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ワシントンD.Cから!

 再び画面が切り替わる。またどこかの記者会見場のようだが、先程とは別の場所のようだ。正面には巨大な星条旗がかかっている。と、画面の脇から初老の男が現れて、いかにも慌ただしく会見席に着いた。


(パシャッ)

≪ただいまから、アメリカ合衆国、ヤブー大統領の緊急会見がはじまります≫


「あー、ゴホン。合衆国国民の皆さん、(え? ん?)……あー、全世界の皆さん、秋の夜長、いかがお過ごしでしょうか。実は世界はとんでもないことになってしまいました。えーと、そうね。とんでもないこと……(ん。なんだ?)……あー、UFO、UFOがね、そういうことです。(え?) 地球の権利を半分よこせと。うん。宇宙人たちは、人類が仲良くやっていないので、人類が当然持つべき自由を認めないのだそうです。そうなんですよ。とにかく、我々は早急に、彼らに対する態度を決定しなければなりません。しかし彼らは痛いところを突いてきてまして、(え?)(オホン)えー、現実的に、地球上のすべての国々の意見調整をすることは不可能ですから、合衆国はロシア及び中国と協議いたしまして、わがアメリカが中心となって……(え?)……えー、米中露の三国が対等な立場で、その枠内でわがアメリカは三国の決定を代弁して、宇宙人との折衝に当たることになりました。ことは急を要します。こんな会見をしている場合じゃないわけです。ではそろそろ終わり……(えー?)……全世界の皆様におかれましては、色々ご不安もあるでしょうが、この問題に関しては、わがアメリカに一任していただきたいと思います。これは民主主義的な方法です。すべての地球人が我々に賛同してくださればいいのですから。賛同していただけない方は、地球人とはいえません……。ご安心ください。我々アメリカはこういう事態に備えて、ハリウッドを中心に無数のシミュレーションを行ってきているのです。ハハハ」(パシャ)(パシャリ)


 画面がいきなりスタジオに戻った。


「わねこりゃ。いったい何なの」

「……バーバラ、マイク」

「……失礼しました。米国ヤブー大統領の会見の模様でした。緊急生中継のため、いろいろ不手際が発生しております。……しかし、アメリカ、いや米中露は、我々欧州を、いや国連を、無視するというのでしょうか? 勝手に人類を代表して、宇宙人と交渉なんて……。ジェレミー、あなたどう思う?」

「宇宙人からの先制攻撃を受けているわけじゃないんでしょう。きちんと国連総会を開いて、そこで対応を協議すべきだと思いますが、さっきの事務総長の会見から考えると、なんとも……」

「そうね。それはそうですが、欧州連合(ごほん)……とアフリカ連合、アジア各国、オセアニア共同体をいきなり切り捨てるとは、ちょっとやりすぎじゃないでしょうか」

「うーん」

(ピルルッ、ピルルッ)

「あ、また別な映像が入りました。切り替わります」


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