スタジオから②!
*
映像がスタジオに戻った。アナウンサー両名はむっつりと黙り込んでいる。フレーム外で誰かが合図をしたのか、男性アナウンサーの視線がちょっと動いた。だが、女性アナウンサーはぴくりともしない。
「……」
「……バーバラ?」
「は、すみません、ただいまお見苦しい映像が、」
「……ええと、カラチからエミー・ギャロンがお伝えしました。……大変なことになってしまいましたね、彼の言ったことは本当なのでしょうか。仮に核攻撃があるとすれば、アフリカ北岸、シシリー(プツッ)」
音声が途切れる。女性アナウンサーの口が動いて、男性アナウンサーに何か言ったようだった。
「(ブツッ)(……! …………!)(ブツッ)あ、えー、視聴者の皆様、核関連の話は、先ほどのインタビュイイの個人的な予測にすぎません。どうかパニックにならずに、所属国の政府発表など、信頼できるソースからの情報に基づいて行動してください」
「(プツッ)……まあ、たかだか全長数百メートルくらいのUFOでしょう。まさか核兵器なんて使わないでしょう」
「そうですよね。大げさですよね」
(プルルッ、プルルッ)
「今度はどこでしょう?」