表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/26

第0話 未来と過去の始まり

「ハァッハァッ、やばい、もう4時だ」


 残暑が厳しい9月の初め頃、杉本柚希(すぎもとゆずき)は急ぎ足で病院の廊下を歩いていた。急いで仕事を切り上げてここまで来たのには勿論理由がある。


 今日、子供が生まれるからだ。


 自分と妻の初めての子供。妊娠が発覚してからこれまで体調に気を遣い、楽しみだねと笑い合い、健やかに育って貰うために様々な準備をしてきた。

 ついに今日、これからその赤ちゃんに出会えると思うと今すぐにでも走り出したくなるが、病院内ではそれも叶わない。できる限り速く歩き、分娩室の前にたどり着く。


 看護師さんによると、今まさに出産の最中らしい。今の自分には頑張れ、頑張れと祈りながら待つしか出来ないのが凄くもどかしい。


 どれぐらい待っただろうか、外を見るともう陽が沈みかけていた。もうかれこれ数時間も経っていた。あとどれぐらいかかるのだろうか。彼女は、妻は大丈夫だろうか。

 そんなことを考えていると、中から、声が聞こえた。


 オギャーッオギャーッ、と。 ついに、生まれた。


「明音、大丈夫か!!」


 助産師さんに呼ばれ中に入り、開口1番に問いかけると、妻の明音(あかね)はゆっくりとこちらを向き、にこりとぎこちない笑顔を向けてきた。


「柚希、来てくれたんだ。ありがとう」


「当たり前だろ」


 明音の憔悴仕切った顔を見て、思わず目頭が熱くなる。


「ふふっ、泣いてるの?」


「うるせー」


「こっち、来て」


 呼ばれて近づくと、明音を挟んで反対側に彼女がいた。今はもう眠っているのか、先ほどまで聞こえた産声もやんでいた。


「やっと、生まれたよ。私たちの子供。元気に育ってくれるといいね」


「大丈夫。きっと元気に育つさ。明音も知ってるだろ?」


「そうだね、もう8年ぐらいになるのかな?」


 8年前、当時大学2年生だった俺たちは彼女と出会った。

 俺たち2人の子供 ――真奈美と――



最後まで読んで頂きありがとうございます。

是非とも評価の程お願いいたします。

好評批評誤字脱字の指摘などございましたらコメントして頂けると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ