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うぷろうど一樹の不倫
ムーディーな明かりの中、ラブホのベッドの上で煙草をふかしながら、うぷろうど一樹は隣に寄り添う女性に言った。
「なぁ、どなた」
「どなた?」
「私は妻と別れようと思う」
「どなた!」
「君を愛してしまったんだ」
「ど、どなた……♡」
「私と結婚してくれないか?」
「どど……どうなった?」
読者諸氏はお忘れであろうが、こほうぎどなたは13歳の中学一年生である。
ラブボのマジックミラーの向こうから、長男のうぷろうど二樹と、次男生後5ヶ月の三樹、そして嫁の鬼女が並んでそれを見ていた。