表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り  作者: 鉄馬 メウ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/443

第100話 タクトの覚悟


 何があったんだ!こんなことって父さん…母さん…みんなどこにいるんだ!


 俺は数日かけて町に戻ると赤い炎と大量のケムリをあげている町が見えた。俺はまさか!?と恐怖を感じたがそれを無理矢理抑え込み町へと急ぎ戻る。

 

 そこに広がっていたのは火の海。

 自分の家が燃え崩れる落ちるのを見て俺の恐怖は増していく。


 父さん、母さん………いや二人は家に居るとは限らない。元々町の外に出ていたはず、大丈夫落ち着け。父さんと母さんは生きている。

 

 周りの家も全て燃やされていた。

 もうここに人は居ない。


「そうだ!ノルン……バロン様の屋敷に!」


 俺は走った。力の限り………

 でもそこにも俺が求めていた光景はなかった。屋敷は半壊しており人の気配を感じない。ここにも人はいないのか。


 みんなどこに行ってしまったんだ!


 俺はグッと拳を握り締め、不安と恐怖を耐えそして再び歩き出す。


「タクト……血の匂いがするのだ」

 

 ニキの一言により強く拳を握り締め、「どこだ」と一言言った。ニキは俺の前を歩き、それについて行く。


 歩く先に僅かに人の気配を感じる。この先に誰かが居る。みんな無事でいてくれよ。

 

 そこにはたくさんの人達が集まって居た。そしてそのほとんどの人達が怪我をしており、動ける者はその者達の看病にあたっている。


 そして奥に進むとそこには大怪我をしたバロン様が寝かされており、神父さまが治療を行っていた。


「神父さま……なにが……あったんですか……」

 俺の声に振り返った神父さまの顔は疲れが色濃く現れていた。


「おおぉータクトくん、君は無事だったかい良かったーー」

 神父さまは俺を見て心底嬉しそうに絞り出すように言った。


「神父さま、父さんと母さんは………」

 二人は無事……だよな……


「タクトくん心配しなくて良い。ブラックとミルキーさんは今ここには居ない。偶然町の外へ出ている。無事だよ!」


「はぁ〜〜……良かった〜」

 俺は安心して力が抜け片膝をつき座る。そして傍にいるバロン様を改めて見た。酷い火傷だ片腕が爛れておりかなり痛々しい。


「神父さま、バロン様は大丈夫なのですか?」

 俺の言葉に神父さまの表情が変わる。


「なんとも言えません。ここまで酷い火傷を負えば私程度の回復魔法では命を繋ぐので手一杯です」


「そう……ですか……」

 バロン様死なないで下さい。あなたが死んだらノルンが悲しむ………!?


「そうだ!ノルンはどこだ!」

 俺は周りを見渡しノルンを探す。そこにアポロンとタンクさんが歩いて来た。


「アポロン、タンクさん、ノルンって今どこにいるかな」


 二人は暫く無言になり、少ししてアポロンが口を開く。


「タクト……ノルンはここには居ない……」

「どう言う意味だよ。アポロン……ならノルンはどこにいるんだ」


「それはな……」

 アポロンは言おうとして口を紡ぐ。

 言おうとして上手く言えないそんな感じだ。


「なーアポロンなんで教えてくれない!タンクさんもノルンがどこに行ったか教えてく…」

 タンクさんが涙を流していた。その姿を見て俺は黙り、そしてすぐにノルンに大変ことが起きたと察した。


「くっ……アポロン達が教えてくれないなら自分で探す!」

 俺は振り返り走り出そうとした時、声をかけられた。


『タクトちゃんノルンちゃんは攫われたわ』


 俺は身体が止めた。

 一瞬で心が奈落に落ちたような気分になる。


 俺はゆっくりと後ろを向き、そして絶句する。

 俺を止めたのはジェーさん、言葉使いから分かってはいたけど、その姿に俺は驚いたんだ。


 ジェーさんの腕がない!

 嘘だ!あんなに強い人が……こんなになるまで……


「ごめんなさいね!タクトちゃん、私が不甲斐ないばっかりにノルンちゃんは……」

 ジェーさんはグッと悔しい思いに耐えていた。こんな状態の人になんて声をかければ……分からない。でも一つだけ分かっていることがある。それは……


 どんな奴だろうが容赦はしない!

 ノルンは絶対に助ける!


「ジェーさん、ノルンは誰に連れて行かれたんだ。頼む!教えてくれ!」

 俺は膝をつき頭を地面に付けて土下座して頼み込んだ。


「タクトちゃん……勿論よ教えるわ!ごめんなさいね!私はこんな状態だから助けにはなれないけど応援はするわ!それでノルンちゃんを攫った奴らわ」


「そこまでよ!」

 ジェーさんを止めたのはスカーレット様、一瞬イラッとしたが、スカーレット様の無事が確認出来てすぐにホッと心が落ち着かせた。


「スカーレット様、なぜ止めるのです!ボクはノルンを助けに行きます」


「タクトくん、こちらにいらっしゃい。あなたに話があります」

 スカーレット様はついて来いと、そのまま別の場所に歩き出す。俺はそれに黙ってついて行くことにした。


 暫く歩き、周りに人が居なくなったところでスカーレット様はこちらに振り返る。


「タクトくん、ノルンを追うのは止めなさい!死にますよ」


 はぁ?……何言ってるんだこいつ、一瞬大分失礼な言葉が頭に浮かんだ。なんでそんなことを言うんだ!あんたはノルンの母親だろ!

 

「いやです!ボクがノルンを助ける。これはボクの意思だ。それはあなたにも止められない」


 スカーレット様は俺の言葉を聞き、一度呼吸を整え俺を真っ直ぐと見据えた。

 

「あなたは今どれだけ無謀なことを言っているのか分かっていないのよ!相手は大貴族の子息、手を出せばただでは済まないわよ」


「関係ない、貴族だろうがなんだろうが、ノルンに危害を加える奴は許さない」


「そう、タクトくんあなたの意思がかなり固いことは分かったわ。でもそれだけじゃないのよ。あなたが相手にしないといけないのは、バロンを倒す程の相手にあなたに勝てるの?」


 バロン様……そうだあの剣聖と互角に戦ったと言われているバロン様が倒されている。相手は相当腕が立つのは間違いない。でもそれでも俺はやるしかないんだ!だって俺はノルンを助けたいんだから。


「倒せるかどうかじゃないです!ボクはノルンを救いたいんだ!貴族だろうが魔王だろうが全員蹴散らしてやりますよ!」


 俺はノルンを救うためなら何も恐れない。

 覚悟は決まっている。


「分かったわ。あなたの覚悟しかと受け取りました。では勇者イグニスを倒しノルンを救ってみなさい」


 はぁ?……勇者イグニスって……

 

祝100話達成!✧◝(⁰▿⁰)◜✧


ご愛読して頂いた方、本当にありがとうございます。

この作品は少し変わった物をスキルにしたいと思い

書いたのですが、工具をストーリーにどう入れ

こむかに悩みながら書いております。

この話からはストーリーをグッと進て行こうと

思いますので今後とも宜しくお願いします(*´ω`*)


面白かったらブックマーク、下の評価★★★★★を

付けて頂くと嬉しいです。宜しくお願いします!(◡ω◡)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ