霊魔法でオートウォーク(地面を動かし移動)、まずはヘルガーデンを管理している町で休息と冒険者登録をすることにした。


「ほぉー流石はダンジョンが傍にある町、冒険者がそこら中にいるなー」


「うんうん!冒険者の町に来たって感じよね!テンション上がる〜」


 ノルンがすれ違う冒険者を見るたびに嬉しそうな声を漏らす。ノルンは今回バロン様の許可を得て、とうとう冒険者になるのだ。数日前から興奮が一向に冷めないし、ここに来てからより高まったな。


「タクトちゃんこのまま冒険者ギルドに向う?一応そこに食堂はあるから、食事も出来るわよ!」


「そうですね。早く行きましょうか、正直ノルンじゃないですけど、ボクもワクワクしてるんですよ」


「ふっふっふ、良いわね!そのくらいの気概がないとあそこではやっていけないわよ」


 ジェーさんはホッホッホと笑いながら先行して歩いて行く。そうだよな!なんかワクワクするって言ったけど冒険者がひしめく町、トラブルもテンプレであるだろう。ほどほどでお願いしたいものだ。


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