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異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り  作者: 鉄馬 メウ


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第129話 最も求めていた日常


「良し取り敢えずはこれで我慢してもらおう」


 俺の目の前には異世界にはあまりない四角い形をした三階建ての家が五件建てられている。

 

 一軒約五千万円、これを購入するのに二十五億万ウェンも使ってしまった。一応取っておいたシャックス侯爵のから奪ったお金が完全に無くなってしまった。これは早いところお金を稼がないとタブレットで物が買えないぞ!


「カンナまずはみんなを呼びに行こ〜」


「せやな!みんな気に入ってくれるやろうか」


………▽


「あ!タクト達が戻ってきたぞ」

 俺達を見つけたアポロンがみんなを呼ぶ。


「タクトくん探したよ!どこに行っていたんだい!」



「心配をお掛けしてしまってすいません」

 知らず知らずの間に腰の辺りに抱きつく母さんの頭を撫でつつ話を続ける。


「ちょっと皆さんで行きたいところがあるのでついて来て欲しんですけど」


「それってどこなのよ!……もしかしてカンナのお腹の中なわけ?」

 途中まで話を知っているノルンの言葉に周りのみんなには理解されずにクエッションマークが頭から出ていた。


「ま〜ま〜百聞は一見にしかずってね!まずは見てみてよ!カンナ宜しく〜」


「ほな行くで!空間転移!」

 

 全員をあの空間へと移動させた。


◆ノルンの視点


 突然景色が変わったかと思うと目の前にあまり見たことのない形をした建物があった。どこかと思い周りを見渡すもこの建物以外何も見えない不思議な場所だった。


「タクトここって?」


「うん、さっき話をしていた別の空間、だからここには誰も入って来れないはずだよ!これで国王軍とか気にせずゆっくり出来るよ。く〜久しぶりにゴロゴロするかな」

 

 タクトは背伸びをしながら建物の方に歩いて行く。みんなは何が何だか分からずついて行くけど 別の空間ってなに?本当にここってカンナのお腹の中なわけ!?と私は混乱していた。


 タクトは扉を開き中に入る。


「あ!そうだ、みんなここは土足厳禁だから靴脱いでね!そこに置いておいて」


 何故か分からないけど靴を脱がされる。

 そのまま入った方が楽なのに……


 タクトはそのまま奥の部屋に入ったので私達も入ると、さっきまでより少し広い空間があった。


「みんな、少しくつろいでて、ジュースとお菓子持ってくから」

 

 タクトに言われて傍のあるソファに座る。なかなか座り心地が良い椅子ね!ちょっと良いかも。


 みんなも座るけど落ち着きがない。周りをキョロキョロ、ソファとテーブルは分かるけど、天井の付近に箱、それにタクトが細長い箱から飲み物を出してる。それに私の横には薄っぺらい箱、箱がそこら中にあるけど何なのか一つも分からないわ。


「お待たせ〜クッキーとオレンジジュースだよ」


「ありがとうタクト、それでここって……」


「うん、みんな戸惑ってるよね。今から説明するからさ」

 タクトはみんなと違って黒い飲み物を一口飲んで喋り出した。


「みんなもそろそろ疲れたんじゃないかな。ボクは疲れた。だからさ。安全安心で住める場所を探してたんだけど、ここがそうなんだよ」


「それってカンナの……」


「ハハハ、ノルンはそこが気になってしょうがないみたいだね。確かにここはカンナのお腹の中って言う表現はあながち間違ってはいない」


「でも……」

 私はここで疑問に思っていた事があった。それはカンナもここに居ると言うこと、本人が自分のお腹の中に入ることなんて出来ないよね。


「確かにカンナが吸い込んだ物はここに入るんだけど、あくまでもここに繋がっていると言うだけで本当にカンナのお腹の中って訳じゃないみたい。ここはカンナの作った特別の異空間って思ってくれれば良いよ」


「へー……分かったけど、じゃ〜ここには私達しかいないの?」


「そうだよ!だから良いのさ!ここには国王軍もゴエティアも入って来れない。ここはボク達にとって安住の地になるのさ!ノルンこれってどれだけすごいのか分かる!」


 タクトが珍しくテンションが高い。でもその気持は分かった。だってそれなら今までピリピリしながら生活してたけど、その生活から私達を解放してくれるってことでしょ!これって今私達が最も求めていたことなんだもん。


「すごい!すごいよ!タクト、私もうクタクタだったからゆっくりと横になりたかったの〜」


「そう!そうなのよ!今まで当たり前のことなのにそれが出来なかった。でもこれからは違う!ノルンベットは上の階にあるから好きなだけゴロつけ!ボクがゆる〜す!」


「やった!タクト大好き!…………あ!?」

 私はあまりの嬉れしさにタクトに抱き着いてしまった。………みんなからの視線が痛い。


「キャ!………キャーー勘違いしないでよね!!」

 私は顔を真赤にさせて上の階に上がり適当な部屋に入りベットに潜り込んで目を瞑る。すごく恥ずかしかったけど、ベットがあまりにも気持ち良かったからすぐに夢の中へと吸い込まれ落ちて行った。


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