表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こほうぎこなたはかく語りき  作者: フリードリヒ・ハラヘルム・タダノバカ
真七章 こほうぎどなたの冒険
99/213

こほうぎそなたってどなた?

 こほうぎどなたのバイトする温泉旅館に彼氏と泊まりに来た姉のそなた。


 しかしどなたは姉を覚えていなかった。


 病気ではない。記憶喪失でもない。


 デフォルトである。




「どなた! 見つけた!」

 そなたは彼氏を背中に隠しながら、言った。

「みんな探してるのよ? 家に帰りなさい」


「どなた?」

 どなたは言った。

「そなたはどなた?」


「覚えてるじゃない! その、そなたよ! あんたのお姉ちゃんでしょ!」


「どなた? は、どなたの娘? そなたの娘?」


「何言ってるのか意味わかんない! こなたお姉ちゃんも心配……してることにしておくから、帰っておいで!」


「こなた? どなた? そなた? あなた?」


 そなたの彼氏がそなたの頭の上からひょこっと顔を出して、言った。

「そなたちゃんの妹かい?」


 背の高いフツーのイケメンだ。


 どなたが聞く。

「どなた?」


「はじめまして。そなたちゃんとお付き合いさせていただいています、仏野ふつの活男いけおと言います」


「あの……ね、どなちゃん」

 そなたの顔が赤くなった。

「私達、お忍びの旅行だから……ね? 内緒にしてて……ね? あんたは一人で自発的に家に帰りなさい」


 それだけ言うと、姉のそなたは個室露天風呂に消えた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ